ep.8《余ったお金でお買い物》
沢山の読者の皆様に呼んでいただけて、うれしいです!
私生活がここ最近少し慌ただしく、投稿が遅れてしまいました。
申し訳ありません。
なので、これからはできるだけ短い期間で次話を上げていきたいと思います。
楽しんでいただけたら幸いです。
では、どうぞ!
さて、何とか服を手に入れ、露出狂変態な恰好から脱出したオレは、今いるエリア《ビギン》からエネミーが出現するフィールドに行くために、人目のつかない裏路地を通って街の城壁を目指している。
エリアの全貌はまるで王国のようなつくりをしていて、街の外側はぐるっと一周城壁で囲まれている。
説明によると『エネミーの侵入を防ぐため』だそうだ。
で、そんな城壁の外に出るには、東西南北に一つずつ設置された【門】を目指さなければならない。
そこからでなければ、フィールドに出立することができないのだ。
ちなみに、オレの服装は〈ワンピース〉の上に〈オンボローブ〉を纏っただけのものだ。
先ほどのような事件が起きないために、現在は予防として中に膝丈のレギンスをはいている。
一応男とはいえ、見えてしまうのは恥ずかしいというか……まあ、喜んで見せるようなものでもないし、おとなしく隠しておいたほうがいいだろう。
……現実じゃあ、あまりこういう類の服装はしないので、若干勝手がわからずにおばあさんの勧めるままに買ってしまった。
値段が一番安かったものをチョイスした、というのもあるけど。
(……出発の前に、ショップに寄っていくか)
さて、オレはこれから狩りをするにあたって、【門】に続く道で露店、この世界でいう【ショップ】を広げている人を探す。
ショップはHP回復アイテムである〈ポーション〉など、冒険者に必要な商品を売っている場所で、街の至る所にある。
そして、店によっては安い店や高い店があり、更には日にちによっても価格の変動があるらしいので、プレイヤーにはそこら辺の目利きも求められるらしい。
【ショップ】には三種類あり、一つはプレイヤーが経営するPCショップ。
これは、経営しているプレイヤーが勝手に商品の出品・管理や、価格の設定をできるのでうまくいけば一儲け、失敗すれば散財と、リスクとリターンの両面を兼ね備えたシステムだ。
店を広げる場所も基本自由だし(使用料は取られる)、規模が大きくなれば建物を買ってしっかりとした店を構えることもできる。規模が大きくなるほどに売買に関してのより深い操作が必要となるらしい。
二つ目は建物の中などでNPCが運営をしているショップ。これが一般的にNPCショップといわれるものだ。
プレイヤーとの会話はほとんどせず、一定の値段で一定のアイテムを売っている。
その種類は、【アイテム】【武器】【各種防具】など多岐にわたるが、一種類の店に一系統のものしか売っていないため、目的のものを探すのはかなり大変。
まあ、他の店でぼったくられたくなかったら、NPCショップを利用するのが一番いいだろう。
三つめはNPCが行っている露店。
NPCが行商人だったり、自営業だったり、とにかく店舗を持たないNPCが行っている仮の店といった感じだ。
そこの値段はピンキリで、利用する場合は計画的にレートや価格変動の計算をする必要がある。
何より、このようなNPCの露店には、普段NPCショップでは売っていない商品や、時折高レアリティの物品……いわゆる『掘り出し物』が出品されているときがある。
それらを狙ったり、価格の変動を計算に入れて低コストでの買い物をしたりと、少し癖があるのがNPC露店だ。
「でも、NPCショップって街の中心のほうにあるしなぁ……」
そう、店舗のあるNPCショップは普段人通りが多いエリアの中心部に位置することが多い。
郊外にあったりもするが、品ぞろえは悪くなるらしい。
しかも、街の中心部は、先ほどのクエスト中に若干観察した限りでは人が大量にたむろしていて、正直近寄りたくない。
だからこそ、多少の価格の誤差があっても、このような路地裏で露店しているNPCを探しているのだ。
「……お嬢ちゃん、寄って行かないかい?」
突然、声をかけられた。
正確には、オレは『お嬢ちゃん』じゃないのだけど。
