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二十四話 愛すべき悪戯
本当は昨日投稿したかった...。
「まぁ、悪かったな。少しだけ気持ちを押し付けすぎたか。」
「私は...別に。」
居心地悪そうに時雨が顔をそらす。弾かれた手を再び掴み力を込めた。想いよ伝われ、そう願いながら。
「い、痛いよ聖。」
「またもや悪かったな。」
スッと手を離した。
「あぁ、そういえば忘れるとこだったな。」
「聖?」
小走りで若葉さんの車までかけて行く。一度車の中に入ると紙袋とバケツのようなものを取り出した。今度は、若葉さんも連れて時雨の元へ駆け寄った。
「なぁ、夏って言ったらなんだと思う?」
「突然どうしたんだい?」
「疑問に疑問で返すんじゃねーよ。いいから、ほらはやく。」
「うーん、海...蝉...カブトムシ?スイカ、風鈴?」
ゆっくりと歩いて来た若葉さんがようやく追いついた。
「あれ?若葉も来たの?」
「保護者なしに火遊びはダメですよ。」
俺は昔、友達とイタズラを仕掛けたことを思い出しながら大きく笑った。
「花火、やろうぜ!」




