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第二十一話 私がやるッッ!

戦闘機を操縦していた宇宙人が気絶した。


私は後部座席で固まった。


遠くからこちらに向かってビームが放たれようとしている。

まずいまずいまずい。


このままでは間違いなく死ぬ。

ビームが直撃して爆散した四肢が機体の破片と共に宇宙空間を彷徨うことになる。



遠くに浮かぶ相手の戦闘機の様子がモニターに映し出されている。

ビームの射出口に満ち満ちた光が今にも打ち出されようとしていた。


私は座っていた後部座席のシートベルトを外して立ち上がり、

飛び越えて前の座席に滑り込んだ。


ビームが打たれた。


レバーを思いっきり引く。

ぐぅぅぅぅぅんっ‼と機体が打ちあがり、

稲妻の直進を避ける。

ズゴン!! という振動を残して、稲妻は後ろに通り抜けていった。



「はぁ、はぁ、危なっ」


直撃は避けた。

しかし機体の内側を赤く染め始める警告ランプが無事では済まなかったことを強く訴えて来る。

警告音はけたたましく赤く染まった船内を緊迫させていた。


私はレバーの先のスイッチを押した。

するとビームが発射された。

しかし、細いビームはすぐに宇宙空間で霧散した。


レバーをめちゃくちゃに引いて相手の攻撃をなんとかよけながら、

スイッチを数秒間押し続けて、そして離した。


するとズドン! と先ほどよりも太いビームが射出された。

避けられたが私は要領を掴んだ。


長押しでチャージしなければ威力は出ない。


だが今は攻撃よりも回避だ。

とにかく避けながら操縦に慣れていくことが先決である。


私はモニターに頭を打ちつけて気絶した宇宙人の膝の上に座り、

操作に集中する。

下着を通しているだけの生のお尻が宇宙人の細いふとももに当たっていて、なんだか恥ずかしい。


相手が太いビームを打ってきた。

くいっとレバーを引いて右に回避。


ドンドンドンッ!と連続で射出されたビームをレバーを操作し避けていく。

少し掠って、機体が揺れる。

それをずっと繰り返す。

宇宙空間にほうき星のような光の筋が何本も引かれてその間を縫うように進んでいく。

完全には避けきれない。


何本もの光線が機体の装甲をかすめとっていって、

小さな破片が船外に浮かんでいる。


だめだ。

そもそも距離が近すぎる。


もっと相手から距離を取らないと。

しかし旋回して後ろを向いて逃げるにしても、後ろから撃ち抜かれたらひとたまりもない。


どうしようどうしよう。


すると相手の砲撃が止んだ。

モニターに視線を移す。


そこではビームをチャージする戦闘機の姿が映っていた。

射出口に溜まる光の量は徐々に膨れ上がっていく。

これまでならもう打ち出していたであろう量を超えて、膨張する。


最大の砲撃で一気に仕留める気だ。


私は立ち上がった。

視線はモニターに固定したまま、

宇宙人を座席に固定するシートベルトを外した。

私は彼の膝の上に座ったまま操作していたわけだが、なかなか操縦しにくかった。

宇宙人の体を持ち上げて、後部座席の方へ優しく投げる。

どすんっ、と後部座席にうまいこと着地した。


私は宇宙人がいなくなり空になった座席に深く腰掛ける。

両脇から生える二本のレバーをしっかりとつかみ、コックピットの主とあいなった。

きっ

と前を睨みつける。


相手がチャージしているエネルギーの量は遠くからでもわかるほど絶大だった。


やってやる。

あれを撃ち落とす。


私はレバーを握る手に力を込めた。


そして、遠くから極太のレーザービームが射出されたのだった。


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