第10話
模擬戦の結果としてはアランが優勝で幕引きとなり、 学校長からの特別賞与は学食1年間無料パスだった。
学食1年間無料パスなんかよりも、 俺は数多くのスキルを習得出来たことの方が何よりも特別賞与だ。
そして、 今回の模擬戦闘で得られた俺の『観察者』についての情報は、 常時発動系のExスキルでさえ模倣してしまえるということだ。
お陰で、 状態異常無効の勇者Exスキル『強者の意思』を獲得することに成功したので、 これで今後、 俺に対する状態異常のスキルは全て無効となる。
他にも、 モノが使用していたスキルも獲得出来、 希少な言霊使いのスキルも獲得することができた。
今現在で獲得している、 聖騎士と拳聖以外スキルは、 暗殺系スキル『迷彩』『暗肢』。
剣士系スキル『ホーリーソード』『速剣』『斬鉄』『縮地』『断罪剣』『神速』『地壊斬』。
魔法・魔術系スキル『氷結』『焔壊弾』『雷電砲』『雷光』『暴風陣』『重力魔弾』『水刃』。
生成系スキル『超合金人形』『地鉄刀』
特殊系スキル『睡魔』『飛翔』『加速』『重力操作』『神眼』『強奪』。
そして、 Exスキルである『強者の意思』。
模擬戦闘で他の生徒が使用している所を見て獲得しただけなので、 まだ使ったことの無いスキルも沢山あるが、 どれもSクラスの生徒のスキルばかりなので、 威力等はお墨付きだ。
模擬戦闘も無事に終了し、 初めてのしっかりとした授業が始まるのだが、 模擬戦以降からずっと気力がない人物が隣の机で突っ伏し、 何かをぶつぶつと漏らしている。
「…おい、 モノ……」
「……しぃ……く…しぃ……、 くや…しぃ…」
さて、 授業受けるか。
誰のスキルで寝てしまったのか分かっていないだけましで、 スイレンは安全であろう…。
すると、 ガラガラと音を立てながらガイルが教室に入ってくる。 格好はいつもと変わらない重鎧のままなのだが…今後あのまま授業をするつもりなのだろうか…。
「…さて、 とりあえずは先程の模擬戦…お疲れさん。 そして、 今後の事で話しておかなければ行けない事がある」
今までの印象とは打って変わって真面目な表情に、 クラス一同固唾をのむ。
「それは……『禁忌違反』についてだ」
あまり聞き慣れない単語に、 殆どの生徒が首を傾げている…ちなみに俺もその中の1人だ。
ガイルが言うには、 職業を持つ人々は、 その職業柄に違反した行為は禁忌違反となる。
例えば、 人々を守る存在の勇者であるアランが、 なんの理由もなく…誤ってでも国民を攻撃したら一発で禁忌違反だそうだ。
その説明を受け、 1人の生徒の手が上がる。
「え〜と…ヴィクト、 だな、 なんだ?」
「その、 禁忌違反ってのを犯してしまった場合、 どうなるんですか?」
そのヴィクトの疑問に、 「いい質問だ」と褒め、その理由を語る。
『禁忌違反』を犯した人間は、 『禁忌者』と呼ばれるようになり、 その時点で国家反逆罪に課せられる…。 つまりは国が勢力を上げて抹殺しに来るということだろう。
そして、 ここからが特殊だった。
『禁忌』となってしまった人間は『職業』が変化する。わかりやすい例で挙げられたのは『剣士』だった。
『剣士』の人間が国民に、 自らの剣で危害を加えた場合、『剣士』から『狂戦士』へと変化する。 大抵の人間がこの禁忌化する際の膨大な脳への不可によって意識を失い、 自我が崩壊し、 まともでは居られなくなるらしい…。
「──まぁ、 こんな所だ。 例外もあるが、 国民を傷つける事は一切許されない。 そして、 生徒達全員もこの国、 グロリア王国の国民に変わりはない…ということだ」
成程、 それが理由でこの世界は犯罪率が極端に低いのか…。
だが、 先程の話を聞いて疑問に思うのが、 『例外』にあたる職業だ。
俺がこの学校の試験を受けに行く際に盗賊に襲われた事を考えると、 盗賊や暗殺師、 海賊なんかがその類になるのだろう。
「そして、 最も重要なのが『禁忌違反』に当たらない為にはどうしたら良いかだが…先程の模擬戦同様、正式な決闘や訓練等は、『悪意』にあたらない為、 問題ない。 勿論敵国や魔族、 魔獣への攻撃も"職業に違反しない"ので、 問題ない!」
要約すると、 敵国軍、 魔族、 魔獣、 魔物といった、 国に害を成す対象への攻撃は違反にはならず、 それ以外に悪意や殺意といった感情をもって攻撃した際には、『禁忌違反』となる…といったところか。
ガイルがあらかた説明を終える頃に、 ちょうど授業終了のチャイムがスピーカーなら鳴り出した。
「よぉし、 初日の授業はここまでだ!このあとはお前らの寮について説明があるから、 しっかりと聞くように! 以上!」
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