心の中で悪態つきながら見ると、今から通ろうとしていた石畳の上にシートのようなものを敷き、商品であろうものを並べている男性の姿があった。
男は頭にターバンを巻いて赤紫のベストを着ていて、年齢は30代くらい。
いかにも胡散臭そうだが、提示してある商品はいかにも普通のショップのものだった。
さらに言えば、その男性の頭上に表示されている、逆四角錐のマーカーの色が緑。つまり、NPCであることを示していた。
ちなみに、プレイヤーが操っているアバターであればマーカーの色は白、エネミーであれば黄色になる。エネミーに関してはその興奮度や敵を認識している際にマーカーの色が黄色→橙色→赤と変化していくらしいのだが……まあ、余談かな。
……とにかく、こんなところでNPC露店に出会えるのはラッキーでしかない。
「じゃあ……やっぱりちょっと高いな」
この世界のショップは、並べられているものに触ることができす、その説明と商品名、値段のみを確認することができる。
なので、目的の商品をタップして半透明のディスプレイに表示される説明と値段を読んでいたのだが、こんな人目のつかないところでやっているせいか、ケイに教えてもらったアイテムの値段レートより、少し高めになっている。
まあ、金はさっきの服の代金が浮いているし何とかなるけど。
「うーん……これと、これと……これも買っておくか」
オレが提示したものはポーションの中では一番効果が低い〈低級ポーション〉、毒状態を五十パーセントの確率で回復する〈毒消し草〉、そして、エネミーをテイムするときに使われる〈魔物のエサ〉の三つ。
〈低級ポーション〉は十個、〈毒消し草〉は三個、〈魔物のエサ〉は二個買った。
〈魔物のエサ〉は普通のNPCショップでは売っていないもので、テイマー専用のショップでないと売っていないアイテム。
他のアイテムに比べて値段は高いので少量しか買えないが、こんなところでテイム用のアイテムに巡り合えるのは運が良かった。
戦闘をしながら、チャンスがあれば《魔物のエサ》を使ってテイムに挑戦してみようと思っている。
「はいよ、お値段ちょうど……って、お嬢ちゃん【テイマー】なのかい!?」
商品と、こちらが渡したお金を確認しながら、男性が驚きの声を上げた。
【テイマー】とは、オレの《魔物使い》のように、エネミーを仲間にして戦うスキルを持ったプレイヤーの総称である。
そんなテイマー系列スキルの中でも、オレの持つ《魔物使い》はとある理由で不人気。圧倒的に利用者が少ないのだけれど。
閑話休題、話を戻そう。
「……はい。《魔物使い》持ちです。それがなにか?」
「いや! 俺も【テイマー】でさ、昔は相棒と一緒に冒険していたんだよ!」
「はぁ。そうですか……」
「最近は【テイマー】の人が減っちゃってね、少し悲しいんだ。……そうだ! 俺が少しレクチャーしてあげるよ!」
【NPCクエスト発生―《テイマーの心得①》受諾しますかYes/No】
(いつの間にかフラグが立っていたか……っていうか、これってどう考えてもナンパだよね? 男からのナンパなんてこれっぽっちも興味ないんだけど。どうせならかわいい女の子とかにナンパされたかったな。そうだったら速攻で受諾したのに。……さて、どうしよう。こっちは一刻も早くレベルあげたいけど、【テイマー】についてはまったく言っていいほど無知なオレなのだ)
オレは、少し考えた後、『Yes』を選択した。
「……わかりました。レクチャーお願いします」
「ありがとう! 俺の名前は『ニーク』っていうんだ、よろしく!」
若干引き気味に受諾したが、そんなこっちのテンションとは関係なしに、男性の商人、ニークは簡単な自己紹介を終える。
ここら辺のテンションの差は、NPCだからなせる技なのだろう。
奴らは、プレイヤーがたとえどんな状況でも、条件を満たせば話しかけ、アクションを取ることができる。
さて、名乗られたのだから、こちらも名乗らないとな。
「……ルナです」
「ルナちゃんかー、かわいい名前だね!」
「……次、オレを『ちゃん』付けで呼んだり、『かわいい』とか言ったら、ぶん殴ります」
「なんでさー、かわいいのに……グェフ!?」
ぶん殴りました。主に鳩尾のあたりを。
読んでくださってありがとうございます!
