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第五章 ~最難関に当った・Ⅳ~

 十二月二十五日 (日) 十一時〇〇分~十三時〇〇分

 前回の予告通り、カティア達強化のため第五のダンジョンに戻る。と、その前に。防具を新調しよう。ヘキサの防具屋で、盗賊と魔術師にとって最上級の金属鎧と革鎧を購入(かなり値が張るけど、ゴールドはたっぷりある)。強化パーツを付け替え装備すると、物防、魔防ともこれまでの数倍になった。さぁ、ダンジョンにGO!

 もはや脅威と呼べる程の存在は居ないピット砦地下通路。ひたすら『お試し一号』は待機。アレックスがレベルの低い全体攻撃魔法でモンスター達を適当に弱らせつつ、カティアが『アイテムスティール』でアイテムを入手。複数回連続行動も可能だし、アイテム入手も捗る。一時間ちょっとで五十万EP余り。一週間前からすれば格段のスピードアップ。強化パーツも武器用二つ、防具用一つ。とにかくこの調子で行こう。

 ルイース地下通路も同様に順調。一時間かからず五十万余りEPを稼ぐ。強化パーツも合計で武器用三つ、防具用三つ。獲得EPは、五感(七百万余り)に。消費EP九千八百十万余り。セーブポイントで一旦セーブ。昼休み後も同様にカティア達を強化。強化パーツも幾つか分配しよう。


 十二月二十五日 (日) 十四時〇〇分~十九時〇〇分

 カティア達の強化を続行。アレックスの知力が強化されて、全体攻撃魔法レベル一でも、モンスター達が全滅しかねないので単体に切り替える。『アイテムスティール』を試したモンスター達を一体ずつ倒してゆく。それでも連続行動が可能となってるから早い!一時間足らずで六十万EP余り稼ぐ。強化パーツも合計で武器用四つ、防具用五つ。トライに戻る。

 武器屋で強化パーツを加工、装着。四倍が四つ。うち二つに『物理攻撃力十パーセントアップ』のアビリティ付き。これで基本攻撃力の三割分のボーナスが付く(六十二万九千百四十五)。七千九百六十九万千七百七十六+六十二万九千百四十五=八千三十二万九百二十一。体力と合わせて九千四百万近い物理攻撃力。命中すれば、これが全てダメージになる(『防御貫通』アビリティ付きだから)。体力ももう少し強化して一億超過を目指そう。

 防具屋で強化パーツを加工。四倍が五つ。アビリティ無し。カティア達に一つずつ、装着させる。残る三つを装着。物防四百九十八万七百三十六+一万三千百七=四百九十九万三千八百四十三、魔防百二十四万五千百八十四+三千二百七十六=百二十四万八千四百六十。獲得EPは五感(七百六十万余り)に。消費EP九千八百七十万余り。第六のダンジョンに戻ろう。

 第一層で強化を続行。グッ、と難易度が上がって、カティア達じゃモンスターは倒しきれない。適当な所で『お試し一号』の出番。一時間足らずで四百六十万余りEPを稼いだ。体力(千五百七十万余り)、五感(一千万余り)に。消費EP一億三百三十万余り。片手半剣での物理攻撃力は九千六百万オーバー。とりあえず充分かな?第五層まで一気に行こう。

 四十分程で第五層に辿り着くまでに千五百七十万余りEPを稼いだ。体力(千七百七十万余り)、知力(千二百万余り)、器用さ(二千七百万余り)、敏捷さ(二千七百万余り)、五感(千二百万余り)、HP上限値(二千三百九十万余り)に。消費EP一億千九百万余り。モンスターはドラゴン系。物理攻撃の他、地水火風それぞれの魔法扱いの攻撃。龍のウォータージェットみたいのとか、物理攻撃だと思うけど。消費EP一億八千万~二億二千万、HP一億六千万~一億九千万。獲得EP百万~百三十万、一戦闘当たり一~二体で、平均百七十万EP余り稼げる。四十分余りで中ボスの部屋に踏み込むまで、千八百六十万余りEPを稼いだ。中ボスは火竜。消費EP五億、HP四億六千万。角とか、火炎みたいにウネウネと枝分かれして。さて、戦闘開始。

 まぁまぁ、ってところ?『連撃』一発、で終りだったけど。クリティカルも出たし、強いとは思えない。獲得EP三百万余り。合計二千百六十万余りを体力(二千百万余り)、知力(千五百万余り)、器用さ(三千二百万余り)、敏捷さ(三千二百万余り)、五感(千四百二十万余り)、HP上限値(二千七百万余り)に。消費EP一億四千六十万余り。二つのスイッチをオンにして、更に五十分足らずでフロアの探索終了。二千四百八十万余りEPを稼いだ。体力(二千五百万余り)、知力(千八百万余り)、器用さ(三千七百万余り)、敏捷さ(三千七百万余り)、五感(千九百万余り)、HP上限値(三千万余り)に。消費EP一億六千五百四十万余りに。片手半剣でのダメージは一億越え。ここまでで四時間余り。第六層に進もう。

 第六層もドラゴン系。第五層の色違いにマイナーチェンジ。ザコで消費EP二億五千万~三億、HP二億一千万~二億四千万。獲得EP百五十万~百八十万、一戦闘当たり一~二体で、平均二百五十万EP余り稼げる。まぁ、『お試し一号』の敵じゃない。三回は連続行動が可能だし、『連撃』使うだけであっ、という間に戦闘終了。更には気前よくアイテムドロップする。その中には強化パーツもあって。防具用の八倍強化、『風系防御魔法自動発動』のアビリティ付き。これは弓矢や投擲ナイフの様な投擲武器、風系攻撃魔法等に対して防御魔法を自動的に発動するもので、本来防御魔法の使えない職業には、涙が出てくる程有り難いアビリティ。MPは消費するけど。さて、四十分ちょっとで三千三百六十万余りEPを稼いだ。体力(三千二百万余り)、知力(二千万余り)、器用さ(四千五百万余り)、敏捷さ(四千五百万余り)、五感(二千二百万余り)、HP上限値(三千五百万余り)、MP上限値(百三十七万余り)に。消費EP一億九千九百万余り。さて、ここからどうするか?もちろん攻略を急いでも良いけど、もし今の状態でもゲームオーバーになる様なモンスターに出くわしたら、せっかくの強化パーツが勿体ない!こんなの、二度と手に入らないかも知れないんだし。という訳で、離脱!

