9004M列車 暇人
「横浜、横浜です。」
ある人にとっては浜の赤いアンチクショーが走るカリオ◯トロらしい。どういう意味なんだろう。まぁ、ネタ・・・。
「真ちゃん。」
心配そうな顔をして駆け寄ってくる。
「ママ。」
「良かった・・・。」
「なにも心配なかったよ。」
「もう、そういうことじゃないの。」
「ここまで在来線で来たの。」
おばさんがそう聞いてきたので、「うん。」とピースサインを添えて答えた。
「6歳なのに凄いわねぇ。」
「えっへん。」
「ちょっと、あんまりそういうこと言わないでもらえる。この子すぐ調子に乗るから。」
「・・・。」
調子に乗るって・・・。僕はちゃんとここまで来れたんだからそれでいいじゃん。
おじさん、おばさんと会ったので横浜駅から離れ、おじさんたちの家に向かう。その家は横浜とは思えないくらい長閑な場所にある。これでも横浜市の一部らしい。
「おお。」
僕は息をのんだ。前にはたくさんの時刻表が並んでいる。僕が生まれる前のものもある。
「おじさん、これ見ていい。」
「うん、いいよ。」
「すっごい、すっごい。昔の列車がいっぱい。」
「ホリデー快速富士山」、「スーパーあずさ」、「中央ライナー」。中央本線だけでもここまで僕が知らないものがある。他にも「のぞみ」の12本ダイヤになる前の東海道新幹線。うーん。これだけでもムネアツ・・・。
「真太は電車好きだからなぁ。」
おじさんは笑いながら僕のとなりに腰かけた。
「おじさんも好きなんでしょ。」
「まぁな。」
「昔は電車に乗って日本中回ったこともあったなぁ・・・。」
と呟いた。
「おじさん、日本中ってどんなところ行ってたの。」
おじさんはただ昔を懐かしむように天井を見上げ、
「そりゃあもう色々さ。47都道府県全部回ったもんさ。」
「でも、電車乗ってるだけって暇じゃない。」
僕が途中から感じていたことをぶつけてみた。
「暇ねぇ。寝て過ごしたり、受験の時は勉強したりしてたからそれほど暇じゃなかったぞ。」
「えっ。」
「時間って言うのは待っちゃくれないからね。そんな時間でも有効活用しないと。」
「へぇ。」
同じこと考えてた人が案外近くにいた・・・。




