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アンブラインドワールド  作者: だかずお
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〜 未曾有の混乱 〜






睨み合う、闇の主とルシ・サタン

と言っても、闇の主にはもはや実態が無い、サタンは目に映る物、映らない物、至る所に闇の主のエネルギーを感じている。


そう、それはまるでこう物語っていた。


この宇宙こそ、闇の主そのもの。


何処を攻撃すれば、闇の主の存在が無くなるのか?

それは不可能に近い話だった、何故なら空気から埃、塵、宇宙に存在する何もかもから、闇の主の波動を感じるから、この宇宙が崩壊しても、闇の主と言う存在を破壊する事は、可能なのか分からない……


だが、闇の王と恐れられ宇宙に君臨する支配者サタンは、やはり尋常では無かったのだ。

サタンの考えるのは、どうしたらこいつを破壊する事が出来るか、その一点のみである。

そして、サタンは一つの結論を見出す。


突如、目の前の空間を両手で掴み出した。

すると何も無かった目の前に、惑星サイズの巨大な目玉が具現化され始める。


「全てに貴様のエネルギーが偏在するなら、この俺が全て一点に集めさせてやったまで、このサタンなら造作も無い事、こっからが勝負と言う事だ」サタンの両腕に凄まじいエネルギーの、紫色のオーラが目に見える様に浮かび上がる。

こんな事を可能にさせてしまうサタンも計り知れないほどの化物。


「くらえ闇の主、サン クロス」

空気がとてつもない力で圧縮される様な感覚、聞いたこともない不気味な音が辺りに響き出す。

それは凄まじい破壊力の攻撃だった、キロに表すと、直径九兆キロ内にある全ての惑星全体が、震度15程の揺れが起こるほどの影響が及んだ程である。


これが闇の王と呼ばれ、その地位が変わらぬまま、宇宙に何兆年以上長く君臨する者の実力だった。


この壮大な宇宙の一つの自然の摂理とも呼ばれる一つの考え


闇の王達には決して逆らうな


なんと、目の前の闇の主の目玉は音をたてて崩れ始めたのだった。


場面は変わる

現在、惑星ペドスドラコは激しい戦場と化していた。


「信じられないウキよ、こないだまであれだけ平和だったこの惑星が、今や、至る所が戦場に…」ペレーの瞳から涙がこぼれていた。

ペレーの瞳に映るのは、至る所で行われている殺し合いだった。


現在タケルの状況はと言うと。


「龍神、リタ、俺はとりあえず神井のもとに向かう、あいつは巨大な霊力を持つ奴等の所に片っ端から向かうつもりだ、強い相手は俺達が食い止める、だから二人のやるべき事を任せる」


「頼もしいな」龍神が微笑んだ。


「タケル、絶対に死ぬなよ、全部が終わったら今度はみんなでゆっくり朝まで語り合おう」


「ああ、リタ 約束だ」


タケルは神井の霊気を感じ取り、そちらの方に向かって行った。


「龍神様、僕等はどうすれば?」


「すぐにでもやらなければならなくなる出来事が起こる、今はその時を待つのだ」

龍神には何かが見えている様に思えた。

そう、直に起きるナニカとてつもなく大きな出来事が……


血塗れになったラルフォートは地面にうずくまり何かを食べている


ムシャムシャ ムシャムシャ


「ああ、強かったよ君はダークナイト、こんな血塗れにされたのは久しぶりかも知れないな、さすが死神の片腕」


ラルフォートはダークナイトを食していたのだ。


「さて、次は何をしようかな?」


辺りで様子を見ていたものは震え上がっていた、化物だ、あいつは本物の化物、あのダークナイトを喰っている。


倒れていた光堂は意識を取り戻す

「くそっ、随分傷を負って気を失ってたか」


マナにテレパシーで傷の完治を頼みたいが、惑星に張られた結界によりテレパシーは使えない…

光堂は身体を押さえながら立ち上がる。


みんなは無事なのか……


神井を追跡するタケルは地面に転がる沢山の死体を見ていた、全ての死体から神井の波動を感じる、これを全部神井が?