毎回パソコンを起動するたびに次の話を書こうとするのですが、書いては消しの繰り返しのここ最近でございます。
それでは、前回に引き続き二人の雑談をどうぞ。
興味のない方はページの下までスクロールして下さい。
作者「おぉ……ありがたや……ありがたやぁ……」
ルナ「…………作者どうした?」
作「いや、これだけ多くの皆様に読んでいただけると、本当にうれしくて……」
ル「お~、2000PV超えたのか。おめでと~」
作「なんかお前に言われると変な感じだな」
ル「オレの祝いの言葉を返せ。……さて、前回の続きじゃなかったか?」
作「ああ、どこまで話したっけ?」
ル「この話の原作(?)を見つけたところまで」
作「そうだった。それで、見つけたはいいけど、肝心のキャラ、設定、ストーリーなど、もうシッチャカメッチャカだったのですよ」
ル「ということは、結局練り直したのか?」
作「ええ。世界観はうっすらと存在を確認できたので、それをはっきりさせることから始まったね。ゲームの名前や町の造形、エネミーやフィールドの配置とか」
ル「想像力ってすごいな」
作「本当にね。これを大体三日くらいでやって、ストーリーの導入も同時に考えていたよ」
ル「じゃあ、次はキャラか?」
作「ああ。『ルナ』っていう名前はその原作からとってつけました。本名は考えたけどね」
ル「……オレの名付け親がお前って……なんかキモイ」
作「ヒドッ!? ……で、最初の設定では、『ルナ』はネカマプレイヤーだったんだよ。でも、友人となんやかんや話しているうちに、ケイとの関係性とか家族構成とかを考えて、最初から女性。ということになったんだ」
ル「でも、厳密にいえばオレは男だぞ?」
作「あー、それは私情が絡んでくるから話しづらいんだよねー。でも、リアルの作者の人間関係で一悶着あった結果、今の『ルナ』が生まれたわけだ」
ル(……どうせなら作ったアバターのままで生活したかった)
作「ん? なんか言った?」
ル「いいや。で? キャラ設定ってそれだけ?」
作「そんなわけない。ストーリーの骨組みを作っていく最中に必要になるキャラはどんどん考案していったよ。でもルナの性質上、関わるのはNPCが多かったけど」
ル「小説って、そうやって考えていくんだな」
作「いいや。これはわたしのやり方であって、わたしはこの方法がやりやすいからこうやっているだけだよ。個人個人でやり方は違うと思う」
ル「そうなのか」
作「うん。わたしの場合は、世界観生成→大まかなストーリー考案→キャラクター考案→捕捉・変更をしながらストーリーの肉付け。っていう感じかな」
ル「でも、このやり方だと、後で矛盾点とか出てくるんじゃないか? しかも直しにくそう」
作「……そうなんだよねぇ。いつも書き終わってから三回くらい修正して投稿しています。それだけ世界観を作りきれてなかったり、設定が滅茶苦茶だったりするんだよ」
ル「おつかれ」
作「うん。それで作品のほうは完成かな。あとは、『小説』を制作するにあたって、学校では『製本』の作業にも手をかけました」
ル「え、じゃあ、実際に本として作ったのか?」
作「そうだよ。机の上に飾ってあります。次回は、その手順も軽く説明しようかな」
ル「少し楽しみだな」
作「……お手柔らかに。さて、今回はここまで! 次回はルナがいよいよフィールドに出るよ!」
ル「ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました!」
作「じゃあ……」
ル「せーの……」
作・ル「ありがとうございました! 次回もよろしくお願いします!」