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嫌われようと努力したのに、今日も攻略対象に追いかけられています。  作者: 限界まで足掻いた人生/大場 雷怒


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127話 秩序の再構築と愛の探求

クロード王子と私は、セバスチャンの亡骸を丁重に王宮へ送った後、フレイア王国の応接室に戻っていた。運命の壁は完成したが、その不完全さゆえに、世界は新たな危機に瀕していた。


「セバスチャンの最後の言葉が鍵だ。『アザトースの論理の最優先事項を、逆手に取る』」


クロード王子は、冷静に状況を分析していた。彼は、セバスチャンの犠牲を無駄にしないため、感情を排し、アザトースの思考回路を予測する必要があった。


「アザトースの最優先事項は、秩序の回復、つまり予測可能な状態への収束だ。彼が壁の抜け穴を使うなら、それは最も効率的に世界の不安定要素を排除できる手段だろう」


私が不安を口にした。


「世界の不安定要素といえば、ミサキとレオンハルト殿下よ。彼らは、今、どこにいるのでしょう…」


氷結山脈の探求

同じ頃、氷結山脈の祭壇跡。


ミサキは、レオンハルト殿下の激しい痛みを共有しながら、必死にこの肉体が持つ時の力を制御しようとしていた。彼女の心は、ユナへの嫉妬から、レオンハルト殿下を救いたいという贖罪の念へと変わりつつあった。


「どうすればいいの…!この痛みを止めるには…」


ミサキは、本物のリリアーナの肉体に刻まれた時の記録を読み解くうちに、驚愕の真実にたどり着いた。


「この力は…時の導き手の治癒の記録!でも、この体は魂が抜けているから、治癒はできない…。代わりに、この痛みを、別の器に移すことはできる…!」


彼女が着目したのは、祭壇の脇に放置されていた、かつてノエマ(新たな零号)がいたポッドの残骸だ。ノエマの肉体は既にノエマに利用されていたが、そのポッドには、**「生命の器」**としての初期設計データが残っている。


「レオンハルト殿下…ごめんなさい。この痛みを、私が別の場所に引き受けるわ!」


ミサキは、レオンハルト殿下の体をポッドの残骸へと近づけ、彼女の肉体とポッドの設計データ、そしてレオンハルト殿下の痛みを時の力で結びつけた。


ミサキが持つ時の力は、生命の痛みを、物質的な器へと転送し始めた。それは、レオンハルト殿下の身体の治癒を促す、極めて非合理的な治療法だった。


カミの最終手段

カミの領域(時の境界)では、アザトースが千鶴を振り切り、運命の壁の抜け穴に近づいていた。


「千鶴、君の混沌は、私の秩序の計算には及ばない。クロードが最も大切にする『運命の根幹』、すなわち、『過去を救ったという歴史の修正』を排除する。それが、世界の秩序を最も効率的に回復させる手段だ」


アザトースは、クロード王子が過去を書き換えた**「運命の原点」**、すなわち、幼いクロード王子の幸福な過去を標的に定めた。その歴史を消去すれば、クロード王子の存在意義そのものが崩壊する。


「黙れ、知神!わてが、その論理的な終焉を、究極の混沌で迎えてやる!」


千鶴は、アザトースの論理の裏をかくため、最後の力を振り絞り、アザトースの進む抜け穴の先に、予期せぬノイズを仕掛け始めた。


クロード王子は、アザトースが歴史の改変を狙っていることに気づき、セバスチャンの最後の言葉を思い出した。


「運命の根幹が狙われる…!俺たちが、この世界で最も守らなければならないのは、『過去の救済』という、揺るぎない歴史だ!」

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