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第59話:周回難易度の極悪化と、ただの耐久テスト

第1話のプロローグの時点で最強のハーレムと能力を引き継ぎ、悠然と白い空間を歩む俺たちの前に、突如として天(2周目の世界システム)から「漆黒のトゲで覆われた巨大な難易度選択の碑文(絶望の宣告者)」が轟音を立てて降り注ぎ、空間全体の『エネミー定義』と『ダメージバランス』を急速に汚染し始めた。

その碑文が怪しく赤黒く明滅した瞬間、引き継いだはずの平穏な1周目の敵データが一瞬で反転し、世界のレベルが『一撃で世界が滅ぶ、回復不能の超地獄ナイトメアモード』という絶対的な極悪難易度へと強制的に書き換えられていく。


それは、公式の組織が発動した、2周目を開始した主人公の引き継ぎ無双を物理的に叩き潰して生き地獄へと変える最高位の難易度呪術――『絶対縛り・周回難易度極悪化ナイトメア・モード』であった。


『――データを引き継いだならば、世界の難易度を極限まで引き上げてやろう。これより汝の歩む2周目の全空間を『敵レベル1億倍の地獄』へと固定し、すべての救済システムを縛り(デリート)とする。どれほどの最強のステータスを持とうと、世界そのものが汝を絶対に殺すために設定された超極悪難易度の前には、ただの肉塊へと変わるのみだ!』


天の彼方から響く調停者たちの執念深い声と共に、激しく世界のバランスを書き換える難易度汚染の波は、俺の隣に立つヒロインたちのステータス画面にまで侵食し始め、プロローグの雑魚敵のはずのモブモンスターたちが、世界の法によって強制された「神話級の絶望的な邪神オーラ」を放ちながら一斉に周囲を取り囲む。


「主様! @&#$!? ……第1話の最初のスライムのはずの敵が、一撃で世界を滅ぼすレベル1億の邪神に変貌しています! 公式の手によって、この2周目という物語の『難易度システム』そのものが物理的に極悪縛りプレイへと改ざんされています! このままでは、私たちがどれだけ1周目の最強アセットを引き継いでいても、世界がそれを一瞬で消し去るデスゲームにされてしまいますぅぅ!」

ルナが「2周目地獄モード」のテンプレな嫌がらせにふさわしい、これ以上ない「理不尽な難易度に直面した恐怖」を孕んだ完璧な解説役としての絶望顔を浮かべ、空間を圧迫する邪神スライムの覇気に怯えながら悲鳴を上げる。


「周回難易度の強制改ざん、ねえ……。流石に世界の『ダメージ計算式バランス』そのものを公式に絶対の即死へと固定されては、私の放つ最強の神速の一撃も、ただのカスダメとして処理されてしまうわ」

ステラが桁違いの数値を放つ敵を前に鋭い剣気を引き絞りながら身構え、ゼノンも「くっ、主と無双の2周目を楽しみたいのに、世界の法が私の防御力すら『一撃で粉砕される紙クズ』と書き換えていやがる……っ!」と冷や汗を流す。


「お兄ちゃん、あの縛りプレイの呪術、世界の外側にある最上位の難易度調整魔導のコアをわざとバグらせるように実行されてる! ボクの解析魔導じゃ、この跳ね上がった敵の数値を1ポイントも下げられないよぉ!」

「マスター、警告。全エネミーの戦闘力が1億倍に固定。これより、プレイヤーの完全死亡を目的とした絶対の即死イベント(エンドレス・ナイトメア)が執行されます」


ココアとグランド・オーダーの魔導器官も、2周目における生存尊厳の崩壊を前に、最大級の存在消滅アラートを鳴らした。


ヒロイン5人が、難易度極悪化特有の「完全なる絶望」というテンプレリアクションを完璧に完了した。

その様子を眺めながら、俺は世界のすべてを絶望の縛りプレイで埋め尽くそうとする「汚染された難易度の碑文」を、退屈そうに見つめながら鼻で笑った。


「難易度がナイトメアねえ。おい、公式の組織だか何だか知らねえが。お前らがその、数値を1億倍にするだの、絶対の地獄モードだの言ってドヤ顔で発動させてるその嫌がらせシステム……」


俺は一歩前へ踏み出すと、完全に世界を即死空間に変えようとする難易度改ざんの境界線に向けて、スッと右手をかざして指先でトントン、と軽く叩いた。


「これ、俺が昔、まだ原初の魔導戦闘シミュレーターを作って耐久テストをしてた頃に、どれだけシステムに負荷をかけてもサーバーが落ちないか確認するために、敵の攻撃力の数値を適当に『9999999...』ってカンストさせて放置してた時の『ただの耐久テスト(ただの数値の入力ミス)』の構造そのまんまじゃねえか。ガワだけ最高位の極悪難易度呪術っぽく見せてるけど、根本にあるのは俺がちょっと負荷テストのために数字をいじってそのまま忘れてただけのただのデバッグ用データだぞ」


