・プロトコル1:内面は死んでいるが、外面は生きている
こんにちは、親愛なる読者の皆さん。お元気ですか? 僕はShawdonと申します。皆さんが元気でいてくれることを願っています。
えっと、何と言えばいいかな……。僕はブラジルの作家なんですが、ブラジルでは自分の作品を誰も読んでくれないんじゃないかと感じてしまって、こうしてこちらで運試しをしてみることにしたんです(笑)。誰か一人でも読んでくれたらいいな……。まあ、人生ってそんなものですよね。
この作品は丸二年かけて作りました。これから毎日更新していく予定です。皆さんに気に入ってもらえたら嬉しいです!
誤字脱字があったらごめんなさい……。今はちょっと頼りない翻訳ツールを使っているので……。
西暦980年、世界革命後。惑星カプレル。
三十年前から、北大陸と東大陸はどんな停戦の試みも無視する、破滅的な紛争に囚われている。権力闘争から始まったこの戦いは、終わりのない最大級の衝突へと変わり、戦争犯罪が常態化していた。
その混沌の中で、破壊の跡は家族の壊滅と、謎の失踪を遂げた子供たちの軍団によって測られる。
この世界に……あなたは何を期待するだろうか? 幻想と冒険の世界か? それともおとぎ話か? いや、もっと言えば完璧な恋愛物語か?
時として、現実はあまりにも強く締め付ける。人はまるで深い穴の中にいるようで、人生の闇から逃れる唯一の方法は、自分で喜びを作り出すことだけだ。彼は人生が自然に幸せで美しいから笑うのではない。彼はすでに底の底にいるから笑うのだ。それでも、誰もこの男の頭の中で何が起こっているのか理解できないだろう。それでも彼は、人生に向かって微笑む……
だから、私はあなたを招待しよう。苦しみに運命づけられた男の物語を。彼はそれでも、決して人生に微笑むことを拒まなかった。
戦争の最盛期、北の大軍は単に領土を征服するために進軍していたわけではなかった。
わずか十歳のケイルは、自分の服の本来の色をもう覚えていなかった。彼にとって世界は灰色だけで構成されていた――崩れ落ちる家々の灰と、立ち上がれなくなった者たちの肌の灰。
彼は、空に響く笛の音が、死があと三秒で降ってくる合図だと学んだ子供だった。彼の生存はただ一つのルールに依存していた――目立たないこと。
その午後、国境の村々から上がる煙は息をするのも難しいほど濃かった。ケイルは、北の砲撃魔導師たちに待ち伏せされた東の補給部隊の残骸を這い回っていた。生きるために、食料と物資が必要だった。
倒れた兵士の死体を漁っていると、乾いた枝が折れる音が彼を凍りつかせた。常時トラウマで研ぎ澄まされた感覚が、気配を捉えた。
「お願い……撃たないで……」
ひっくり返った荷車の下から、震える声が響いた。
ケイルは言葉で答えなかった。彼はナイフ代わりに使っている鋭い金属片を抜き、冷徹に近づいた。
瓦礫の下に、恐怖で見開かれた二組の目があった。自分より年下の二人の少年が、一人の少女にしがみついていた。彼女がそのグループで一番年上らしい。
「君たちは誰だ?」
ケイルの声は嗄れていて、数ヶ月間会話に使われていなかった。
「お願い、殺さないで!」
少女は自分の体で他の二人を守りながら叫んだ。
「殺したりしない」
ケイルは首を傾げて言った。
「そこから出ろ。この場所はすぐにまた爆撃される。北の斥候が死体を確認しに戻ってきたら、魔導師たちが攻撃を仕掛けて全部吹き飛ばすぞ」
少女はためらった。
「どうして私たちを助けてくれるの?」
少年が、冷たさで紫になった唇を震わせながら、勇気を振り絞って聞いた。
ケイルは兵士の死体を漁るのをやめ、カビの生えた硬いパンを一つ投げてやった。
