表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/70

襲う者?

私とレティは、近くにいた襲撃者を襲った!


襲われた者が、襲う者を襲う?

我ながら少し苦笑してしまう?

だが、慈悲の心を持って相手をする訳にはいかない。

辺りを見渡せば、既に怪我人どころか、死人が出ていた。

そして、死人の多くは、女性だ!


現在のダーシュ傭兵団は、戦闘要員が少なすぎる!

百人近く団員の多くは女性で、大半は娼婦だ。

戦える者は、私達を含めて二十人もいない。

無惨な姿で、亡くなっている人を見てしまえば、温厚な私でも怒りを禁じ得ない!


賊は、どのくらいの人数だろうか?

犠牲者はどのくらい、生存者は?

焦りを感じながらも、レティに付いて行く形で走る!


私は前を走るレティを見ながら、先程の事を思い出す。


彼女は、何のためらいもなく、人を殺した。

そして、人を殺す事に慣れている感じがした。

この団に入る前に、彼女はどれ程の修羅場を体験したのだろう?

生きる為に、人を殺す事に躊躇していない?

その事実が、私には可哀想に思えた。


しかし、この世界では、死は身近なものだ!


それを私自身、経験して知っていても、納得は出来ない。

でも今、考えることではない!

今は、この状況を何とかしないと?


しかし、レティは何処に向かって走っているのだろうか?


「ダン、前に五人。殺るよ?」


レティが私に問いかける?

たしかに、前に五人いる。

何人か、踞っている?

あれは?


成る程、理解した!

馬鹿な連中には、相応の報いをくれてやろう!


「分かった」


私はレティに答えて、近づく五人に狙いを定める!

私の前に、愚かな二人が女の人を襲っていた。

何をしていたのかは、敢えて言う必要は無いだろう?

男が女性を襲う、そう言う事だ。


私は、二人の背後に周り、剣を降り下ろす。

狙いは、首筋!

卑怯だとは、考えない。


一人には、確実に当たった!

手応え有り!


そして、もう一人は蹴り飛ばす。

相手が、体勢を整える暇を与えず、剣を突き刺す!

鎧の隙間に、剣をねじ込む。

手に力を込めて、グリグリと、相手は手や足を使い、私を突き放そうとするが、私は剣に体重を懸けて更に剣を押し込む。

相手の手が、私の剣を持つ腕を掴む。

掴まれた腕に、激痛が走る。

しかし、私は剣を手離さない。

そして少しすると、掴まれた腕から相手の手が外れる。


私は二人殺した。


今度は、私自身の意思で!

誰かに、強制される事なく。


人を殺した事を自覚した時、私の体は正直だった。

その場で、吐いてしまった。


辺りには、殺した相手の血だまりが広がり、そして、血の臭いが漂っていた。


私はどうやら、人間の血に弱いらしい?


動物や、モンスターの血には何の反応もしないのに、人の血には駄目らしい?


「こ、こいつ!」


私が振り返るとそこに、剣を振り上げている賊がいた!


しまった!


二人殺しただけで、まだ、三人いた!


だが、賊が剣を降り下ろすことはなかった。

それどころか、賊の胸に剣が刺さっていた!


「こ、こいつ………」


剣が引き抜かれ、賊が倒れる。


「大丈夫?」


賊の背後に、レティがいた。

見れば、他の二人を仕止めた後のようだ。


「なんとかね。助かったよ」


「そう、急ごう」


剣を支えに、立ち上がる私にレティは答える。

そして、倒れている女性にレティが何か言っている。


「レティ?何処に行くの?」


「団長のところ」


レティの顔に、嫌そうな表情が見てとれる。


「ダグラを助ける為?」


「首魁がいる」


首魁? 賊のボスがダグラのところにいる、何で分かる?


「何で、分かる?」


「似たことがあった」


前にも、同じ目に遇ったのか?


「その時は?」


「死んだ」


そうか、その時は奴隷主は死んだのか?

今、ダグラが死ねばどうなるか?

上手くダグラだけ死ねば、奴隷から開放される?

そんな訳ない!

奴隷主が死んでも、奴隷紋は残る。

近くの街に行っても、兵士に捕まって、また奴隷になるだけだ。


ダグラは良い主人だとは言えないが、一応助けておくか?

上手くすれば、恩を売れる?

でも、助けても恩に感じる人間じゃないな?


「行くよ!」


考えていたら、レティは走り出していた。


「ま、待って」


慌てて、後を追った。


思ったよりも、賊は少なかったようだ?


と思っていたが、所々でさっきのように女性を襲っているのが見える。


レティは、それを無視して走る。


先にボスを倒せば、後はどうとでもなる、と言うことだろうか?

先の五人は進路上にいたから、排除したのか?


そんな事を考えいると、私達の前に、ダグラの居る天幕が見えてきた。


そこには、十人近い人が見える。


その奥から、ダグラとドッチさんの声が聞こえる。


まだ、生きてる!


私達が天幕に着くとそこには、二メートルを超える大男がいた!


こいつが、襲撃者のボスか?


私は、この時、少しだけ、いや、かなり怖かった。


誰にだって、ボスじゃないよ?



レティが怖かった!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