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第三章 ~ドツボに嵌った・Ⅲ~

 × × × ×

 十月二十七日 (木) 十八時三十分~二十二時〇〇分

 さて、神官イリス捕獲の続き。

 ①’武器を複数持ち替え戦う。強化パーツ付け替え。

  内容:前回の失敗を踏まえて、武器を見直す。一旦ダンジョンを出てアイテム補充後、両手剣はそのまま、片手剣の強化パーツを一つ、外す。細かく削る為に。イリスはHPが二百未満になると全回復してくるそうだから、二百ギリギリくらいで止められる様に。攻撃回数が、片手剣で一回分増えるけど、そこは『連撃』で何とかなるでしょ、多分。

  結果:何とかなりませんでした。

     最後の『連撃』、二撃目でスカって結局逃走するハメに。

  反省点:器用さを上げる。

      『連撃』を使いこなすには器用さ。とりあえず四百くらい?まぁ、それほどかからないな。

 ②器用さを上げる。

  内容:『連撃』を確実に当てられるよう、器用さを四百以上鍛える。

  結果:卑怯者!

     戦闘に入ったとたん、黒い霧の影響で、物理防御力が二倍になった。戦闘プラン台無し!HPもちょこちょこ回復してくるし、もうダメ、逃走!

  反省点:やっぱりHP、そして敏捷さ。

      HPを倍にして、敏捷さも強化して、連続行動出来る様に。『連撃』の強化も必要?ああ、防具用の強化パーツプリーズ!

 ③HP上限値、敏捷さを強化。

  内容:一時間以上かけ敏捷さに七百近く注ぎ込み、稼いだゴールドでまたドーピング。九千分のHP上限値をプラス。うーん、倍とはいかなかったけど、とりあえずこれで様子を見よう。

  結果:ダメでした。

     連続行動出来ず。HPを削っても回復され、物理防御力を上げられ、ダメージを食らい、と長期戦になっただけ。それでも少し攻撃を回避出来る様になってきているのは、目に見える成果。

  反省点:敏捷さ、器用さアップをもっと。

      敏捷さをあと最低七百、二千百くらいまでもっていってどうか、器用さも余裕があれば。

 ④敏捷さ、器用さを強化する。

  内容:とにかく、相手に何もさせないくらいのつもりで、最低二回は連続行動したい。たとえイリスが防御力を上げようとHPを回復しようと、連撃で上手に削ったあと即座に封印!といきたい。一時間以上かけ、器用さを千三百近く、敏捷さを二千以上に。

  結果:どこまで卑怯なんだ!

     二回連続行動が可能になり、これで!と意気込んだのも束の間、パラメタ弱化魔法でMP上限値を半分以上に下げられた!『連撃』が使用不可能に!おまけにHPまで!これでHP回復や物理防御力上昇まで使ってこられたら堪らないよ、逃走!

  反省点:とりあえずHP、MPの強化。

      ドーピング!

あー、疲れた。今日はもう終り!

 ● ● ● ●

 「ムチャクチャだ、こいつ…」

頭を抱えてしまった猛に。

「おやおや、何かお困りですかな?」

老人の様な口ぶりで話し掛けてくる秀人に、少しイラッ、とする。

「イリスが反則過ぎるぞ!」

「じゃ、ヒントをあげようか?」

「もちろん!」

「それじゃ、ヒントその一。イリスがパラメタ弱化してくるのはHP、MPの上限値だけ」

「へぇ、それに?」

「うん、ヒントその二。攻撃魔法は使用者の知力と魔法のレベル、それらとターゲットの魔法防御力を比較するけど、パラメタ弱化魔法は、両者の知力を比較するんだ。魔法の効き方の違い、とでも言うのかな。弱化の場合、両者の知力に開きがあれば、それだけ弱められる割合が増える、っていう事」

「じゃあ、最悪パラメタが十分の一とかになるの!?」

「いや、最大六割まで、っていう事にしてる」

「…要するに、全パラメタをバランスよく上げろ、って事?」

「まぁね。この世界じゃ只の筋肉バカは生き残れない、ってところ」

「ふぅ、了解。『お試し一号』も、もう少し賢くするよ」

傍らのデイパックを引き寄せながら、猛は呟く様に言ったのであった。


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