第36話 寝顔ガン見で学ぶ睡眠健康指導
「スキル出た。資格貰ったんだけどこれ何?」
「比較的簡単な資格だね。ここでやって技能や資格出るなら積極的にイベントクリアしていくと就職に有利だよ!わ。僕も出た」
「何の資格?」
「パソコンインストラクター資格認定試験一級。これね、実はこの資格よりこれを取る条件の資格の方が難しいっていうね。僕全部持ってるから受講料と時間を得しただけ」
「そうなんだ!じゃあクライアントの要望通り作ってみるから佐々木さんは間取りお願い。後でチェックしてね」
「わかったけど、関屋さん無理に手伝わなくても好きな事してて良いんだよ?なんなら君は運ストラップ作った方が儲かるよ?」
『イベント 初仕事 報酬2万円』
やりますやります!
「イベント出たからさせて。なんと報酬2万円だよ?!」
「ええ。2万円くらい普通にあげるのに」
おい貢ごうとするのやめろ。
「君の価値はそんな安い報酬なんかじゃないんだから」
ちょその笑顔怖いんだけど何でここでニヒルな笑顔発動する訳?
とりあえずできたのでチェックしてもらうと一発OK。
「僕の今までの努力って一体。こんなんで資格と技能取れるなら専門学校とかもういらないじゃないの」
「あー。肩凝った」
間取りができたら外観を決めなくちゃだめなのに、彼がこだわりすぎて間取りさえ全くできる気配がない。
「間取りとかもうアニメの家とかで良いのに」
「それはやめとこうよ。現実感が無いし何よりキッチンが使い辛いよ。最新にしたいし」
現実感も何も、この世界自体ファンタジーだというのに。
だいたいキッチンいらないだろう。錬金術で作るんだから。
「5分仮眠する」
彼が立ちあがろうとする。
「5分ならそこで寝ていいよ」
「襲わないでね?」
「襲わないよ?!」
遠くの方で模擬戦?をして戯れていたノッテとカリクが走ってきて佐々木さんの隣にまとわりつく。
「りおもねよー」
「だめだよ。結婚してない男の子と女の子は一緒に寝たらだめなの」
「ノッテけっこんしてないからだめー」
ノッテは飛び起きて私の膝の上にぐいぐい割り込んできた。
「あ、ちょ。ノッテ、今仕事中なの」
作りかけのレシートから目線が切れて失敗してしまった。ああー。
「おいで。ノッテはりおの従魔だし仲間だしにゃんこだから大丈夫」
佐々木さんが優しい声でノッテを呼ぶ。
「わーい」
佐々木さんはノッテを腕に抱きながら私を見て無邪気に微笑んだ。
何それ何の意図?!そしてノッテも私を見てくっそ可愛い顔でにへらと笑った。ええ?どういうこと?!
「わうー」
カリクも佐々木さんに寄り沿う。
「おやすみ。カリク、ノッテ」
私は5分間ノッテを観察した。
『ノッテもカリクもスキルで仮眠していますね』
「仮眠魔法ゲットした」
『頑なにアオの寝顔を見ないのが莉緒さんスタイルというか』
「だって、男性の寝顔ガン見とか良くないよ」
『イベント 仲間達の寝顔 進行中』
私は即座に佐々木さんの寝顔をガン見した。
『報酬 睡眠健康指導者資格 絆アップ』
また変な資格出た!
『次は寝具について学ぶのがおすすめです!軒並み取得して睡眠アドバイザーになりましょう!』
何睡眠アドバイザーって。なりたくないんだけど?!
『仲間の睡眠と健康管理しましょうね!』
あ。それなら佐々木さんには特に必要かも。スリープの魔法が欲しいけどこの分では作ってはくれなさそうだ。
レシートは1週間分でやめた。
「おはよ。関屋さん」
佐々木さんは満ち足りたみたいな穏やかな笑みを浮かべた。
「おはよ。本当に5分で起きたね。目覚まし無し?」
「そうだよ」
「じゃあそろそろ戻ろ」
「お弁当ここで詰めて行きなよ。効率化。手伝ってあげる」
「私一人で作りたい。キッチンでお弁当詰めてるとめっちゃ感謝されるの気分良くて。どうせここで過ごしすぎて地球で暇なんだ」
佐々木さんは、私を見つめて微笑んだ。
「君はファザコンだよね」
あなたのマザコンよりはマシですけど?!
私達は二人で地球に戻った。




