貴音は「お姫さま抱っこ」されたいのです(貴音side)
ある日の夜、貴音は不思議な体験をしたのです。
貴音はリビングのソファーに座って本を読んでいたのです。でもこの日はとっても眠くて……どうやら本を読みながら眠ってしまったようなのです。
ところが……
気がつくと貴音は、自分の部屋のベッドで寝ていたのです。なぜなのです? もしかして貴音には、瞬間移動かタイムリープの能力でも備わったのですか?
不思議に思った貴音は次の日もソファーで寝てみたのです……ウソなのです。本当は「寝たふり」をしたのです。寝たふりをして様子をうかがってみたのです。
そのとき……
「あーまたこの子はこんなとこで寝ちゃって……しょーがねぇなぁ」
という声が耳に入ってきたのです。そして貴音は何者かにヒョイッと持ち上げられたのです。
だっ、誰なのです? 怖くなった貴音は、薄目を開けてみたのです。すると貴音の目の前に現れたのは……
おねえちゃんだったのです! しかも……
――貴音を「お姫さま抱っこ」していたのですぅううううっ♥
おねえちゃんは、まるで王子様のようにカッコいいのです。でもおねえちゃんには王子様と決定的に違うものがあるのです。それは……
〝ボヨンッ♥〟
目の前に巨大な「おっぱい」があるのです! 王子様では体験できないのです!
――はぁああああっ! しっ……幸せなのですぅううううううううっ♥
おねえちゃんは貴音をお姫さま抱っこすると、そのまま階段を上って貴音の部屋まで運んでくれたのです。そして貴音をベッドに寝かせると、部屋の電気を消して出ていったのです。
――かっ……カッコいいのですぅううううううううっ♥
決めたのです! 貴音はこれから毎日、おねえちゃんにお姫さま抱っこされたいのです! だから毎晩、貴音はソファーで「寝たふり」をするのです!
※※※※※※※
それから三日ほど経ったある日のことなのです。
いつものように貴音は、おねえちゃんにお姫さま抱っこされて部屋に入ったのです。でもこの日はおねえちゃんの様子が少しヘンだったのです。
おねえちゃんは貴音をベッドに寝かせるとこう言ったのです。
「貴音ちゃん……起きてないよね?」
――ぎくぅ! もしかしてバレてるのですか?
「ぐー、すぴー……」
貴音はイビキをかいてごまかしたのです。
「あぁ、やっぱ寝ているか……」
おねえちゃんは信じてくれたのです。ところが……
「じゃあ、久しぶりに貴音ちゃんの『おっぱい』でも見てみるか♥」
――えっ?
こっ……この人はいきなり何を言い出すのですか?
「あれ? 今ビクッって動いた気がするけど……やっぱ起きてるのかな?」
「すやすや……すやすや……」
今度は寝息を立ててごまかしたのです。でも、貴音のおっぱい見るって……
えっイヤなのです! ですが今ここで起きたら貴音はウソをついたことがバレてしまい、二度とおねえちゃんにお姫さま抱っこしてもらえなくなるのです。困ったのです! 絶体絶命なのです!
「あーやっぱ止めとくか、おっぱいだったらいつでもお風呂で見られるし……」
あきらめてくれたのです。ホッとしたのです。だけど……
貴音はときどき、おねえちゃんと一緒にお風呂に入るのですが……おねえちゃんはやっぱり貴音のおっぱいを狙っていたヘンタイさんだったのです! なので明日からおねえちゃんと一緒に入るのはやめるのです!
とりあえず貴音のおっぱいは見られなくてすんだのです。でもこの後……おねえちゃんはもっと過激なことを呟いてきたのです!
「そういえばこの位の年の子って……お股から毛が生えてくるよな?」
――へっ?
「貴音ちゃん……もう生えてきてるかな?」
えっ……ちょっと待つのです! この人は何を考えているのですか!?
「そうだ! 貴音ちゃんのパンツ脱がせて見てみようっと♥」
ちょちょちょちょーっ! ちょっと待つのです! えっ!? この人は頭がおかしいのですか!? 信じられないのです!!
やっぱこの人……ヘンタイおっぱいさんなのですぅううううううううっ!!
〝むんずっ♥〟
――ひぃいいいいいいいいっ!!
おねえちゃんは貴音のパジャマのズボンを掴んだのです。こっ、このまま脱がされそうなのです! イヤなのです! まだ自分でも見たことがないのにおねえちゃんに見られるなんて……いっ……いっ……
「イヤぁああああああああっ!! …………あ、」
貴音は怖くなって飛び起きると……おねえちゃんはとても冷ややかな表情で貴音の顔をじぃ~っと見つめていたのです。
「貴音ちゃん……起きてたよね?」
「はぃ…………ごめんなさいなのです」
貴音は寝たふりをしていたことがバレてしまったのです。
貴音は悪い子なのです。
※※※※※※※
次の日の夜なのです。
「あれ? 貴音ちゃーん、今日は一緒に入らないの?」
「いっ……イヤなのですっ!」
おねえちゃんから一緒にお風呂入ろうと誘われたのです。でも昨日、「おっぱい見たい」とか「お股見たい」とか言われて……たとえ冗談だったとしてもこの人は信用できないのです!
「あぁそれは残念だなぁ! 今日は貴音ちゃんに、お姉ちゃんのおっぱい洗ってもらおうと思ってたのに……」
「入るのですぅううううっ♥」
あれ? 気がつくと貴音はハダカになっていて、おねえちゃんと一緒にお風呂に入っていたのです。
何か最近、貴音はおねえちゃんにコントロールされている気がするのです。
でも……貴音はおねえちゃんのおっぱいを触っているとき、とっても幸せな気分になるのです♥
貴音なのです。でもやっぱり明日も寝たふりするのです♥




