第零章1 『優しい狩人』
カクヨムでも書いているやつです。なろうに出てたこともあるけどもう一回最初から出します( ´ ꒳ ` )
労働を捧げれば金が手に入る。
金を捧げれば食料が手に入る。
食料を捧げれば栄養が手に入る。
では、何を捧げれば幸せが手に入るのか?
◇◇◇
息をするだけで肺が痛くなるような日だった。日中の気温は零度を超えるかどうかくらいの極寒日だった。
雪は降っていないが昨日まで降っていた大雪が地を支配している。空がよく晴れていた。雪だるまや雪山でも作りたいようなそんな辺り一面だった。
軽く鼻を刺激する雪の香りに気を紛らわされないようにシェリーは手先に意識を集中させた。
「……三、二、一」
カウントが一になる瞬間、射線は獲物の首を示していた。その射線に導かれるように一つ、鉛玉が意志を持ったように進む。そして、僅かに雪を赤く染めて獲物である鹿はその場に倒れた。
シェリーは即死した鹿の元へ駆け寄った。道中雪だらけだったからか走りづらかったが、もう十年以上この暮らしだ。足は自然と雪を蹴っていた。
首筋を手袋を外して触ってみる。まだ、少し温度があった。が、それも着実に本日の気温のように下がっていくのが感じられた。
「ありがとう、ごめんね、いただきます」
シェリーはその場に片膝をつき、両手を胸の前に出して繋ぎ合わせ、祈りを捧げた。
「ヴェーレン」
神の元へ命が届くのを願う祈り。これが実際にこの鹿の命を神の元へ運んだかはシェリーは知りえないが、命への感謝そのものも祈りに含まれているので、そちらを気持ちの支えにしよう。その精神でシェリー・クローバーは狩人をしている。
反応いただけると大変喜びます(✘д✘๑;) ³₃




