第11章 意外な真実
1週間後……
ハニーのすばらしい知識と技術により手術は成功した。
後はロウが目を覚ますだけだ。
戦士たちはその間、今後について話し合っていた。
「俺は行ってみたいな~」
とソージョーが言った。
「ワシも行きたい」
「でも、行くにしてもまず情報を得ないと」
とレイカがいった。
「それにドーラ様の墓を立てなければいけないじゃないか」
そう言ったのはロージアだ。
その時だった。
ロウが目を覚ましたのだ。
「ロウ君大丈夫?」
心配そうに訪ねるレイカ。
「はい。大丈夫です」
彼は改造手術を行なった事により、前よりたくましくなっていた。
そして彼は誰も知らない事を話し始めた。
ハニーさえも知らない事を……
「西の国はかなり危険ですよ」
「どうしてそう思うの?」
とレイカが聞いた。
「あの国にいるのは、別の星から来た異星人たちです」
「異星人!」
誰もが驚いた。
だが、その言葉により、ハニーの忘れていた記憶が戻ろうとしていた。
「そうだったわ。秀吉がこの星を、死の星に変えた後、この星を甦らしたのは、別の星の人……私を直してくれたのは、その方たち……あの円盤はあの方たちの宇宙船」
「なら、いい奴じゃん」
と、龍馬が言った。
するとロウはこう答えた。
「今来ているのは、80万年前、地球を救ってくれた星の人たちの子孫です。奴らは先祖によってこの星が復活した事を理由に、この星を支配しようとしているのです」
「何でお前がそんなこと知っているんだ?」
と、ソージョーが聞いた。
するとハニーは何か分かったようだ。
「たぶん、25号の部品で改造手術をしたため、25号の記憶が、ロウさんに残っているんだわ」
「おそらくそうでしょうね。一度も会ったことのない織田秀吉の顔が今は分かるんだから」
「ていうか、結局、戦わなければ、この世界は秀吉なり、異星人なりに、支配されてしまうのか」
と、龍馬が言った。
「今この星に来ているのは4人だけだと思います。でも、それでも織田軍は敗北した」
「たった4人で……」
「ロージアがそう呟いた。
ロウは腕を組み、何かを思いついたようだ。
「僕は今から北に行き、かつて北海道と呼ばれていた町に行き、そこにあるパワーアップルの実を食べてきます」
「何だ?そのパワー何とかの実って?」
と、ソージョーが聞いた。
するとハニーが答えた。
「その実を食べると、体中に激痛が襲うの。何日も、何日も、激痛が襲うの。でも、それに耐えたものは力がアップするという実よ。聞いた話では、今までそれを食べ、耐えれたものは居らず、あまりの苦痛に死を選ぶと聞いたわ」
「らしいですね。秀吉も兵士を使って、食べさせたが、結局、3日で発狂してしまい、その後秀吉の手によって殺されたみたいだ」
「ロウ、そんな実なら止めておけ」
とソージョーが止めようとした。
「僕は2度死に掛けた。嵐に遭った時と、この前のブラックの攻撃で死に掛けた。だから今度も僕は生きてみんなの元へ帰ってくるよ」
手術後の彼はすごく成長した。
「私も付いていくわ」
と、レイカが言った。
「お前まで食べる気か?」
不安そうな顔でロージアが尋ねた。
「もちろんよ。私は今まで多くの罪を犯した罪人……そんな私だからこそ、苦痛に絶え、強くなり、この世界を守って見せるわ」
「そうか……」
かつて北海道と呼ばれていた町は、今では、ルナティックの街となっていた。
もちろん海を越えなければならないが、船は使わず、浮遊術で飛んでいくつもりなのだが、ロウは、魔法がまったく使えない、そのためロウはレイカに負ぶさって行くこととなった。
ロウにとってはすごく嬉しい事だった。
だが、ロウを負ぶって、浮遊術で行くには相当な体力が必要だ。
だが、レイカは、この後の苦痛に比べればなんでもないと力強く皆の前で言った。
そして、ロージア、ソージョーの二人はドーラの骨壷を持って、マジカール王国に戻ることにした。
だが、彼女たちでは船は操れない。
このメンバーで操れるのはハニーくらいだ。
そのためハニーも行く事となった。
龍馬はラークやレーヌたちの村に残り、厳しい修行に挑む気だ。
一ヵ月後、ラークたちの村で再び全員が集まることを約束し、それぞれ去っていた。