〜 変化 〜
「うわぁ、凄いねピエロのお兄ちゃん」
道化師は子供達の前で三十個の玉を投げ回して見せていた。
ペドスドラコの惑星は濃い土の色の様な真っ茶色の夕陽に包まれ、穏やかな一日の終わりを迎える
それはいつも通りの平和で平穏な一日
道化師の元に一人の体格の良い男が近づいていく
「貴様、ラルフォート ナザレに間違いないな」
「おや、あなたは」
「質問に答えろ、この惑星で何をしている?」
「ふふふっ、名すら名乗らない者が私に質問する、随分滑稽な話じゃあないかな」
「言葉に気を付けろ、逆らえば消す、俺はルシ・サタン様の直属の配下、絶対に手は出せまい」
「闇の王のサタンの手下、なるほど確かに迂闊に手は出さないね」
「先程の質問に答えろ」
ああ、おっかない視線だ
「さすがサタンの配下、その視線は全ての存在を自分達より下に見てる目だ」
「当たり前だろう、サタン様こそ、この宇宙の頂点の存在、他は奴隷に等しい」
「くすっ、他の闇の王達はどう思うかね」
ラルフォートの首元に鋭く尖った霊気が向けられていた
「私はただ、ここに居るだけだ、龍神の事だろう?君達が聞きたいのは」
「君達は龍神を殺したい、私がここに居る理由も大方想像出来るだろう」
「同じ目的なら、生かしておいてやろう、俺達の任務の成功する確立が高まるだけだからな、絶対に我々の邪魔はするな、その時はサタン様が黙ってはいまい」
大男はそう言い残し去って行く
ああなんて、気にいらない目だろうね、サタンの関わりある者以外はゴミってわけだ
あの冷酷な目、嫌いじゃあないけどね
ニタアアアッ「これは面白くなってきた」
「残念、私の目的は真逆、やれやれサタンと敵対する事になるとなると少し覚悟をしなきゃねぇ」
ニタアアアアアッ
現在、リタに気付かれない位置から、彼を守るため監視しているのはタケルとペレー
「タケル、怪しい奴が近付いてる気配は無いウキか?」
「ああ、今のところは」
「今、光堂は街に色々様子を見に行っていて、マナは女王ぺぺ様に現在の報告をして、神井は一人修行してるウキ」
「って事は、リタを守れるのは今」
「そう、タケルとペレーにかかってるウキ〜、ここが最後の砦ウキ〜」
「ぬおおおおっ、油断するなよペレー」
「ウキ〜〜」
二人は燃えていた
ペドスドラコで最も栄えてる都市、ドラコス
そこに光堂の姿はあった
多分俺の読みでは、そろそろこの地に、龍神を殺そうとする者達が集まってきている筈だが、さすがに霊気は読まれないように消しているか
ペドスドラコはこれから少々荒れそうだな
その時だった、街の外れの山の上に火が上がっているのが目に入る
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォー
何か嫌な予感がした
その頃マナの所
マナはテレパシーで女王ぺぺと交信をしている
「マナ、ペドスドラコはこの一ヶ月の間にかなり危険な場所となります、充分注意して下さい」
「分かりました、ぺぺ様、どうして龍神様は今回自分の出現するのを予告して現れるのですか?いつもは絶対に誰にも知られず現れていたのに」
ぺぺは一瞬沈黙する
「近いのです」
「え?」
「死期が近いのです」
「そんなっ、今この宇宙で龍神様程の高エネルギーを失ってしまうのは」
「だからこそ彼に何かしらの考えがあるのでしょう」
「私も交信を取ろうとしてるのですが、流石に今は取れません、一ヶ月後を待つしかないでしょう、私も何か情報が入り次第あなたにテレパシーを送ります」
「ありがとうございます」
「私の愛しいマナ、くれぐれも気を付けて、皆様にもそうお伝え下さい、そして何か困った事があったらすぐに知らせなさい」
「はいっ、ありがとうございます」