「助けてるんじゃない。ただ出ろと言ってるだけだ。ここにいたら死ぬぞ」
ケイルが去ろうと背を向けると、小さな手が彼のボロボロのコートの端を掴んだ。少年は何も言わず、ただケイルを見つめた。その瞳には、彼がもうこの地上から消え去ったと思っていた希望が宿っていた。
ケイルは、錆びた短剣を震える手で握る少女を見た。
「……生きていたいなら、俺の跡を付けろ。でもその前に……名前は?」
「私はアナ」
少女が素早く答えた。「こっちはヴィクトルとマテウス」
「わかった……」
ケイルは振り返らずに歩き始めた。
彼らは何時間も歩いた。夜になると、破壊された教会の地下室に身を寄せた。天井はなくなっていて、星明かりが彼らの上に降り注いでいた。
アナはマテウスの足の傷を手当てし、ヴィクトルは木片を持って階段で見張りをしていた。ケイルは一番暗い隅に座り、彼らを観察した。長い間、初めて彼は一人ではなかった。
「ねえ、お兄ちゃん……」
アナが小さな声で呼んだ。「あなたはどこから来たの?」
ケイルは自分の手に付いた灰を見つめ、それから地平線を見た。
「……わからない」
彼は答えた。
戦争はまだ始まったばかりだった。そしてケイルにとって、生き続けるための戦いは、どんな戦場よりも過酷なものになるだろう。
夜明けとともに、彼らはもう少し歩いた。すべてが静かだった……静かすぎた。
「ここにいろ。俺が十分以内に戻らなかったら、谷底へ逃げて後ろを振り返るな」
ケイルは冷たい声で命じた。
アナが彼の腕を掴んだ。栄養失調で落ちくぼんだ目と、脆くなった肌。
「ねえ、ケイル……何をするつもり?」
「今日食べられなかったら、マテウスは今夜を越せない」
ケイルは優しくその手を離した。「ヴィクトル、彼女たちを頼む」
ヴィクトルは頷き、石で研いだ鉄筋を握りしめた。彼はまだ小さかったが、肩はすでに逞しくなっていた。もはやただの子供ではなかった。彼は墓地の見張りだった。
ケイルは雪の斜面を滑るように降り、道の端まで近づいた。すべてが静かだった……静かすぎた。
「ケイル!」
ヴィクトルが叫んだが、何かがもっと速かった。
異形の獣が、巨大な狼の体躯を持ちながら、四肢が異様に長く、毛のない皮膚を露わにして崖から飛び出した。瞳は白く濁った球体で瞳孔がなく、顎は腐った歯と戦場から捻じ曲がった鉄が絡みついた塊だった。その獣は肩でケイルを弾き飛ばし、乾いた木の幹に叩きつけた。衝撃で肺から空気が全て追い出され、血を吐いた。
獣は子供たちの方を向き、金属を引っ掻くような唸りを上げた。アンナ、ヴィクトル、マテウスを、容易い獲物としか見ていなかった。
「くそっ……痛ぇ!」
ケイルはぼやけた視界で立ち上がり、吼えた。
ケイルは走って獣の背中に飛び乗り、即席の刃を首に深く突き刺した。獣は甲高い悲鳴を上げ、激しく回転して彼を振り落とそうとした。道の岩に体をぶつけ、少年の体を石に押し潰した。肋骨が軋む痛みに耐えながらも、ケイルは離さなかった。
獣はようやくケイルを地面に叩きつけ、爪を彼の脚に深く突き刺して雪に縫い止めた。痛みが激しすぎて視界が真っ白になった。獣は少年の顔の上に大口を開け、酸性の唾液を額に滴らせた。
(俺は……死ねない……)
ケイルの手が獣の顎を押さえていた瞬間、途方もない力が湧き上がった。獣のような咆哮を上げて顎を無理やり押し上げ、骨が砕ける恐ろしい音を聞いた。それでも止めなかった。自分でも知らなかった殺戮の本能に突き動かされ、指を獣の肉に食い込ませた。かつての捕食者は恐怖に後退ろうとしたが、ケイルは離さなかった。折れたナイフで何度も何度も突き刺し、獣がただの肉塊となって雪の上に動かなくなるまで続けた。
