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「今日もかっこよかった〜!!」
アレクシス様を10分ほど眺め、満足した私はアルベンス伯爵家へ帰るべく、馬車に乗って移動しています。
窓の外を眺めながら、今日見たアレクシス様を頭に思い浮かべます。アレクシス様はこの国では珍しい黒髪に翡翠の瞳をしています。もちろん、顔はとても整っています。少し切れ長の目にすっと通った鼻、薄い唇…。すべてが私のストライクゾーンなのです。
アレクシス様は19歳。婚約者がいてもおかしくない年齢ですが、まだ婚約者はいないそうです。縁談は山ほどありそうなのに、不思議です。アレクシス様が婚約者をつくらないのは他の国に思い人がいらっしゃるのではないかと噂されているくらいです。
アレクシス様のことを考えていると、馬車が止まり、扉が開かれました。アルベンス家に着いたようです。
御者の方にお礼を述べ、家に入るとお父様が待ち構えていたかのように私を出迎えてくださいました。
「おかえり、エルニカ。話があるんだが、執務室に来てくれるかい?」
「ただいま帰りました。分かりましたわ、お父様。支度をしてきますので少しお待ちください。」
お父様の執務室に呼ばれるなんて…珍しいわ。何かあったのかしら?
自室に戻り簡素なワンピールに着替えると私はお父様の執務室に向かいました。
コンコン、とドアをノックすると、お父様は扉を開いて私を招き入れてくださいました。
お父様は私をソファに案内すると、お茶の準備をメイドに頼み、机からいくつかの書類を持って私が座るソファの反対側に腰を下ろしました。
「エルニカ、お前にいくつか縁談がきている。その中にはなんと、お前の好きなアレクシス様もいらっしゃる。アレクシス様、いやフォルト公爵家からの縁談を断ることはないと思うのだが、一応お前にも聞いておこうと思ってな。アレクシス様との縁談を進めてもいいかな?」
お父様が見せてくださった釣書の中に、たしかにアレクシス様がいらっしゃいました。私は書類に目を通し、お父様の目をまっすぐ見て、答えました。
「いえ、お断りしてください。」




