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第43話 リアノッカ

アトソーヌ

ソイモン村長に連れられ、私達は広場に来た。

既に集められている村人は期待の眼差しで私達を見る。

「皆のもの!!大魔導士りお様と勇者アオ様から発表がある。」

「ええ。この村に転移陣を作りました。遠く離れた地に一瞬で移動できる陣です。ですが、その影響で国から干渉される危険性が出て来ました。」

もう話は村人に通っているのだ。皆は静かに聞く。

「私達の村が国に搾取されない為、私大魔導士りおは、ここに新たな国を建国します。国の名前は、リアノッカ!」

おおおおおと村人は歓声に沸く。

「国王は、私りお、そして、宰相は、勇者アオ!」

「皆とウルフ防衛戦をした事は記憶に新しい。その時この村を守った大魔導士りおの力こそ国王に相応しいと僕は思っている。僕には魔法を創造する力がある。皆がりおに忠誠を尽くしてくれるならば、この村の皆に、自らの命を、国を守れる力を授けたい。」


そして、湖の地で祭りを計画している事を説明した。通貨を両替し、これからは私達が作ったものを使う事に定めた。

『報酬 村結界装置 移動不可 発動すると3日維持できる。週に3日発動可能。』



 私達はエーテーシーに来ていた。エーテーシーから見て北、はじまりの地は、侵入不可の行き止まりである。そして一本道で、南は海が広がっている。いわゆる孤島なのだ。

そして貨幣がある。

謎だ。

ここには貨幣が作れる錬金術師も居なければ、鉱石が採掘できるダンジョンもない。

貨幣は海の向こうから来たのかと思ったが、どうやらこれは、私達の様な存在が作った可能性があるのだ。

というのも、船をどうやって作っているのかと鑑定したら、創造魔法で作られているという。

エーテーシーを他の地球人に乗っ取られる可能性は?

『ありません。』

それなら良いのだけど。海の向こうに大陸はある?

『秘匿されています。』

あるのね。

ここエーテーシーを統治していると主張しているリアノッカ以外の国はある?

