【番外編】貴音たちはあの女が嫌いなのです(貴音side)5
両親が離婚して新しくパパさんになる人に馴染めず、ママさんの元から逃げるように帰って来た野牛島樹李ちゃん。その後しばらくの間、貴音や天ちゃん空ちゃんにマウントを取ることはなかったのですが……
五年生になったとき、またコイツはマウントを取り始めたのです!
五年生になって再びクラス替えが行われたのです。貴音はA組に移動し、今度は空ちゃんと同じクラスになったのです。
空ちゃんはとても物静かな子なのです。貴音は三~四年生のとき、暴走機関車と同じクラスだったので毎日が緊張の連続だったのです。今度は空ちゃんと卒業まで静かな学校生活が送られる……そう思っていたのですが、
――甘かったのです!!
「あーはっはっは! 尾白貴音そして菱山空! 樹李タソ様の相手するっす!」
残念なことに野牛島樹李もA組に移動してしまったのです! コイツは小二のときから何も変わっていなかったのです。貴音は頭を抱え、空ちゃんは樹李ちゃんが来る前に逃げ出したのです。
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「あーっ! 空タソまた逃げたっすね!? 天タソみたいに相手するっす!」
空ちゃんはかなり危機回避能力に長けている子なのです。これはきっと、普段からトラブルメーカーと一緒に生活している事で身に着けた技なのです。
サバンナでは首の長いキリンさんが遠くの危険を察知して逃げ出すと、シマウマさんたちも付いていくそうなのです。今度から貴音も空ちゃんを観察して、逃げ遅れないシマウマさんになるのです!
「貴音は勝負しないのです!」
コイツは間違いなく、私と勝負しろと言ってくるのです。
「え~勝負なんかしないっすよ~! 今日は貴音っちとお話がしたいだけっす」
このしゃべり方……どうせロクな話じゃないのです。
「この前の日曜日、樹李タソは『しまうら』に行ってきたっす!」
「……シマウマ?」
「動物園じゃないっす! ブラジャーを買ってきたっすよ」
やっぱり……この話だったのです。
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五年生になってくると、同級生なのに急に大人っぽく感じる女の子が現れてきたのです。その理由の一つは「おっぱい」が膨らんできたこと……なのです。
体育の前に着替えていると、何人か「ブラジャー」を着けている子が登場するのです。今まで全員同じだと思っていたのに、このとき初めて『差』というものを感じてしまったのです。
お勉強ができるできない、運動神経がいい悪いは境界線がわからないのです。でもブラを「着けてる」「着けてない」はハッキリと差を見せつけられるのです。
樹李ちゃんは小四の終わりころから膨らみ始めたと本人が言っているのです。確かに樹李ちゃんはこのクラスで一、二を争うほどおっぱいが大きくなっているのです。なので、
「いやー、しまうらは安くてかわいいブラがいっぱいあったっすよ! 貴音っちも行ってみた方が……あっ、ゴメンっす! 貴音っちと菱山シスターズには関係ない話だったっすね!?」
――カッチーン!
これなのです! こうやってこの女は毎日のように貴音たちへマウントを取ってくるのです!
「そういや今日は貧乳三姉妹の妹がいないっすねー!?」
世の中は不公平なのです。貴音と天ちゃん空ちゃんはクラスの中で一番「成長が遅れていた」のです。このときはまだそこまで意識していなかったのですが、樹李に「貧乳三姉妹」などという不名誉なあだ名を付けられたせいで劣等感を感じるようになったのです。と、そのとき……
「誰が貧乳三姉妹だゴルァ!」
隣のクラスから天ちゃんが乱入してきたのです。
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「おーやって来たっすね貧乳長女!」
休み時間の教室は男の子も当然いるのです。なので貴音と樹李ちゃんはブラの話を大声でしていないのです。なのに天ちゃんはその会話を聞きつけてやって来たのです……地獄耳なのです。
「やかましいわこのパッド女!」
天ちゃんは顔を真っ赤にして反撃したのです。実は樹李ちゃんにはある「疑惑」があったのです。それは……
……樹李ちゃんのおっぱいは「ニセモノ」という疑惑なのです。
なぜなら体育の水泳の時間、樹李ちゃんは欠席が多かったのです。確かに五年生になってから、不思議なことに水泳を欠席する女の子が前より増えたのです。
でも樹李ちゃんは月に何度も欠席していたのです。最初は体の具合が悪いのかなと思っていたけど、授業が終わると再び元気になるのです。しかも……
たまに出席したとき、水着を着た樹李ちゃんのおっぱいがそこまで大きくないことに気がついたのです。貴音が指摘すると樹李ちゃんは「水着がキツくて押さえつけられているっす」と言い訳をするのですが、何か信じられないのです。
「パッ、パパパパッドじゃないっすよ! 言いがかりはやめるっす!」
樹李ちゃんの必死過ぎる否定……これは絶対に確かめるのです。
※※※※※※※
結局……六年生の修学旅行でも一緒にお風呂に入る姿を見せなかった樹李ちゃんの「正体」は、中一になってやっと知ることができたのです。
まずは今まで貴音たちをバカにした恨みを晴らすため、この年からおねえちゃんになった巨乳の武川いづみさんを使ってコイツのプライドを完膚なきまでに叩き潰したのです!
作戦は大成功! でも代償は大きかったのです……詳しくは本編を読むのです。
そして十月、貴音と天ちゃん空ちゃんは「ある作戦」を実行したのです。それは貴音の家でお泊り会をしたとき、誰がおねえちゃんとお風呂に入るか話し合ったときのことなのです。
本当なら四人ともおねえちゃんのおっぱいを見たかったのです……が、なぜか樹李ちゃんが辞退したのです。
――これは……チャンスなのです!
貴音と天ちゃん空ちゃんは、樹李ちゃんとおねえちゃんの二人っきりで入るように勧めたのです。ひとりで入ることはできない……と言われた樹李ちゃんは、渋々おねえちゃんとお風呂に入ったのです。
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「やっぱり……見つけたわよ」
その後、貴音たちは脱衣所にこっそり入ったのです。そこには手作りの「胸パッド」が置かれていたのです。
「ついに尻尾をつかんだのです」
「じゃ、確認のために入るわよ」
「入るわよ」
貴音たちは樹李ちゃんが言い逃れできないよう、一緒に入浴するため服を脱ぎ出したのです。でも……
「うわっ……やっぱでかっ!」
「でかっ!」
貴音たちは胸パッドより、おねえちゃんの巨大ブラが気になっていたのです。
〝ガラガラガラッ!〟
「んもうっ! いつまでも出てこないから貴音たちも一緒に入るのです」
「ひっ!?」
貴音たちがお風呂に入ると、樹李ちゃんは慌てて体を隠したのです。
「もうっ、友だちなんだから見栄張る必要ないのに……」
「ないのに……」
「……えっ!?」
「樹李ちゃんは貴音たちのお友だちなのです! お友だちに上も下もないのです」
貴音の言葉を聞いた樹李ちゃんは涙目になったのです。それ以降、樹李ちゃんは貴音たちに見栄を張ることなく、ずっとお友だちになっているのです!
貴音なのです。このエピソードは本編の、
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を読むともっと楽しめるのです♥




