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庭仕事をしていたある日、ヴィーリオは袖を捲った時にあることに気がついた。
「痣がある……」
それは当然、自分がこれから死ぬことを意味している。
(こんなに早くか……)
なんだか、それもいい気がした。自分の人生は、思い出に溢れて意外とカラフルなものだっただろう。
その時、ふと思った。昔、彼を殺せなかったのは、彼の人生に「思い出」がなかったからではないか。ヴィーリオと暮らすことで彼の人生には、思い出が生まれた。だからあの時はすんなり殺せたのだ。
「まさかな……」
こんな滑稽なことを考えて笑った。死ぬとわかると、もう自分から解放された気がするのだ。
ヴィーリオは、いつ死神が来てもいいように、ベッドに横になった。
トントン、と扉が叩かれる。「どうぞー」と叫ぶと、死神はカツカツと音を立て、寝室までまっすぐ向かってきた。
そして、死神はノックもせずに、寝室のドアを開ける。
「やっほー、ヴィーリオ!」
陽気に挨拶するのは、なぜかローブを纏っていないワイドだった。
「死ぬ前に見れるのが、お前の顔で良かったよ」
ヴィーリオは珍しく微笑んだ。
「僕もだよ」
ワイドも珍しく真剣な顔をする。
「……今日はね、僕が殺そうと思ったんだけど」
ワイドの後ろから、のそのそと人がやってきた。彼は、死神のローブを纏っている。
「彼にやってもらおうと思って」
「……セラ」
「そうだよ、ヴィーリオ」
後ろから出てきたのは、セラだった。彼は2回目にキスした時くらいの見た目になっていて、随分と懐かしい。
「俺を、殺してくれるのか?」
恐る恐るヴィーリオは聞いた。
「そうだよ、一緒に行こう」
セラは満面の笑みで答える。
「セラ……」
「ヴィーリオ!」
2人は、今にも抱きつきそうになった。それを間に立ったワイドが止める。
「ちょっとちょっと、触ったら……」
お互いに顔を見合わせ、気まずく笑った。
「じゃあ、今からするね」
「うん」
セラは、ヴィーリオに触れないようにベッドに膝をついた。
「僕はね、こうやって欲しかったんだけど……」
そして2人は、キスをした。触れるだけの優しいキス。
そのうち、ヴィーリオの体からカラフルな魂が抜け出す。セラは杖を出し、それを魔法で固めた。
「そんなこともできたんだ」
「うん」
頷いた後、ワイドの手にその宝石を乗せた。
「これはあんたにあげる」
「いいの?」
「いいよ、次は2人で会いに来るから」
セラは笑って手を振った。そして空まで伸びる階段を登る。
そして、その後ヴィーリオとセラは、死者の国で2人永遠に幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし。
ここはおとぎの国、物語は全部ハッピーエンド。だってここはおとぎの国。最後は必ず笑って終わろう!
ここまで読んでくださり、本当に本当にありがとうございました。私の中では史上最速で書き上げた小説でして、ラストは決めずに書き始めたですが、なんとかハッピーエンドにできて良かったです。
しばらく投稿はお休みしますが、また何かしら書き上げたら投稿しますね。その時にまたお会いできると嬉しいです。
この作品を楽しんで頂けたのなら本当にそれだけで十分ですが、もしよろしければ評価等あればとても励みになります。
改めまして、最後までお付き合い頂きありがとうございました!