道に再び静寂が戻った。ケイルの荒い息遣いだけが響く。手の黒い霧は現れたのと同じく速く消え、彼を弱々しく震えさせた。アンナが泣きながら駆け寄り、自分の服を裂いて彼の脚の出血を止めようとした。ヴィクトルは獣の残骸を見てからケイルを交互に見つめ、安堵と恐怖が入り混じった表情を浮かべた。
「ケイル、あれは何だったんだ?」
ヴィクトルの声は震えていた。「お前の手……何をしたんだ?」
ケイルは自分の手を、未だ震えるそれを見つめた。黒い血と土に汚れていたが、まるで子供のものではないように感じられた。
「……わからない」
彼は囁き、マテウスがヴィクトルの後ろに隠れて怯えているのを見た。
その日、ケイルは自分の中に何かおかしいものがいることを悟った。
「行くぞ」
ケイルは苦痛に顔を歪め、アンナに支えられながら立ち上がった。
下り坂は苦痛の試練だった。ケイルは残りの力を使って丘を下り、アンナがすぐ後ろを続き、顔は寒さで青白く、ヴィクトルが後方を警戒しながら痕跡を消した。しばらくして、彼らは自分たちと同じような人々が集まる場所を見つけた。
「ここだ……」
ケイルは地面に崩れ落ち、息を切らした。「アビスに着いた……」
アンナは素早く場所を整え始めた。石で火の輪を作り、乾いた毛布を広げた。数週間ぶりに、冬の苛烈な風を感じずに済んだ。マテウスがぬるま湯を飲み、ヴィクトルが乾いた小枝で小さな焚き火を起こそうとする中、ケイルは洞窟の入り口に立ち、上を見上げた。巨大な崖の壁の間に、遠く細い暗い青の空の線が見えるだけだった。
「ケイル」
アンナが清潔な布を持って近づき、脚の包帯を替えながら言った。「また私たちを助けてくれたね。でも……そんなに無理しちゃダメだよ……」
ケイルは自分の手を見つめた。アビスの完全な暗闇の中で、小さな黒い煙の糸がそこから立ち上るのが見えた。
「俺の中から何かが叫んでる気がするんだ、アンナ」
彼は小さな声で、年下の者たちに聞こえないように告白した。「どうしたらいいかわからない……」
アンナは彼の手を握った。ケイルを驚かせたことに、彼女は引かなかった。
「あなたの中から何が出てこようと、ケイル、あなたは私たちの兄貴だよ。このアビスが一緒にいられる唯一の場所なら、ここを私たちの家にしよう」
六年が経った……
二つの大国間の戦争はまだ続いていたが、ようやく均衡が見え始めていた。
「待て、あのガキを捕まえろ!」
少年が路地を全力で駆け、影に身を潜めた。
「どこへ行ったんですか?」
衛兵が商人へ尋ねた。
「路地に逃げたぞ! またあのケイルという泥棒ガキだ!」
「そのクソ野郎を捕まえろ!」
衛兵が叫んだ。
ケイルは振り返らなかった。胸に布の包みを強く押し当てた。中にはいつもの商人から盗んだ三つのパンと二つの潰れたリンゴが入っていた。角を曲がりながら滑り、街の下層と「アビス」を隔てるフェンスの穴に身を投げた。アビス――絶え間ない戦争からの難民たちが身を寄せる場所だった。
ケイルは息を切らしながら足を緩めた。額の汗を拭い、ねじ曲がった金属の塊を「家」と呼ぶ場所に着く前に立ち止まった。深く息を吸い、乱れた髪を整え、顔の筋肉を無理やり動かした。
(ショーの時間だ)
そう思って微笑んだ。笑顔が顔いっぱいに広がる。ケイルは再び歩き出したが、路地の住人が彼を呼び止めた。
「お兄ちゃん……パンを一切れくれないかい?」
老婆が震える手を差し伸べた。
ケイルはただ微笑んで、丸ごと一つパンを取り、老婆に渡した。
「もちろん! 結局みんな同じだろ!」
彼は老婆を後にして歩き続け、古い小屋に着いた。ドアを開けると、ドアは床に倒れた。
「ただいま、家族!」