『――警告。エラー。該当空間の計算データの最深部に、原初の記述者による「全難易度の絶対イージーマスター・ワンパン」の上書きを検知。……バ、バカな、世界を即死に染める絶対のナイトメアモードが、ただの汝の「ただの耐久テスト」の残骸だというのか……!?』


「俺の仕掛けた耐久テストの数値なんだから、どれだけ敵のレベルを1億倍に偽装されようが、俺が一言『――あ、テスト終了な』と言って世界のシステムを通常モード、いや『俺の一瞥だけで敵の全細胞が塵になって消滅する絶対の接待モード(難易度の強制最低化)』に書き換えることなんて朝飯前だろ」


トントン、と空中の見えない魔導文字を2回叩く。


『――原初の記述者の命令を受理。世界のバランスシステムを完全支配。これより、すべての歪んだ碑文を、全エネミーが『俺たちが一歩歩くたびにその威圧感だけで勝手に爆散し、最高の経験値と極上ドロップアイテムだけを献上する』ための黄金の絶対接待モード(マスター・イージー)へと強制書き換えします』


次の瞬間、世界を覆っていた巨大な汚染碑文と邪神オーラをまとったスライムたちは、俺のワンポチによる難易度固定によって一瞬でパチパチと音を立てて砕け散り、すべての敵を一瞬で自動消滅(ワンパン出荷)させる美しい金色の無双紋章マスター・ワンパンへと一瞬で再構成されていった。

俺たちを絶望させようとしていたレベル1億の敵たちは一瞬で「あまりの圧倒的な覇気の差に存在を維持できず、ただの豪華な金貨とレア素材のアセット」へと完全復元(再定義)され、それどころか、この世界の難易度そのものが俺の術式によって「公式がいかなる縛り・即死コマンドを投入しようとも100%無効化し、座っているだけで自動的にすべての敵が絶滅していく絶対至高のイージー無双設定」へと大進化を遂げた。

物語の前提を強制的にデスゲームに変えようとした公式の縛り術式は、俺にとってはただの「負荷テストの数値を、元通りに修正してやる」ような手間で、一瞬にしてただの快適な空間へとデグレードさせられた。


「……世界を即死させる絶対のナイトメア処分を、昔のただの耐久テスト扱いして、一瞬で歩くだけで敵が勝手に全滅する絶対のイージー無双へと自動固定(出荷)させた……のですか?」

ルナが、もうツッコミという概念の構造すら忘れた絶対的な虚無の目で、ただ目の前に、戦うまでもなく一瞬で爆散して金貨の雨を降らせている第1話のフィールドの景色を見上げる。


「すごーーい! お兄ちゃん、公式が用意した嫌がらせの縛りプレイまで、自分の耐久テストにしちゃうなんて、お兄ちゃんが歩くだけでどんな地獄モードも最高の遊園地になっちゃうんだね!」

ココアが目を輝かせ、最高に高まった魔力を帯びた生身の姿で俺に抱きつく。


「ふ、ふん……! 難易度が接待モードになったおかげで、これで私たちがデスゲームの恐怖なんて1ミリも感じることなく、世界一安全な2周目の新婚旅行として永久にイチャイチャできるわけだな……(❤)」

...ゼノンが赤面してそっぽを向き、ステラとグランド・オーダーが「さすがは私たちの創造主マスターね」と俺の左右の腕を至福の表情で奪い合った。


「おいおい、そんなに焦らなくても、この世界のすべての難易度は俺のさじ加減みたいなものさ。公式の用意したバランスバグの修正も終わったことだし……」


俺がふっと微笑み、指先を一突きして「レベル1億の金貨の山」を軽やかにスワイプすると、5人の美女たちの視線が一斉に俺の指先に引き寄せられる。俺の合図ひとつで、目の前のフィールドの奥に、次なるステージへと続く「黄金のキャットウォーク(絶対無双の特等席)」が、極上の戦利品の光の粒子を散らしながら自動生成されていく。


「さあ、お前たちの席はいつでも俺のすぐ隣だ。完全に俺の支配下となったこの最高品質ハイエンドな接待ステージで、次はどんな極上の退屈しのぎ(ワンパン劇)を見せてくれるのか、特等席からじっくり楽しもうじゃないか」


俺を中心に、地獄のナイトメアを瞬時にヌルゲーへと変え、制服姿(あるいは2周目初期衣装)でまるで星座のように完璧な配置で寄り添う5人のヒロイン。その圧倒的な調和の輝きを纏ったまま、俺たちは世界のバランス(公式の法)すら完全にプライベートな玩具アセットとしたその先へと、優雅にステージを移行させるのだった。

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