神井、お前は本当に強くなる事しか頭が無い奴なのかよ、平気でこんなに沢山の存在を殺せちまう奴なのかよ……


直後だった


目の前に立ち止まる神井の背中が見えた


すぐに立ち止まっていた理由は分かった。


ああ、目の前に居るのは本物の化物だ、今出会っては絶対にいけない存在だった……これだけ修行したのに……

直後タケルの脳裏に浮かんだのは、自分達はこいつにどんな殺され方をされるのだろうと言う事だけだった。


そいつはそれ程圧倒的な強者だったのだ。


「ああ、ああ素晴らしい」


そこに立っているのは闇の王の一人、ドラキュラ伯爵が最も信頼する五人の配下の一人、ペザンス・フレーシル


「ああ、ああ」フレーシルは泣きじゃくっていた。


「くそっ、神井、今の俺達じゃこいつには勝てねぇ、逃げるしか無い」


「馬鹿め、逃げる事すらも不可能だろ」

神井は全身に真っ黒の霊気を既に纒っていた。


フレーシルはまだ泣いている。

「うぐぅ、うっ」


「なんだ?こいつおかしいのか?神井、こいつ変だぞ、今なら逃げられる」

タケルのすぐ目の前にフレーシルの不気味な顔が浮かび上がる。


「醜いな貴様は」


ドスッ


「うっ、ぐわあああああああああああああああっーーー」

叫び、地面に倒れたのはタケル


フレーシルはタケルのお腹に一本指を打ち込んだだけだった。


嘘だろ、何だったんだよあの修行は、なんだったんだよあの特訓は……何の役にもたてなかった


これが宇宙に名だたる真の強者との差


その時だった、タケルの耳に信じられない言葉が入ったのだ。


「さあ、坊っちゃん、帰りましょうお父上の元へ」


なんだって?


「闇の王の一人であります、お父様のドラキュラ伯爵公は貴方様の帰りをお待ちしております」


「あなたの望むものなら、なんなりと私が宇宙中から全て手に入れてさし上げましょう」


「ふざけんじゃねえぞ神井、てめぇ、ドラキュラがお前の親父だと、お前、俺達になんにも言わなかったのか、本当になんにも話してくれてなかったんだな、あいつの手下はな、俺達の目の前で惑星一つを平気で滅ぼしたんだぞ、多くの命を」


「敬語を使わんか、くずが」


ボキッ


「うがああああああっ」

タケルの腕は折られた。


「さぁ、坊っちゃん。あなたの望む強さも、私が鍛えて差し上げますよ」


ズウォンッ


フレーシルの首元に神井の霊気が向けられる


「あいつに伝えろ、俺は貴様を殺すとな」


「……………」


「ご冗談を神井様」フレーシルの目つきが変わった


「伯爵様に勝つなど天地がひっくり返ろうとも不可能だと言う事は知っているでしょう」


「さあ、伯爵様の元へご一緒に、あなたを必要としているのです」


神井が必要とされてる?

「神井、そんなのは俺が許さねぇからな」タケルが叫び、立ち上がろうとする


「ああ、うっとおしい」

タケルの首を折ろうとした瞬間だった、地面にフレーシルの頭が転がり落ちた。


「帰ってあいつにさっさと伝えろ、すぐに殺してやると」


「あっはっははっ」転がり落ちた頭は不気味に笑っている


「素晴らしい攻撃でした坊ちゃん、わざとくらいましたが、まずまずの一撃です」

身体は歩き出し、頭を拾い上げ、くっつけた。


「では、お待ちするとしましょう、自ら坊ちゃんが伯爵様のもとに訪れるのを、しかし、一つだけ忠告を」


「逃げる事は不可能ですので、それだけは肝に命じ、忘れない様に」

フレーシルは不気味な笑みを浮かべていた。


「では我々はこの宇宙の行く末にはあまり興味が無いので、この惑星を後にするとします」


フレーシルは空を見上げる

「サタンと闇の主、どちらが強いのでしょうね?両者化物、この宇宙はどうなるのでしょう、楽しみです、それではまた」


フレーシルは去って行った。


「ありがとよ神井」


「貴様、何故礼を言う?」


「結果、助かったからな」


「勘違いをするな、助けたつもりはない」


「神井、この事は誰か知ってんのかよ」


「光堂くらいだ」神井はそっぽを向きながら口にする


「そ〜いや神井、これを体内に入れてみろ」

タケルは龍神からもらった光の玉を神井に向け放り投げた。


「龍神からのプレゼントだ」


「こんなものを俺に渡して良いのか?俺は貴様も殺すつもりでいる」


「構わねぇから、はやく使え」


神井は体内に霊気の玉を取り込んだ


こっ、これは霊力がみなぎってくる


「まあ、取り込んだ俺はそれでもさっきの奴に手足も出ないで負けたけどな、くそっ」


「笑わせるな、こいつは神力玉と言うエネルギーの塊、三段階に分け発動する、取り込んだ時に一つ目の発動、後の二段階は後に発動する」


「じゃあ俺は、これからまだ霊力が上がるのか、良かった」


その時だった、背後から声が


「二人共大丈夫」

その声はマナのものだった。


「マナさん」


「傷を負ってるわね、待っててすぐに治すわ」


傷を完全回復させてもらったタケルは立ち上がる。

「ありがとうマナさん、助かったぜ」


この時、龍神を除き、他はまだ誰も知らなかった、大きな変化の起こらなかった戦局が、大きく動き出す事を。


信じられないくらい永い年月を経て、今に広がる広大な宇宙空間は、誕生して以来最大の危機に見舞われる事となる……


まだ誰も体験したことの無い未曾有の混乱に進むこととなったのだ。




〜 アンブラインドワールド 〜




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