『ありません。』


私達は許可を取って転移陣を作っている。

村長エゴヌと話し、私達がアトソーヌに建国したと伝えると天の声のこともあり、当然自分達の村がリアノッカの領地になると思い込んでいた。

私達はきちんと村長と話し合って詳細を詰めると、同じ様に村で宣言をした。


『先取り報酬 村結界装置 移動不可 発動すると3日維持できる。週に3日発動可能。』


結界は週3日しか発動できない。

なので、もしもの時以外は使えないと伝え、襲撃があった時のみ発動に決めた。

普段から村人の魔法を鍛えて今以上に戦える様にしておかなくては。


私達はエーテーシーで鮭ほか、多くの魚と、米を買い付けた。


はじまりの部屋  

佐々木さんはキッチンカーに創造魔法でバックモニターを付けてくれた。

『縦列駐車をしよう』

『自宅ガレージに車庫入れしよう』


「縦列と車庫入れしよう。」

「うん。ごめんね。面倒かける。」

「面倒じゃないよ。乗って。」

私は運転席に乗ってシートベルトをつけた。


「モニターだけを見ると死角あるから、目視でちゃんと後ろ見て。」


佐々木さんは極力穏やかな声を心掛けているように見えた。誰だって泣く女は面倒臭いのだ。

「うん。」

「そう。ゆっくりでいいから。」

そう言って切るタイミングを言いながらうまく一度で入った。


『報酬 お釣りセット3万円分 自動車運転技能』

「クリアした。じゃあ次車庫入れ。」

「僕的にはガレージ入れる方が目印が見えて簡単だと思うよ。緊張しないで。りおは右からと左からどっちの方がやりやすい?」

「右。」

「じゃあ右にしよ。大丈夫。ぶつけてもすぐ直せる。僕ら錬金術使えるからね。」


安心させる様に優しい声で言う佐々木さん。

だけど私は壁がある車庫にビビってしまう。佐々木さんも怒らない様に無理しているのだ。私が頑張らないと。


すると佐々木さんは私の左手に自分の右手を重ねた。


「大丈夫だよ。落ち着くまでちょっと待とうか。」


佐々木さんが坂本さんの真似をしているのはすぐ分かった。早く落ち着かなくては、これで終わりだと思えば思うほど焦る。


『ガレージと車、双方に結界を発動しては?』

「は?!」


私達は結界を発動した。

『ぽちっとな。』

愛陽がふざけたので笑う。それは下手したら父親より古い世代では。

無事に車庫に入ってホッとする。

そしてキッチンカーをインベントリにしまった。


『報酬 キャンピングカー スキル自動車運転』


「ありがとう。お詫びとお礼に佐々木さんにこれあげる。」

車庫の中にどどんとキャンピングカーを出した。

2tトラックを改造したみたいな形だ。キャブコンというらしい。


「えええええ!!!!ちょ、待って、めっちゃ嬉しい。めっちゃ嬉しいけど僕が君から貢がれるの?それは抵抗があるよ!時々乗らせてくれるだけで良いから!」


「だめ。貢がれるの。受け取って高額商品貰う気持ちを味わって。愛陽、名義変更お願い。」

『分かりました。』

「待って待って、ほんとにやめて!」

『変更しました。』

「ええええ。」

「分かった?こういうこと。」

「うわああ。でもどうしよう。複雑だけどめっちゃ嬉しい。一緒に車内見よう。」


『内装はカスタマイズ可能です。』

キッチンが無くてトイレがある仕様。トイレ個室は防音、自動クリーン付きである。

ソファとテーブルがあるくらい。

二人で並んで座る。


「嬉しい。ありがとうりお。家の次は二人の車だ。めっちゃ嬉しいよ。ほんとに結婚したみたい!!夢みたいだ!」

「え?う、うん。そだね。」


佐々木さんは私を抱きしめた。

「いっぱい傷つけてごめん。好きだよ。りお。」

「うん。」

私が見上げると、佐々木さんはそっと私に口付けた。


『突発イベント報酬 初キス マイクロバス拡張券 中型自動車運転免許証 アオ愛情アップ アオ絆大幅アップ』


なんなの?!仕組まれてるの?!これ、拡張したら佐々木さん乗れないじゃん!!


「ごめんね。気を遣わせて。嫌だったよね。」

「違うよ。したかった。」


そう言った佐々木さんは私にもう一度キスした。

『アオ 愛情アップ』

『アオ 愛情アップ』

『アオ 愛情アップ』


「そろそろ出よ。」


何度かキスしたらキリがなくて、このままじゃまずいと思ったのか佐々木さんは赤い顔で立ちあがろうとした。


私は佐々木さんの腕を掴む。


「えっと…りお?」


佐々木さんは私の顔を遠慮がちに覗き込む。

「あのね。衝撃的な事言って良い?」

「えっ?何?」

「マイクロバス拡張券と中型免許貰っちゃった。」

「永遠!すぐ莉緒に名義変更!!」

「ちょ!」

『変更したでござる。』

「ちょーーーー私でかいの乗りたくなーい!』


『はじまりの部屋は莉緒の私有地につき、仮免許が無くても練習する事ができます。』


結局佐々木さんがどうしても乗りたいと言うのでマイクロバス仕様に変更した。

いつでも変更できるらしいからだ。

佐々木さんが運転席に乗るなり出たイベント。


『第一段階学科教習、技能教習を修了しよう。中型自動車仮運転免許証』

『第二段階学科教習、技能教習を修了しよう。中型自動車運転免許証』

『試験を合格しよう。中型自動車運転免許』


標準はマイクロバスにしておいて佐々木さんは練習するという。彼は自動車運転スキルだけでなく、運転技能持ちだ。

永遠曰く、一発試験でもOKらしい。

「学科勉強頑張らなくちゃ!」

もう受かる気満々である。

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