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次の日、私はいつもどおり双眼鏡を持って図書館に向かいました。馬車を降りて図書館内に入ったのですが、人が全然いません。今日は休館日ではないはずなのに、どうしたのかしら?


少し違和感を覚えつつ、私はいつもどおりアレクシス様がよくいらっしゃるテーブルに向かいます。

あら、今日はいらっしゃらない…。アレクシス様がいつもいらっしゃる机の上には何も置かれていません。おそらく来ていないのでしょう。


私は諦めて出口に向かおうとくるっと方向を変えました。すると、目の前にネイビーのジャケットとシャツが見えました。誰かしら、と上を見ると、アレクシス様がいらっしゃるではありませんか!


「あ、申し訳ありません!」

私はアレクシス様の進路を妨害したのだと思いすぐ謝り、1歩右にずれて横を通ろうとしました。すると、突然腕を捕まれ、ねえ、横から少し低い声がしました。


左を向くと、アレクシス様が私を見つめていらっしゃいます。あ、目があったのは初めてだわ、と思っていたら視界いっぱいにアレクシス様が広がり、唇に柔らかい感触を感じました。


あ、唇柔らかい…

そう感じたのも束の間、今度はにゅるりと熱い舌が口内に入ってきました。突然のことに咄嗟にアレクシス様の身体を押したのですが、びくともしません。逆に腰に手を回され、かなり密着した状態になってしまいました。


させるがままになっていると、漸くアレクシス様は唇を離してくださいました。しかし身体は抱きしめられたままです。


「ねえ、なんで婚約の話を断ったの。隣国に婚約者候補がいるって聞いたけど、俺と婚約しないなんて許さないんだけど。」


頭の上からアレクシス様の声が聞こえてきて心臓が痛いくらいに鳴っています。アレクシス様にもこの音が聞こえているのではないかと思い、とても恥ずかしいです。


「俺、君の婚約者になりたいんだけど。悪いけど隣国の人との婚約はなかったことにしてほしい。君のこと、漸く手に入れられると思ったのにまさか断られると思わなかったよ。」


「あ、あの…。アレクシス様は外国に思い人がいらっしゃるのではないですか?」


よくやく絞り出せた私の問いに、アレクシス様は、は?と低い声を出した。


「何それ、そんなのいないんだけど。俺君が15のときから君のこと婚約者にするって決めてたんだよ。」



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