ケイルは笑顔で叫んだ。「また食料を持ってきたぞ!! アナ? ヴィクトル? マテウス? どこだ? またかくれんぼしてるのか?」
小屋の中は暗く、穴だらけの天井から差し込む光の筋だけが照らしていた。
「ここよ、ケイル! 大声出さないで、子供たちが寝てるの」
女性の小さな声がした。影からアナが現れた。湿った布を取って近づき、ケイルの顔を拭き始めた。
「また盗んだの、ケイル?」
「わかってくれて嬉しいよ、アナ」
ケイルは声を落とし、即席の箱テーブルに包みを置いた。「選択肢がないんだ……でも約束するよ。いつかみんなが幸せになって、盗まなくても済むようにするからな! いい?」
彼は笑った。
「わかった……じゃあキノコのスープ作るね」
「美味しそう!!」
彼は小屋の隅を見た。ヴィクトルとマテウスが古いぼろきれにくるまって寝ていた。ケイルは胸が締め付けられるのを感じた。
「ねえ、アナ!」
彼は彼女の方を向いた。
「なあに、兄貴?」
「俺たちが出会った時のこと、覚えてるか? 二年前、お前たちをゴミを漁ってる時に見つけたんだ。栄養失調で、自分の影にすら怯えてた。あの時、ろくに食い物もなくて親も知らない俺にとって、お前たちは最高の贈り物だった」
「私たちにとっても!」
アナは微笑んで答えた。
突然、隅で急な動きがあり、双子が目を覚ました。
「ケイル! ケイル! 帰ってきた!」
ヴィクトルが目をこすりながら飛び起きた。
「今日は何を持ってきてくれたの、お兄ちゃん?」
マテウスがお腹を鳴らしながら聞いた。
「よお、ヴィクトル、マテウス。よく寝れたか、ガキども?」
ケイルは二人の髪をくしゃくしゃにしながら笑った。
「ちょっと待って、二人とも! お兄ちゃんに息継がせてあげて」
アナがたしなめたが、パンを分けながら微笑んでいた。
その光景は温かかった。居心地が良かった。一瞬、外のゴミ溜めなど存在しなかった。アンナがテーブルに料理を並べ始めた。
「ご飯できたよ!!」
アナが幸せそうに笑って言った。
「やったああああ!!」
ケイルと子供たちが笑顔で叫んだ。
みんな楽しく食べ、話し、冗談を言い合った。食事が終わった後、ケイルは外の空気を吸いに外に出た。アビスに夜が訪れ、空はいつものように汚染された雲に覆われ、星を隠していた。
彼は小屋の角を曲がって立ち止まった。古いタイヤの上に座ったシルエットが、灰色の煙を夜空に吐き出していた。
「また吸ってるのか、アナ?」
ケイルの声は重かった。
少女はびっくりして煙草を落としそうになり、咳き込みながら隠そうとした。
「ケイル……その……」
「知ってるだろ、君にはまだ早いんだ」
ケイルは近づき、彼女の手から煙草を取って踏み潰した。
「私たちほとんど同じ歳でしょ!!」
アナは彼を見て叫んだ。
「関係ない。お前はまだ十二歳だ。絶対にこのクソをやめるって約束したよな」
アナは膝を抱えて縮こまった。
「誓うよ、お兄ちゃん……」
彼女の声は震え、苦痛に満ちていた。「この惨めな生活から抜け出せたら……絶対にやめる。でも今は……震えが止まるのはこれだけなの」
ケイルはため息をついた。怒りと悲しみが込み上げた。彼は知っていた。彼女を見つける前、アナは「娯楽用物質」の実験台にされていた。中毒は選択ではなく、脳に残った傷跡だった。
「本当にどうしようもないな、お前は」
ケイルは隣に座り、横から彼女を抱き寄せた。「俺たちがここから抜け出すよ、小さな妹。約束する。本物の飯を食べて、落ち着くためにこんなものいらない日が来る」
「信じてる、ケイル」
彼女は囁き、彼の肩に頭を預けた。
「もう寝ようか?」
ケイルは笑顔で聞いた。
「ねえケイル、変だよね!」
アナが彼を見て言った。
「んんん……なんでそう思うんだ?」
