23 ブカスト王国の砂漠化を防げ 21 準備
楽しい物語になるよう心がけています。
どうぞ最後までお付き合いください!!
ブカスト王国の砂漠地帯。その下に本物の王龍の神殿がある。
王龍夫婦は共に異世界人から、この大陸を守る戦いで力を使い果たし、長き眠りについてしまった。しかも、本拠地ではなく、遠く離れた場所で・・・。
「―――侵入者か・・・」
遠くでゴーゴーと強い風が吹いている音がする。王龍シスは瞼を持ち上げて、状況を確認しに行かねばと思いつつ、まどろみに引き戻されてしまう。
ここは氷河地帯のとある場所。
怪しげな宗教団体が占拠した王龍の神殿とは別の場所だ。まどろみから中々抜け出せない王龍シスは昔、何処からか現れたアレックスという青年と一緒にこの大陸を侵略しにきた異世界人を倒した。その時に力を使い果たし、アレックスの力を借りて、魔力の強い土地で眠りについたのである。
「目覚めなければ・・・」
数回の緩い覚醒を経て、シスは次第に本格的な目覚めへ近づいて行く。
♢♢♢♢♢♢♢
ノード王国で地震が発生した。
震源は王都で津波の恐れはなし。元々地震の少ない国のため、家屋の倒壊が多数発生し、国王は非常事態宣言を出した。
そして、その一報はすぐにソベルナ王国へ。
♢♢♢♢♢♢♢
マクスとキャロルはブカスト王国の砂漠地帯へ向かうため、旅装を整えに王太子宮へ一度、戻ることにした。
「キャロル、神殿は動き易い格好で行こう。確か、乗馬服も用意していたはず・・・」
マクスはキャロルのクローゼットルームに入って、彼女用のシャツ、ベスト、スラックスと編み上げブーツを抱えて出て来た。
「マクス・・・」
「ほら、着替えるだろう。後ろを向いてくれ。ドレスの紐を解くから」
「マクス?」
「ああ、髪はどうする? 三つ編みでいいか?」
マクスはテキパキとドレスの後ろを開き、キャロルにシャツを着せてボタンを留める。次はパニエを下におろし、スラックスを片足ずつ、足に通していく。
脱いだドレスは皺にならないよう、専用のハンガーにかけ、壁際のフックに掛けた。
「よし、髪を結うから、ここに座れ」
もう、注意する気も失せたキャロルは彼の指示に従って、ソファーへ腰掛ける。
「編み込むか、もしくは一つに結んで、それを三つ編みにするのはどっちがいい?」
「――――編み込みで」
「了解」
マクスは手慣れた手つきで髪の毛を梳いて整え、ヘアクリームを少し手に取って髪へ揉み込んだ。そして、髪を編み込んでいく。
(テキパキ、テキパキ、迷いが無いわね~。マクス・・・、あなたは王太子ということを忘れてない? 確かに侍女たちを今から呼び出すより早いし、上手だけど・・・)
「出来たぞ。少し待っていてくれ。おれも着替えてくる」
「うん」
マクスはクローゼットルームに走って行った。キャロルは立ち上がって鏡のある所に移動する。
(はぁ!?)
キャロルは驚愕した。鏡に映った自分の姿を見て・・・。
(完璧過ぎる・・・)
服のチョイスも素敵だったが、一番驚いたのはキレイなブルーのリボンも髪と一緒に編み込まれていたこと。
「あの短時間で良く出来たわね~」
(完璧主義と言われていることは知っていたけど、こうやって体感するとちょっと怖いわ)
「キャロル! お待たせ! さあ、行こうか」
着替えを済ませてマクスが戻って来た。キャロルは左手の薬指に魔力を込める。
―――宙から、ピピが現れた。相変わらず、フワフワしていて可愛い。
「キャロル、王太子、準備出来ましたか? ミーはいつでも大丈夫です」
「私達も大丈夫よ」
「ああ、行こう。王龍の神殿へ」
マクスの掛け声と同時に三人の姿は王太子宮から消えた。
♢♢♢♢♢♢♢
マクスたちの出発後、ノード王国で地震が発生したという情報がソベルナ王国の王宮に届く。
国王はすぐに緊急支援部を開設し、ノード王国との国境付近に出掛けていた第三騎士団を支援隊として派遣することにした。
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