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第三章 ~ドツボに嵌った・Ⅳ~

 × × × ×

 十月二十八日 (金) 十八時三十分~二十二時〇〇分

 唐突、かつ今更だけど(いや、決して忘れてた訳じゃないんだけど)、魔法について、ちょっと説明。

新世界に現存する魔法には、大別して三種類の系統がある。

・地水火風の四大元素による攻撃、防御を中心とする魔法、略して四大元素魔法。

・古世界では普通に使用されていただろう召喚魔法。

・神官が使用する様な回復、パラメタ強化、弱化などの生命魔法。

 四大元素魔法は、魔術師が専門とするもので、自然界の物理現象に作用する。例えば、火系攻撃魔法は、燃焼という物理現象を、それに関わる物質を使わずに魔力というものから直接生じさせる。一旦発生してしまえば、現象は特定の消滅条件に達するまで持続する。例えば、ターゲットに命中するまで、とか。

 召喚魔法に関しては、余りよく判っていない。大天使も殆ど語らなかったという。ただ、神々が使用していたもので、下手に使用されれば新世界を混乱させかねない為、それに対する情報や遺跡などは大天使教団が一括管理している。ギルドの腕輪やダンジョンの離脱魔法、ダンジョン内で『お試し一号』を跳ばした転移魔法などは、その一部技術を応用したものと言われている。

 生命魔法に関しては、生命に作用する魔法、という事になる。まぁ、生命というもの自体がよく判っていなくて、一応大天使より力を借りている魔法、という事になっている。

 上記見てきた様に、四大元素魔法と生命魔法では、仕組みがかなり違う。システム上は、前者にはレベルが存在する。レベル一~三で、知力に一~三を掛けた値が威力となる。攻撃ならこれからターゲットの魔法防御力を引いた分がダメージ。防御なら同系統の攻撃魔法に対してのみ魔法防御力に加算してダメージを低減させる。最低一ダメージ。風系防御魔法の場合、矢の様な投擲武器に対して命中率を下げ、またダメージをレベルに応じて八割、六割、四割と低減させる効果も持つ。地系防御魔法の場合、剣や棍棒の様な直接打撃武器に対して、風系と同様のダメージ低減効果を持つ。防御魔法を使用している間、レベルに応じたMPが行動毎に減算され、〇以下になったら切れる。さて、次は生命魔法について。生命魔法は色々なパターンがある。HP回復や状態異常回復は、決まったHP量や特定の状態異常を回復する。パラメタ強化は教練場で覚える事によって、パラメタを最大一.五倍まで一時的に強化出来る。問題は、パラメタ弱化。これは知力比べ。掛ける側と掛けられる側の知力の差によって、最低一割~六割まで特定のパラメタ値を一時的に低下させられる。HP上限値などの場合、当然だけどその間どんなに回復薬を使おうと、低下させられた値までしか回復しない。だから、この種類の魔法に対抗する方法は二つ。一つは、知力を上げまくる。もう一つは、低下させられても支障がない程各種パラメタ値を上げまくる。

 さて、長々と説明してきたけど、ここまでの事はエドマンドの屋敷に行って、彼に話し掛ければ教えてくれる。まぁ、それは良いとして。話は今直面してる凶悪神官の捕獲の事になるけど。とりあえずはゴールド溜めも兼ねてEP稼ぎ。全然手を付けてなかった知力を、とりあえず五百程上げよう。そしたらダンジョンを出てHP、MPを強化。ついでに一つ、魔法でも覚えてみようか。モンスターによって弱点の元素があって、三割くらいダメージが増える。人型の場合、特にそういうのはないらしい。

 セーブポイントから、廃坑へと戻りながらEPを稼ぐ。パラメタ値が上がっているから、二連続行動くらいは当たり前、攻撃もまず外さない。ただ倒す、だけなら簡単なのになぁ。一時間も経たずに目標EPを稼ぎ、廃坑に戻る。スタルトの道具屋でHP、MPの強化薬を購入。殆ど全財産を叩いてHP上限値を三万七千、MP上限値を八百くらいまで上げた。ええと、魔法はまた今度。

