目次 次へ 1/6 プロローグ 最近よく同じ夢を見る……。 色のない世界をただ真っ直ぐに走っている。 降り注ぐ雨の中、止まる事はできない。 一つ二つ三つ……いくつもの水たまりを踏み抜いた……。 鏡面のような水たまりは雨粒の波紋さえうつっていない。 ふっと―― 最後の水溜まりで足元の抵抗が無くなった。 私はそのまま吸い込まれるように水たまりに落ちていく。 私を吸い込んだ最後の波紋が無くなる刹那、雨粒さえ動きを止めて世界は沈黙した。 目が覚めた。 せき立てられるような焦燥感だけが、胸に残った。