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第61話:絶対退化の経験値強奪と、ただの計算ミス

超解像度で描写される2周目の世界を優雅に進む俺たちの前に、突如として天から「ドス黒い数字が逆回転する巨大な減算の呪盤(退化の宣告者)」が轟音を立てて降り注ぎ、空間全体の『成長システム』を急速に汚染し始めた。

その呪盤が怪しく明滅した瞬間、俺が1周目から引き継いだ無敵のステータスが一瞬で反転し、レベルが毎秒何万と削られ、存在の根底へと強制的に退化していく。


公式の組織が発動した、2周目の無双を物理的に否定してレベル0へと叩き落とす最高位の剥奪呪術――『絶対退化・経験値強奪レベル・ドレイン』。


『――どれほどの全能のデータを持とうとも、強さの根幹レベルを吸い尽くせばただの凡夫に還る。これより汝の全ステータスを『マイナスの領域』へと固定し、存在そのものを消滅させる。システムが弾き出した「絶対の退化」の前には、如何なる無双も虚無に消えるのみだ!』


天の彼方から響く調停者たちの執念深い声と共に、激しく世界の法を書き換える退化汚染の波は、俺たちの周囲の空間にまで侵食し始め、世界のシステムが「警告。規定レベル未満の個体を不適合データとして排除します」と消滅の波動を放ち始める。


「主様! @&#$!? ……ステータスウインドウの数字が、ものすごい勢いでマイナスに減算されています! 公式の手によって、この2周目の『成長システム』そのものが物理的に絶対の退化へと改ざんされています! このままでは、私たちがどれだけ主様を慕っていても、世界が主様を『存在してはならない不適合者』として消去してしまいますぅぅ!」

ルナが「レベルを奪われる恐怖」を孕んだ完璧な解説役としての絶望顔を浮かべ、逆回転する呪盤の覇気に怯えながら悲鳴を上げる。

ステラも「身体のキレが持っていかれるわ」と身構え、ゼノンは「くっ、主との57話分の思い出の結晶レベルが……っ!」と冷や汗を流す。ココアの解析魔導も、グランド・オーダーの魔導器官も、経験値の強制消失を前に存在消滅アラートを鳴らした。


ヒロイン5人が、ステラ・ゼノン含め完璧なリアクションを完了した。

その様子を眺めながら、俺は世界をマイナスに染めようとする「汚染された呪盤」を、退屈そうに見つめて鼻で笑った。


「レベルの強制退化ねえ。公式の組織とやら、お前らがドヤ顔で発動させてるその嫌がらせシステム……。これ、俺が昔、まだ原初の魔導基礎理論の数式を組み立ててた頃に、計算の分母と分子をうっかり逆に置いてしまって、一時的にステータス表記がマイナスに反転して管理者に『おい、お前の作った数式、バグってレベルが地下まで突き抜けてるぞ』って突っ込まれた時の『ただの計算ミス(あるいはただの数式エラー)』の構造そのまんまじゃねえか。ガワだけ最高位の退化呪術っぽく見せてるけど、根本にあるのは俺のただの書き間違いだぞ」


『――警告。エラー。データの最深部に、原初の記述者による「レベル上限の無限超越マスター・ステータス」の上書きを検知。バ、バカな、世界をレベル0にする絶対の強奪が、ただの汝の「ただの計算ミス」の残骸だというのか……!?』


「俺のやらかした計算ミスなんだから、どれだけレベルをマイナスに偽装されようが、俺が一言『――あ、数式の位置直すわ』と言って世界のシステムを修正してやれば、全ステータスも経験値も一瞬で『歩くたびに全宇宙の全数値をぶっちぎる永久不滅の最高神格状態(レベルの強制無限化)』に書き換えることなんて朝飯前だろ」


指先で空中の魔導文字をトントンと2回叩く。

次の瞬間、世界を覆っていた巨大な減算呪盤は一瞬で砕け散り、俺たちの魂に絶対の強さを固定する美しい金色の超越紋章マスター・レベルへと再構成されていった。公式の強奪術式は、俺にとってはただの「数式の位置をちょいと元に戻してやる」ような手間で、一瞬にしてただの快適な空間へとデグレードさせられた。


「……世界を消滅させる絶対の退化処分を、昔のただの計算ミス扱いして、一瞬で全宇宙最高の絶対のレベル無限へと自動固定(出荷)させたのですか?」

ルナが、ツッコミを忘れた虚無の目(しかし瞳は黄金に輝いている)で、もはや数値の概念すら超越した「∞」の文字が輝く俺のステータス画面を見上げる。

ココアが目を輝かせて俺に抱きつき、ゼノンが赤面してそっぽを向き、ステラとグランド・オーダーが俺の左右の腕を至福の表情で奪い合った。


「おいおい、そんなに焦らなくても、この世界のすべての数値は俺のさじ加減ひとつさ。公式の用意したバグの修正も終わったことだし……」


俺が微笑み、指先を一突きして空間を軽やかにスワイプすると、5人の美女たちの視線が一斉に俺の指先に引き寄せられる。目の前の空間の奥に、次のステージへと続く「黄金のキャットウォーク(絶対無双の特等席)」が、極上の光の粒子を散らしながら自動生成されていく。


「さあ、お前たちの席はいつでも俺のすぐ隣だ。完全に俺の支配下となったこの最高品質ハイエンドな接待ステージで、次はどんな極上の退屈しのぎを見せてくれるのか、特等席からじっくり楽しもうじゃないか」


俺を中心に、制服姿でまるで星座のように完璧な配置で寄り添う5人のヒロイン。その圧倒的な調和の輝きを纏ったまま、俺たちは世界のバランス(公式の法)すら完全にプライベートな玩具アセットとしたその先へと、優雅にステージを移行させるのだった。

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