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第9話

「おはようございます、モリシス! 今日も素敵です! ご褒美に踏んでください!」


 その残念すぎる発言者、美男子のオルストラスに私はげんなりした。また、近づいてきた。ここは私の家のジム。いろんな器具が広い室内に並んでいる。


 休み時間の従者やいとこらの姿もある。皆さん筋トレに邁進中。


 私はオルストラスに「筋肉トレーニングがありますので失礼します」と述べ、腹筋用の器具で鍛え始めた。


 しかし、母鳥の後を追うひなのごとく彼はついてくる。私はうっとうしく思い「邪魔なので帰ってください!」と罵声をかます。


 しかし、皆がうっとりするハンサム君は「はうあ! もう一度、もう一度罵ってください!」と頬を赤くしエキサイト。


 喜んでいる! 私は逆効果かと残念がる。なんて迷惑な奴なのだ。私によってくるな、ドMが!


 でも、そんなことを発したら「もう一度お願いします!」と言われそう。王子なのになぜこんな残念な奴なのだ。


 私はオルストラスをそのへんに生えている木のように無視することにする。付き合っていたら日がくれる。


 こんな酷い男に……まあ、目鼻立ちは整っていて上背もあり王子様だが……に殺されるなんて……。


 私は戦慄しつつ必死に筋トレに励む。明日は筋肉痛だわ。


 オルストラスは「ムチを持参しました!」と言い何かを期待した眼差しを向けてきたり、「お尻がムズムズするので叩いてくれませんか? お願いします!」等とドMぶりを披露しっぱなし……。


 王子様の教育はどうなっているのだろう……この国大丈夫なのかしら。杞憂だと良いけど……。


 私は十キロのこれまたリッチな真新しいダンベルを上げ下げしつつそんなことを思索した。

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