ゴゴオオオ〜〜
燃え盛る炎の中に倒れる老人を発見した光堂は直ぐ様助け出していた
「おいっ、しっかりしろ」
「助けてくれたんですか、礼を言いたいとこですが放っておいて欲しかった」
「私はここでずっと平和に生きておりました、宇宙の平和を祈り、皆が幸せであれるようにと」
「だが、この宇宙はもう終わりに等しい」
「あなた連合の方だね」
「ああ」
「私はこの都市の長老」
「何があったんだ?」
「なあに、襲撃ですよ」
「誰のだ?」
「いかんですよ、いくら連合の方でも聞いたところで手出しは出来ないでしょう、私はねずっと神に祈っていた、これまではあなた方のおかげで宇宙は、光と闇のバランスはとれ、うまくいっていた」
「だが、闇の主の目覚めと共に均衡は崩れ去った、闇が主導権を握りだした宇宙は破滅に向かう、いくら光の勢力が立ち上がろうとしても、時既に遅し、いや、強大過ぎる闇を前に立ち上がろうとする魂も既に居ないのかも知れない」
光堂は黙って聞いていた
「奴等はね、事もあろうに龍神様を殺しに、このペドスドラコにやって来たのだ、信じられるかい?一昔前に龍神様を殺そうとする輩など絶対にいなかった、今この時代は平気でそんな事をしようとする連中が現れる」
「教えてくれ、奴等は何者なんだ?」
「聞いたら、あなたもこの星から尻尾を巻いて逃げ出すさ、奴等はサタンの配下の者達だ」
ルシ・サタン
この宇宙を統べる闇の王の一人
「もう、均衡は崩れたんじゃよ、今までとは違う。連合はもう闇を制御しきれていない、奴等に舐められてるんじゃ」
光堂は立ち上がる
「あなたが奴等に狙われた理由は?」
「奴等は、龍神が何処に現れるのかを知りたがっていた、知ってそうな人間を片っ端から問い詰めているみたいじゃ」
「炎は消した、俺はもう行くが大丈夫か?」
「大丈夫かか…この宇宙、もう何処にいても安全な場所などないのですよ」
光堂は歩き出す
その頃、タケル達の所では
「グウカァ〜」
二人はぐっすり寝むっていた
「もう、バナナ食べられないウキ〜満腹ウキ〜スヤスヤ」
「先生〜宿題やってきませんでしたぁ〜 グウスカ」
二人の代わりにマナが見張りについていたので問題は無かったが…
リタは考えていた、自分は少し言い過ぎたのではないか?と
「あ〜、なんかあんな事言った後って、なんか気分わるいんだよな〜、何だか嫌な感じだ」
「ふっ、お前も分かっていたのではないか?」
その声は白龍
「何をだい?」
「あの者たちが実は子龍を助けていた事に」
「…………」
「もし、襲われたのが神井ではなく、お前だったら、あの子龍を気絶させられずに、爆死させていたかも知れない、それにあの後、子龍の命を助けたのは彼等ではないか」
「白龍、僕っ彼等に謝ってこないと」
「分かっている、行って来い」
「ありがとう」
それは同時刻の出来事だった
場面はペドスドラコから離れ、地球となる
瞑想して、地球に防御壁を張っていた北條が何かを察知する
それは予知
目に見えない世界から情報が入ったのだ
それは、死神率いる宇宙艦隊が地球に攻め込もうとしている未来
北條は目を開く
ふぅ〜
そして、ふと浮かんだのはタケルと神井の表情
彼等は今、ペドスドラコに居るみたいですね
この先、ペドスドラコはかなり危険な状態になると見えます、正直、私も手助けに行きたかったが、どうやら今後はしばらく厳しくなりそうですね。
「みなさん、私の本体はここに残りますが、私の御霊を少しペドスドラコに飛ばします、大丈夫ですか?」
「問題ないです」
「今後、大きな艦隊が地球に攻めて来ます、気を抜かない様に」
「はいっ」
何かとてつもない大きな変化が、宇宙に流れ込み始めようとしていた。
〜 アンブラインドワールド 〜




