28、楽園に ファミリーで避難するぞ!
全世界のダンジョンから溢れ出たモンスター群は、まさに人間だけを狙って襲ってきた。
それは、単に強い獣が弱い獣を襲うという弱肉強食の論理を超えて、人間の根絶やしを狙っていると言えた。
「やはり、悪い予感は的中したか」
俺は、こうなることが何か必然のように感じていた。
当たり前だ、地球という限りある空間に、人間だけがはびこることは、生物論としても一過性しかない。
第三次世界大戦で一気に人間を減らせない限り、地球が滅ぶからだ。
「生き残ろう、身勝手だが 俺と子供だちと孫とで」
俺は、急ぎ、マイスライムダンジョン机を、開け閉めして、唯一、スイスの避暑地を思わせる湖の画像が出たダンジョン(?)を、引き当てるため、せわしなく机を出し入れして、その出現を期待して開け閉めを繰り返した。
ほぼ不眠不休で、机の開け閉めを繰り返すこと、数十万回、3日目に、ついにスイス避暑地ダンジョンが開かれた。
「 ウォー!やったぞ」
ためらいなく、スイス避暑地湖ダンジョン(?)を、目視でマーキングして、俺はその地の湖の近くに転移した。転移先では 息を止めて、アイテムボックスから、急いで防護服を出して着用する。
このダンジョン?の大気を まず調査するためだ。
転移したその地は、ダンジョン?というより高原のような大地としか表現しようがなかった。
そこで、東北大震災での 原発崩壊による放射線のチェックなどではなく、人類が呼吸できる大気なのかを
環境庁大気汚染物質の定義に基づいて 一つ一つチェックしていく。
酸化窒素(NO2)
浮遊粒子状物質(SPM)
光化学オキシダント(Ox)
二酸化硫黄(SO2)
一酸化炭素(CO)
非メタン炭化水素(NMHC)
硫化水素( H2S)
上記の大気汚染物質を 数時間かけてこまめにチェックした結果、このダンジョン?は 人類が呼吸をするのに 最も適した大気環境と言えた。
すなわち 窒素が78.08%、酸素が20.95%、アルゴンが0.93%、二酸化炭素が0.03%で、他の不純物がゼロという大気パラダイスだったのだ。
「 えっ? 地球?地上?」
とにかく、湖の湖畔から見える大地は、水平線という表現通り、遮蔽物がない一面の平原だった。
しかも、お日様が照っている? まさに地球上の楽園のような、、、、、、
大気の安全性が担保できた上で、俺は 攻撃防御のダンジョン産装備に着替え完全武装して、敵対するモンスターがいないかを、10日間かけて、あたり周辺、半径20kmを徹底的に見て回った。
その結果、この草原大地は ダンジョンの一角ではなく、全く別の 惑星の大地であることが、光星( 擬似太陽の時間ごとの位置、夜間の星の位置、半径20km移動での目標物の見え方、高所からの水平線のあり方等々)化学的検査結果から ほぼ太陽系の第三惑星である地球に近い 惑星であると判断できた。またこの大地の西側10キロ先は、広大な海もあったのだ。倍率200の双眼鏡で 海辺の大地から、あたりを見回すと おぼろげながら集落のようなものも見える。木造の小さな船のようなものも遠くに浮いていた。
「 人類と近いような知的生命体も 存在するようだな」
さらに海洋成分も分析の結果、地球と全く同じ成分構成で、ベンゼン、塩ビ、ABS等化学合成の公害物質が含まれないことから、地球での1600年以前の海の環境に近いようだ。一部採取した海洋生物も、地球に極類似している。
それだけではない、大地には鹿や猿、イノシシ、ウサギに似たというより、地球と全く同じ生物が多数おり、湖にも地球の淡水魚と似た魚が多く泳いでいる。
「 これは、本当に地球そっくりの楽園かもしれない、あとでこの湖の魚類も食用に向くか調べてみよう」
ただ、不思議なのは 地球とまるで太陽を中心に真逆の位置にしたように、太陽系とそっくりな水星、金星、火星、木星等が天体座標軸から観測されたことだ。
私的にはどーみても太陽系?としか思えないのだが、動きが真逆なのだ。
そこら辺は、あとで徹底的に精査していくとして、敵対モンスターが 見当たらないその大地は、湖の水質も 中性で汚染物質測定機器でMSDS、PRTR の検査しても大腸菌はあろかあらゆる病原性細菌の検知が0、000001以下で検出されずとなった。
「飲み水も完璧だ!」
俺は この地にファミリー全員で移転する決心をした!
「そのためには この大地の全生物を徹底分析するために 三島の研究所を、この地に移転する必要が有る!」
俺は この草原・湖パラダイスダンジョン?で、最も 一家が住みやすい 湖のほとりに移住場所を決め、一旦、三島の研究所に舞い戻った。