 ヘキサの防具屋に一直線。強化パーツの加工、装着。二倍のを一個外し、アレックスのに装着する。『お試し一号』の金属鎧は物防五百七十六万七千百六十八+一万三千百七=五百七十八万二百七十五。魔防百四十四万千七百九十二+三千二百七十六=百四十四万五千六十八。アイテムの整理。さて、第六のダンジョン攻略も大詰め。次回で終了する事を祈る!

 ● ● ● ●

 「ふぅー、長かったぁー!」

大きく伸びをしながら、猛は言葉を吐き出した。思い返せば、二週間もこのダンジョンに足止めされていたのである。

「まぁ、この調子なら一時間かからずクリア出来るかな。まぁ、次のダンジョンでは今のままなら時間は掛からないし、仕事納めには間に合うよ」

「ふぅん?で、次のダンジョンで最後だよね?いつ上がるの?」

「もう出来ているよ。データの最終チェックが終われば、後は組み込んで明日からでも始められるから」

能勢が作業を進めつつ説明した。

「ま、そんな訳だから、今日はこれくらいにしといたら?」

「まぁ、そうするけど…」

気色が悪い程優しげな声音の秀人に違和感を覚えながらも、猛は立ち上がったのであったが。

「あのっ!」

名波が立ち上がった。ン?とばかりに猛が視線を向ける。

「はい?」

「私も、もうお仕事終りなので……一緒に、帰りませんかっ!?」

一時躊躇したかと思えば、やたら勢い込んで訊ねてくる名波に少々鼻白みながらも、カクカクと猛は頷いた。

「それは、良いですけど?」

「そうですか!それじゃ、お先に失礼します!」

足元のトートバッグを掴むと周囲に頭を下げ、足早に猛に近付いてくる。

「じゃあ、お先に」

猛も頭を下げ、扉の前で待つ名波の後に従った。

 建物を出、間もなく名波が提案してきた。

「その、まだちょっと早いですよね?少し喫茶店でお話ししませんか?」

とうに日は暮れ、街の明りが闇に浮かび上がる状態ではあるが、確かにいつもよりは遥かに早い。

「え、お仕事の話ですか?」

「…それも、ありますか、ね?」

視線を外し気味に、可愛く微笑んでみせる。

「それじゃあ」

二人は、才人と猛が話をした喫茶店へと足を向けたのであった。

 ブレンドコーヒーを注文し、話を切り出したのは猛であった。

「もう、デザインの方は終りなんですか?」

「修正とか無い限りは。まぁ、最後まで付き合う事になりますけど」

「そうですか。まぁ、納会までにはこっちも終わりそうで良かったです」

笑い合う。しかし、会話が続かず、徐々に、熱が冷める様に口角が下がってゆく。思えば、猛は加上姉妹の事を何も知らないのであった。

「…その、姉妹揃って同じ会社、っていうのは珍しいんですかね?」

「あの、私が姉に誘われたんです。私、美術系の専門学校を出たんですけど、なかなか就職とか、厳しくて…燻ってる時に、転職した姉が、こういう仕事があるから、って」

「梨名さん、転職してここに?」

そういえば、忘年会でその様な話が出ていたな、と改めて思い出す。

「はい。結構大きな出版系の会社に就職したんですけど、人間関係が上手くいかなかったらしくて。それで、サークル活動で親しくしていた社長に相談したら、来ないか、っていう話だったそうです。余り悩まなかったみたいですよ」

「そうだったんですか」

「何か、社長以外、みんな上手くいってないですよね?」

寂しげな微笑み。猛も苦笑しつつ同意せざるを得ない。小石等で歩き辛い山道を歩いている様が想像された。暫しの沈黙。コーヒーが運ばれてきた。

「…でも、そうでなかったら、こうして会えなかったし…」

小さく呟く名波。

「はい?」

「えっ?ああ、いえ、何も…その、ちょっと古くなりますけど。同窓会で喧嘩になった時、秀人さんを庇ったって聞きました」

「ああ、あれですか。別に、深く考えてた訳じゃなくて」

「咄嗟にそういう事が出来るのが凄いんです!暴力で対抗するんじゃなくて、冷静に警察を呼ぶなんて怖いくらいです!」

何か異様に興奮している名波。猛はどうにもむず痒い思いを覚えた。

「お褒めに与り光栄です」

ペコリ、と頭を下げ、冗談めかして話を打ち切ろうとする。効果は覿面であった。

「あ、そういうつもりじゃ、なくて…とにかく、私が言いたいのは、猛さんに好感を持ってる、って事で」

「有難う。嬉しいよ」

猛が微笑んでみせると、耳まで真っ赤になり名波は俯いてしまう。と、唐突に冷めかけたコーヒーをブラックで一気に呷り、渋そうな表情をする。

「さ、もう帰りましょうか!」

トートバッグと伝票を手に、立ち上がる名波に。

「あ、ちょっと。俺が払いますから!」

猛もコーヒーをブラックで呷り、デイパックを取り上げたのであった。


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