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ダイスファンタジー:プロトタイプ  作者: 抜田 礼
龍泉英雄伝
13/13

◆【生き残った悪人】

◎旅路

香風「次の町はまだか。私は腹が減ったぞ。」

龍泉「まだかかりそうだな。ほら。」

龍泉、香風に携帯食を手渡し、香風はそれを頬張った。

花鈴「あんまり食事を無駄遣いすると後で断食することになるぞ。」

香風「・・・すまん。」

そう言って食べかけの携帯食を龍泉に返そうとする。

龍泉「食えばいいよ。」と言って。携帯食を持った手を軽く押し返す。

蒼空「しかし、いい加減大きな町で一息つきたいな。野宿が続けば体力は消耗するばかりだ。」

花鈴「割と強力な魔物も増えてきているしな。案外魔王に近づいてきているってことなのかも・・・。」

蒼空、足を止める。

蒼空「・・・そうかもしれないな。」

蒼空の目線の先には燃え上がる町が見えた。

花鈴「はぁ、二人で旅してた頃が懐かしいな龍泉。」

龍泉「行こう、助けられる命がまだあるはずだ。」


◎軍部拠点の町【鐵武】

生き残りの部隊が操られた死体の兵士達に包囲されている。

黒蜂「ここは良い町ね。強い兵士が沢山揃ってる。あなた達もはやくこっち側にいらっしゃい。」

兵士1「クソッ!このままでは全員殺される。」

兵士2「嫌だ、死にたくない。」

黒蜂「あー・・・そう、死にたくないの?そんなに生き残りたいなら優しい私が3人まで見逃してあげる。」

兵士2「3人?」

兵士3「馬鹿!耳を貸すな。」

黒蜂「だから・・・残り7人生きてるあなた達で殺し合ってー・・・あははははは!」

兵士2「3人・・・3人・・・。」

兵士1「おい?」

兵士2「うわあああああああ!!」

兵士2錯乱して仲間に斬りかかる。

兵士1「よせ!!グァアアア!!」

次々と正気を失って仲間を殺す兵士達。

黒蜂「あははははははははは!!あははははははははは!!!!」

兵士2「ああああああああああ!!」

兵士3「ぐぁあああああああ!!!!」

兵士2「はぁ・・・はぁ・・・やった・・・やった。」

黒蜂「あらあら、あなた一人だけ生き残ったの?欲張りね。」

兵士2「約束だ・・・俺を見逃してくれ・・・。頼む。」

黒蜂「んふふふふ・・・いいわよ。」

そう言って黒蜂は手から黒い影を放った。

仲間割れを起こして死んだ兵士達に影が入り込む。

うめき声をあげて立ち上がる兵士達。

黒蜂「見逃してあげるわ。私はね。」

兵士「そんな・・・。」

死体が剣を持って歩み寄る。

兵士2「ごめん、頼むよ。許して。」

生き残った兵士の声も虚しく死体たちが剣を振り上げる。

兵士2「あああああああああああああ!!!!」


龍泉「おらぁ!!!!」

死体たちを雷撃が貫いた。

蒼空「大丈夫ですか!?こっちへ!」

香風生き残った兵士が持っていた剣を拾い上げる。

香風「命を救ってやった見返りだ。こいつは貰ってくよ。」

花鈴「不意打ちを人命救助に使ったか。さて、ここからどうしようかな。」

黒蜂「あらあら、せっかく集めた私のお気に入りが壊されちゃった。」

龍泉「こいつは俺が倒す。二人はなんとか操られた人達を近づけないようにしてくれ。」

花鈴「わかった。死ぬなよ。」

香風「まぁ、死体相手なら余裕かな。」

黒蜂「おいで、私の可愛い坊や。貴方の手で残りの仲間を殺させてあげる。」


龍泉、雷撃を放つ。しかし黒蜂は軽々とそれらをかわす。

黒蜂「良いわねあなた。その力私の元で役立ててあげる。」

黒蜂、手から魔力を周囲に放つ。

すると突然死体たちの動きが素早くなり襲い掛かって来た。

花鈴「くっそ、こいつら私達を無視しだした。」

黒蜂「あははははははははは!!まずは男の方を食い殺しちまいな!!・・・・ぐあっ!!」

突然黒蜂の胸を剣が貫く。

蒼空「今だ龍泉!!!!」

黒蜂「人間ごときがぁぁぁぁあああああ!!」

黒蜂手に魔力を込める、しかしその瞬間黒蜂の腕が飛んだ。

黒蜂「え?」

香風「弱っていれば魔族もなんとかなるな。」

龍泉「うぉぉぉぉおおおおおお!!」

黒蜂に斬りかかる龍泉。

黒蜂「うわあああああああああ!!!!」

爆風が黒蜂を消し飛ばした。


◎数日後の【鐵武】

大勢の墓の前で立ち尽くす兵士が一人。

兵士2「・・・・・・。」

香風「よかったな生き残って。」

兵士2、泣き出す。

香風、状況が呑み込めず、町からくすねてきた食べ物を差し出す。

香風「食うか?」

兵士2「俺が殺したんだ!!生き残りたかったから!!死にたくなかったから!!俺が!!!!」

香風「だから生きてんだろ。いいじゃんそれで。」

兵士2、ただただ泣き続ける。

香風「誰だってそれなりに正しく生きたいさ。でも間違った生き方しか選べないやつもいるよ。お前みたいなクズがいることで救われる人間もいるさ。お前はふてぶてしく生きてりゃそれでいい。お前は生き残ったんだからな。しかし悪い奴はなかなか死なねえよな。私の仲間はきっとすぐに死ぬだろうな。」

蒼空「香風!!援軍が来た。俺達はそろそろ行くぞ。」

香風「・・・・・・剣は貰っていくからな。じゃあな。」

そう言って香風は兵士を残し龍泉達の後を追った。


◎旅路

龍泉「しかし香風、お前動くの速かったな。」

香風「まぁ私はお前らよりも死線をくぐってきてるからな。それに今回の戦いの中で私は魔族の魔力を察知する能力を身に着けた。近くに魔族がいれば私が教えてやるよ。」

蒼空「それは助かるな。凄いぞ香風。」

花鈴「すごく有難いが、いよいよそんな能力が役立つような大変な旅になってきたわけだな。」

龍泉「大丈夫だよ。俺は最強だから。守ってやるよ。」

花鈴「お前も随分と逞しくなったよな。」

龍泉「俺は最初から逞しいぞ。」

香風「ちょっと!今私が褒められてる最中なんだが。」

花鈴「ああ、色々あったがあんたにも期待しているよ。」

龍泉「期待してるぞ香風!」

香風、満足そうに笑う。


旅はまだまだ続く。

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