「いや……もういい。寝よ?」
「うん……」
ケイルは彼女を理解できない様子で見つめた。
夜が更けた。小屋の中、四人は一つの藁のマットレスに寄り添って寝ていた。体温だけが唯一の毛布だった。アンナはケイルのシャツの袖を握り、男の子たちは彼の脚を枕にしていた。
(平和だ……)
半分眠りながらケイルは思った。(みんな一緒にいられる限り、何でも耐えられる)
……だが、戦争の世界で、平和など最後に考えるべきものだった。
甲高いズンという音が空を切り裂き、爆発が地面を揺るがした。小屋の亜鉛屋根は紙のように吹き飛ばされた。
「何が起こってるんだよっ!!」
ケイルは埃と瓦礫の雨の中で目を覚まし、叫んだ。
「兄貴!」
ヴィクトルの叫びは、外から響く金属のブーツの音にかき消された。
ケイルは立ち上がろうとしたが、耳が鳴っていた。ゴミ捨て場は炎に包まれていた。壊れた壁の向こうに、北帝国の旗が見えた。
「ふざけるな……北帝国が西に何しに来てるんだよ!?」
技術鎧を着た兵士たちがアビスを進軍し、全てを焼き払っていた。
「立て! 行くぞ、今すぐ!」
ケイルはマテウスの腕を掴み、アナを押しやった。
「ケイル、何が起きてるの!?」
アナが恐怖に震えて聞いた。
「今は説明してる暇がない!!」
彼らは小屋からよろけながら出て、濃い煙の中で咳き込んだ。人々が必死に逃げ惑っていた。
「逃げろ! 北帝国が来たぞ!!」
人々が叫びながら走る。
「アビスのゴミ虫どもを全員捕らえろ!!」
兵士が群衆を指差して命じた。
「生存者検知!」
機械的な声が響いた。
「早くここから出るぞ!」
ケイルは少年たちを掴んで走り出した。
すると巨大な機械が彼らの前に飛び出し、三人の兵士が道を塞いだ。一人が青く輝く槍を構えていた。
「敵検知!! 殺害許可!!」
機械が言った。
「ネズミどもを殺せ!! 全員殺せ!! ただ一人だけ生かしておけ!!」
兵士が残虐に笑った。
「逃げろ!!」
ケイルが叫んだ。
彼は前に出て、瘦せた体を盾にしようとした。しかし彼は英雄などではなかった。エネルギーの一撃が胸を貫いた。
「ケイールゥゥゥゥゥゥ!!!」
アナが絶叫した。
兵士の一人がただ蹴りを入れた。ケイルは吹き飛び、廃品の山に背中を打ちつけた。痛みが彼を麻痺させ、肺から空気を全て奪った。
「ケイル!」
アナが叫び、助けようと振り返った。
それは致命的な間違いだった。
槍を持った兵士が素早く動いた。光の弧が空を切った。地面に倒れたケイルは、涙と埃でぼやけた視界の中で世界がスローモーションになるのを見た。アンナが真っ二つにされるのを。彼女の目は最後まで彼を見つめ、心配そうだった。
「アナァァァァ!!」
絶望の叫びが喉を引き裂いた。
ヴィクトルとマテウスはショックで凍りつき、姉の血を浴びた。叫ぶ時間すらなかった。二番目の兵士が大剣を振り上げ、水平の一撃。双子の頭が落ちた。
「美味いな!」
兵士は剣を舌で舐めながら言った。小さな体が泥に倒れた。
「いや……いや……いや……」
ケイルは這おうとしたが、足が動かなかった。心が砕けた。
その後の静寂は爆発より残酷だった。炎が広がり、数分前まで自分に寄り添って寝ていた体を飲み込んだ。アンナの約束、ヴィクトルとマテウスの笑顔……全て消えた。最初から存在しなかったかのように。
リーダー兵士がケイルに歩み寄り、髪を掴んで顔を上げさせた。
「見ろ」
冷たい声で言った。「生きようとするゴミに起こることだ」
ケイルは見た。涙でいっぱいだった目が、今は二つの空虚な深淵になっていた。
(神よ……)
ケイルは思った。それは祈りではなかった。告発だった。(存在するなら……なぜ俺なんだ?)
