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そらむすめ  作者: エトゼット
 本編
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21/21

 第二十話「久しぶり、元気ですか。」

朝日が入る窓を横目に、五二型はきょとんと首を傾げる。

「…機動訓練?何それ?空戦機動ならいつもやってる気が…」

その五二型の言葉に、二一型は腕を組んだ。

「あーそっか…五二はまだ経験してなかったっけ、空母機動部隊訓練。」

「空母機動隊…?あー…確かにやったことないなぁ…」

五二型はうーんと、指を頬に当てる。

「ま、久しぶりに空母が帰ってくるからね。訓練は大事大事。」

「そうだね。…そういえば、空母の名前ってなんだっけ?」

五二型の問いに、二一型は

「あぁ、“蒼龍”よ。んー…と、ミッドウェーには要注意、ね。まぁ、外見は全然似てないけどねぇ…艦橋が左にあるんだし、どっちかと言ったら飛龍でしょ。飛龍だとしても似つかない外見だけど…名前だけ旧海軍の空母と同じでもねぇ…」

そう二一型は苦笑いしながら言う。

そんな二一型へ、一つの声が聞こえてきた。

「もー、縁起でもないこと言わないでよ二一姉さん…」

その声に、二一型が微笑む。

「…ふふ、ごめんごめん。冗談だよ。…そしておかえり、三二。」

「うん、ただいま。」

他の零戦姉妹とは違う形をした翼端を持ったユニットを背負い込んでおり、そして少し短めな髪をした少女、零戦三二型は二一型に手を振った。

「あ、三二姉さん…」

「お、五二じゃん。元気してた?」

三二型は五二型へ笑いかけて一歩踏み出した。

すると三二型に誰かが飛び込んできた。

「三二〜!」

「ごふっ…!?ちょ、ちょっと…あのねぇ、飛び込んでこないでくれない…?二二…」

二二型は顔を上げて三二型に微笑む。

「いいじゃんかぁ〜久々に会えたんだし〜」

「それはそうだけど…痛い痛い、ユニットが食い込んで痛いって…っ!!」

「おぉっと、ごめんねぇ〜…」

二二型はパッと手を離す。

三二型が手で二二型の服についた埃を祓う。

「全く、どんだけ急いで来たの…」

三二型がそう呆れながらも言うと、二二型はフッと笑う。

「ふっふっふ…帰ってくるってことはわかってたからね、三二と久々に会えるんだし…」

「んー…まぁ、いいけどさ。」

三二型は指で首裏を掻いた。

「空母から帰ってきたらこれかぁ…」

「そう言わないの、喜んでくれてるんだから。…まぁ、ちょっと…いや、結構はしゃぎ過ぎかもだけどね。」

一一型が三二型の後ろから話しかけた。

「ま、無事に帰還できたし、それだけでお釣りが来るよ。一一姉さんもありがとう。」

三二型がそう言うと、二二型は少し笑って言った。

「おかえり、三二。」

「…!…ただいま、二二。」

―――――――――――――――――――――――――

「それにしても、いつ見ても不思議―な外観してるよねぇ…蒼龍さんや。」

二一型は極防の港に停泊している航空母艦“蒼龍”を見上げてそういった。

「何度か乗ったことはあるけど、結構名前負けというか…失礼だけどね。というか、艦橋が左にあるなら飛龍か赤城を名乗りなよ…」

「ま、そう言ってあげない。変わってないなぁ…」

その声が聞こえた方向へ向くと、帽子を深く被った少女がいた。

「…ふっ。お久しぶりですね、九七艦攻さん。」

「やめなよ、二一に敬語なんて似合わないし…」

九七式艦攻は苦笑いしながら、二一型へ言った。

そんな九七艦攻に、二一型は笑った。

「あはは、それもそっか。と言うか、九七がいるなら九九もいないの?」

「あぁ、九九ならすぐに来るよ。」

九七艦攻は若干ぶっきらぼうに答えた。

すると、再び声が聞こえる。

先ほどの九七艦攻の声とは全く異なった声だった。

「あ、二一…!久しぶり…」

「も〜九九遅いよ〜?」

腕を広げた二一型に九九艦爆が抱きつく。

「おおっと…フラついちゃった…」

「…無事でよかった…だって二一…確か…」

その九九艦爆の声を聞いて、二一型はふと思い出す。

「あ〜…五二庇った時のこと?」

「そう…電報で急に伝えられて全員気が気じゃなくて…」

九九艦爆は二一型から離れてから胸を撫で下ろす。

「まぁ〜…ね。あの時はつい咄嗟に…でもさぁ、私がそう簡単に野垂れ死ぬと思う?それに、真珠湾トリオに欠員出すわけにもいかないしね。」

「…なんか、心配して損した。」

九七艦攻がそう言うと、二一型が口を開く。

「ちょっとぉーどう言う意味ー?」

少し怒りっぽく聞いた二一型に、九七艦攻は言葉を返す。

「別に…本当に全然変わってなかったから、安心しただけ。」

「いやあの…言葉選び…」

九九艦爆が呆れたようにはぁっとため息を吐いた。

「そういえば、三二の様子どうだった?何か問題とかなかったの?」

二一型が九九艦爆と九七艦攻に聞いた。

すると、二人は顔を見合わして微笑む。

先に九九艦爆が口を開いた。

「問題はなかったよ。本人的には、ユニットの航続距離が短かったからあんまり空母は乗り気じゃなかったみたいだけどね。」

「まぁ〜おおかた予想通りだね…三二ってこっちに居た時も航続距離が足りない足りないって気にしてたし。」

二一型はうんうんと頷く。

そうしたら、九七艦攻が九九艦爆に続いて話し出した。

「でも…二一よりも鋭い急降下、それに20mmの無駄撃ちも少なくなったから継戦能力は確かに上がってるわ。」

「ん、確かに…私とか一一姉さんはなんとかやってるけど、弾薬があれば多少でも戦闘を続けれるよね。三二、前は空撃ち多かったもんね…」

二一型は指を顎に当てて考えるように言った。

すると、二一型がニヤッとして口を開いた。

「まぁ話聞いてると、三二も結構成長しただろうし…だとしたら、そっちにもちょーっとだけ、期待しても良い?」

「へぇ…」

九七艦攻はその言葉を聞いて腕を組む。

「三二が成長してるなら私たちも成長してるはず…ってことね。」

「ま、機動隊訓練ならやらないわけには行かないでしょ?」

九九艦爆がコクリと頷いた。

「じゃあ、極防の実力も見れるってこと?」

「もちろん。私たちの今の実力をちゃーんと見ててよね!」

二一型はにっと笑いながら言い放つ。

そんな二一型を見て、九七艦攻は息を吐く。

もちろんと言いたげな表情で二人は頷いた。

ドーモ、作者です。みてくださってありがとうございます。

ついに三二と艦攻艦爆系統を出せましたねー。

零戦姉妹の中で一番どこで出すかを迷ったのが三二です。

まぁそんな裏話もたまにここでするのでお願いします。ではでは。

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