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迷探偵ラット

外伝みたいな物です。


本編の補完話です。

 まいどおおきに皆さん覚えてまっか、ラットだす。


 どうも、どうも、ご無沙汰してすんません。


 若旦那が奴隷にされて、わいが何もしとらんと思ってらっしゃるやろ?

 ところがどっこい、わいもちゃーんと動いてますよって。


 でも、ちょっとだけ言い訳させて欲しいだす。


 実はわいの店、無くなってしもうたんだす。


 ことの起こりは若旦那が奴隷になった後だす。

 あの後、わいは若旦那から預かった荷物をベスはんに送ろうとしてたんだす。

 ベスはんは一足早く出発してもろうて、そいからわいが追いかける手筈やったんだす。


 ところがや!


 なんと、なんと、わいが出発しようとしたそんときだす。

 セルラス伯の兵隊達がやってきたんだす。

 わいの店の周りを兵隊が囲ってな、そんでいいよるんや。


「この店はセルラス伯が買い取った。とっと出ていけ」


 何ゆうてんねん、このとんきちが!

 わいは、当然抗議しましてん。

 買い取ったも何も、わいは売ってへん。

 それなのに兵隊が店の中のもんを勝手に持って行きよるんや。


 やめなはれ、やめんかい、ボケ!!


 と言ってやったんや。


 心の中やけどな。



 なーんも、出来へんかった。


 わいが心血注いだ大事な店がめちゃくちゃにされたんや。

 泣き崩れるわいに、兵士はんは言ったんや。


「ホレ、代金だ」


 親指で弾いた硬化は、銅貨やった。


 何でや、何でわいがこないな目にあわなならんねん。


 わいは目で訴えたんや。

 そしたら、兵士はんが。


「恨むならアスバールを、ノーマンを恨むんだな」


 そいで兵隊は帰っていったんや。


 ノーマン様を?


 何でや?


 ノーマン様は何をやらかしたんや。



 店を失ったわいは昔取った杵柄で、冒険者をやることにしたんや。

 もとから店はたたむつもりやったんや。

 実は、大した被害やあらへんのや。

 ざまぁみさらせ、あのマヌケな兵隊どもが。

 わいの迫真の演技にだまされよって。

 それに、大事なもんはベスはんに預けてあるんや!


 どや、わいの先見の明は。

 全部、若旦那の指示やけどな。

 ナイショやで、ほんま。


 でも、わいの疑念は確信に変わったんや!


 セルラス伯、いや、バラスはノーマン様を殺しよったんや。


 許さへん、許さへんで!


 わいが必ず証拠を見つけ出したる。


 必ずや!


 だから若旦那。


 待っててや。


 必ず迎えにいくさかいそれまで生きててや。


 若旦那はノーマン様とちごうて、賢いから心配してへんけどたまに不安になるんや。

 一応、若旦那の足取りは掴んどるさかい会いに行こう思うたら会えるけど。


 ほんまは心配なんや!


 ケガしてへんか。

 病気してへんか。

 悪い女に騙されてへんよな?

 あー、心配や。

 やっぱ、会いに行こうか。


 いやいや大丈夫や!

 若旦那を信じるんや!


 若旦那はノーマン様と違う。

 そや、ノーマン様と違うんや大丈夫や。

 ほんまにノーマン様の子とは思えん賢さやからな。

 ああ、マーサ様の子やから大丈夫や。

 うん、うん、大丈夫や。


 若旦那、まっとってください。


 このラットがノーマン様殺害の証拠を掴んで、一緒にバラスの野郎をとっちめんるや。


 フフフ、そう思うとやる気が出てきたで!


 わいはやったるで若旦那!



 しかし、ラットは何一つ証拠を見つけることは出来なかった。


「何でやねん!?」


お読みいただきありがとうございます。


応援よろしくお願いいたします。


勢いだけで書けてしまった。


ラット恐るべし。

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