 一人、ダンジョンに戻る。セーブポイントまで一直線。そこまで稼いだEPは器用さ、敏捷さへ。セーブして再々々(だっけ?)チャレンジ。長期戦も覚悟のうえ。まぁ、何とかなるでしょ。

 まぁ、何とかなった、かな?長期戦になったけど、連続行動と『連撃』で削り易くなったし、攻撃も当らなくなってきた。パラメタ弱化でHP、MPを下げられても強化したお陰で余り気にならない。下がる割合も四割くらいになったし。連続行動出来る様になったお陰で、HPを二百近くまで削った直後に封印完了!あぁー、長かったぁ!倒さなかったからEPもゴールドも無し。あの金属片も持ってない。やっぱりラスボスじゃないんだ。バッドエンドと同じくクイルとステラが入ってきた。『お試し一号』が黒い霧に取り憑かれた神官を封印したというと、クイルは、それは殊勝な事です、エドマンド氏に預け、黒い霧の研究を手伝って貰いましょう、と言ってきた。ぶっちゃけ実験体でしょ?それはともかく。ステラが別れた後の事を話してくれた。とりあえず奥へ進む事に決めた二人は、やがて幾つもの死体を見かけた。どうやら討伐隊より先に潜入した盗賊団らしい。不幸にもモンスターにやられたのだろう、と。不用意に入り込むからこういう事になるのだと、クイルが批判的な事を言う。ついでに、不注意に転移魔法を起動させた『お試し一号』についてもくどくどとお説教を始めた。いや、あれイベントだから、俺のせいじゃないから、と思っていると、ステラが宥めてくれ、お説教は終わった。有難う、素敵なお姉様!まぁ、それはともかく。イベント終了後、セーブし一旦ダンジョンを出た。強化パーツを付け替える為に。

 ステラの離脱魔法でダンジョンを出ると、トライに戻った。武器屋で全ての強化パーツを最強の両手剣に付け替えた。さすがに二回連続であんなボスは出てこないよね?ついでに道具屋に寄ってみる。何と、『封印瓶』が売られていた。さすがに本数はそれほど多くないし、かなり高価だけど。必要なアイテムを購入後、エドマンドの屋敷に立ち寄る。イベントでイリスを封印した『封印瓶』を渡すと、よく連れて来たと褒められ、『封印瓶』を更に二本、くれた。これで手持ちは三本。一度使ってみようか、必須イベントじゃないモンスター相手に。

 ダンジョンに入る。最初はイベントで跳ばされ行けなかった、その先へ。戦闘をこなしつつ曲がりくねった通路を行く。意外と近いと思える程、あの石碑のある空間に辿り着いた。石碑の横を通り、反対側の扉へ。ようやく、この先へ進める!感無量、という感じで扉を開けた…ええと、今までと変わらない地下墓地が続く。ま、そりゃそうだよねー。曲がりくねり、ちょこちょこ脇道のある(全て行き止まり)横穴を進み、またセーブポイントのある、先程より広い空間に。向こう側には広い階段があるけど、途中で崩れて上がれそうにない。セーブし、空間に進入する。

 少し進むと、巨大な象が現れた。消費EP五万、HP二万九千、例によって黒い霧の影響で鼻に刀状の物が付いている。牙も同様。かなりヤバそうなルックスだけど、お手並み拝見。さて、戦闘開始。

 いやいや、幾ら何でも、っていうくらい呆気なかった。イリスに手こずった、怪我の功名ってもの?三回連続行動が可能だったから、三回連続で『連撃』をお見舞いしただけ。何もさせずに終わった。今更六百ぽっちのEPを貰っても、ねぇ?ま、有り難く器用さと敏捷さ、五感に割り振らせて頂きましたけど。四つ目の金属片をゲット。帰りの魔法陣が現れた。それを使ってトライに戻る。ギルドに顔を出すと、討伐隊の報酬として六千ゴールド貰った。これにて第四のダンジョンクリア。イヤー、本当に疲れた。

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