兵士たちは彼を handcuffし、燃える家族の遺体から引きずり離した。ケイルは闇へと連れ去られたが、本当の闇はもう彼の中にあった。
「ケ……イル……」
炎の中から弱々しい声がした。
「兄貴……生き延びろ……戦え……長く生きろ……俺は先に行くよ!」
それはアナの声だった。ケイルは振り返った。
「アナァァァァァァァァァ!!!」
「兄貴……笑って……俺たちの分まで幸せになって。いい??」
アナは最期の瞬間、火に焼かれながら言った。煙草の箱がケイルの顔に飛んできた。
「このクソを他の連中と一緒に捨てろ!」
兵士が楽しそうに笑って命じた。
彼らはケイルを囚人満載の荷車に投げ込んだ。世界が吐き気を催すほど回転し、体が腐った木材にぶつかった。動く荷車の隙間から、アビスが遠ざかるのが見えた。炎がゴミの山を照らし、三つの小さな動かない影を浮かび上がらせていた。
(なぜ? なぜあいつらなんだ?)
ケイルの心が叫んだ。(もっと上手く守れたはず……俺があそこにいるべきだった。あいつらじゃない。絶対にあいつらじゃない)
涙が流れ、煤で覆われた顔に白い筋を作った。胸が血を流していた。周囲には十数人の壊れた魂が詰め込まれていた。恐怖の臭いが煙より強かった。灰色の髪の女性が自分の体を抱きしめ、虚ろな目で独り言を呟いていた。
「強い者だけが勝つ……私たちはただのゴミよ。ゴミ……」
「俺は復讐する!!」
ケイルの叫びが喉を引き裂いた。「アナァァァァァァァァ!!」
護衛の兵士たちは笑った。しかし一人、顔に醜い傷跡のある男が馬から降りた。苛立ちを浮かべて荷車に近づき、剣を振り上げた。
「黙れ、ネズミ!」
格子を叩きながら言った。
ケイルは彼を見て唸った。
「来いよ、クソ野郎」
衛兵はただ笑って再び馬に乗った。奴隷の隊列が泥道に消えていく中、雨に打たれる燃えるアビスはまだ忙しかった。部隊の指揮官が残骸の中を捜索していた。
「指揮官!」
兵士が剣の血をズボンで拭きながら近づいた。「良いニュースです。東部ゾーンはクリア。周辺地域の大部分を制圧しました」
指揮官は微笑み、雨が髪を伝う。
「完璧だ。ジョーカーは満足するだろう」
彼はゴミの山を軽蔑して見た。「この領土でさらに多くのネクサスを採掘できる。弱者どもはこれしか役に立たない——死んで進化のためのスペースを空けることだ」
彼は笑ったが、その笑い声は喉で止まった。夜の闇が紫に染まり、水にインクが広がるように空に広がった。雲が自然の法則を破り、巨大な渦を形成した。
「指揮官……」
兵士の声が震え、青ざめた顔で上を向いた。「あれを見て……空に!」
指揮官が顔を上げた。空が金色と紫のエネルギーで回転していた。
「あ? 空に?……くそ、なんだこのクソ——」
指揮官が言葉を終える前に、膨大なエネルギーが空から降り注いだ。
破壊のエネルギーは半径25kmの全兵士を襲った。反応する時間すらなかった。肉と骨は蒸発し、雨に混ざった。巨大な煙が上がり、地面に巨大なクレーターを開けた。地面がガラス化したクレーターの中心から、一つの人影が浮かんで降りてきた。
黒い装束と影でできたマントを纏っていた。人影は音もなく地面に着いた。
「ちくしょう……」
低い声が言った。「間に合わなかったか」
彼は周りを見回した。残っていたのは灰だけだった。足元で、指揮官の焼けた頭蓋骨がまだ紫のエネルギーで輝いていた。人影はそれを踏みつけた。
「お前たちはこれに値する」
冷たく言った。「触れてはならないものに手を出したから。痛みを撒き散らしながら、その代償を理解しなかったから」
彼は振り返り、泥だらけの手をマントで拭い、視線を地平線に固定した。雨はまだ降り続けていた……
「間に合わなくてすまない」
彼は風に向かって言った。「しかし、俺が直す。どんな手段を使ってでも。現実そのものを壊すことになっても」
夜を盲目にする光の閃光とともに、人影は消えた。ゴミ捨て場に静寂だけを残して。
皆さん、楽しい読書を!おやすみなさい。




