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【8月8日発売】悪役令嬢なんてもうちょい若い子に任せたい  作者: そらいろさとり
高等部 一年生編

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愛情表現って難しい。



クロモリは現れるといつもの様にポテっと顎を膝に乗せてくる。可愛い…けど、あら?今回は珍しく人型ね。

前にお父様に言われた様に、執事服を着ているけど、やはり似合うわ!うちの子1番!!


いい子いい子すれば、気持ちよさそうに目を細める。なんて可愛いのかしら!


「お疲れ様。大変だったわね?また呼び出してごめんなさい?」


そう言うとソファに登って隣に座り、ほっぺを舐めてくる。あらまぁ、豹でも人でもやっぱりクロモリはクロモリね!


少し恥ずかしいけどほんわかしてたら、猫でも掴む様にロイさんがクロモリを引き離した。


「ユーリ。やりすぎだと言っただろう」


何故か少しお怒りみたい。

…そうだわ!!


「クロモリ!耳!」


ピョコンと出た!!可愛い!!

愛でたくて飛びつこうとすれば、ロイさんに遠くにやられる。


「わたくしのクロモリですわ。御返しになって下さいませ?」


「そうかも知れんが、ユーリは俺の婚約者だろう」


「そうかも知れませんが、耳も見ましたでしょう?クロモリはわたくしの子ですわ」


「…子っではないだろう!そして耳はどうでもいい!」


言い争って居れば、アベイルさんが眼鏡をズラしてロイさんの手元のクロモリを見ている。

「本当ですね…確かにこの人…クロモリ…くん?ですね。ユリエルさんとほぼ同じ魔力が見えます」


「まぁ!わかって頂けますの!?流石はアベイルさんですわ!…もうっ、ロイさん?模擬戦は終わりましたのよ?わたくしにクロモリを御返しになって下さいませ!」


執事服はそれでなくとも首元が詰まっているのに、引っ張ってたら可哀想…だけど、服も魔力の一部なら平気なのかしら。本人?本豹?も気にしてないみたいだし。


そんな事を考えてたら、クロモリが首を捻りながら喉元を触りだした。やはり苦しいのかと、ロイさんに返して!と改めて伝えようとした時、聞き覚えのない声が聞こえてきた。



「…りゅ…りゅ……ゆりゅ…りゅりえりゅ………エリュー…?」


不思議そうに首を捻りながら、練習するように声を出すクロモリ。

ロイさんも驚いて手を離したわ。


「クロモリ…あなた…あなたが喋ってるのね?」


「…エリュー?」


「ユリエルよ」


「りゅりえりゅー」


「発音が難しいのね!クロモリの呼びやすい様に呼べばいいわ!」


「エリュー…?」


わたしの足元にお座りして、褒めてと言わんばかりに名前を呼んで目を細めるクロモリ。


「えぇ!!わたくしは今日からエリューよ!!お喋りしたのね!!賢いわ!!!うちのクロモリは天才よ!!!」


目線を合わせて座って頭を撫でて頬を撫で、褒めて褒めて褒めまくる。うちの子天才!



「お茶が入りました。…あら?こちらがクロモリの人型ですか。話しは聞いておりましたが、人型になってもお嬢様の色合いによく似ておりますね。クロモリ様はお茶はお飲みになりますか?…わかりました。ではもう一つカップをお持ちしますね」


クロモリが頷くと、アナは追加のカップを取りに行ってくれた。


「セルリア家の者は何故ああも状況の飲み込みが早いのだ」


ソファに座り眉間を抑えてるロイさん。


「だってクロモリはクロモリですもの?」

ナデナデ。いい子いい子。

「はぁ…俺もこのイレギュラーな対応に慣れないといけないな…」


そう言いながら、わたしの頬を舐めようとするクロモリを剥がす。


まだ生まれて数日の子とのベビーコミニュケーションなのに。


「えりゅ…エリュー…」


「まぁ!クロモリ?なぁに?」


「エリュー すき」


「まぁぁぁ!!ありがとうクロモリ!!わたくしも大好きですわぁぁ!!」


抱きつこうとするが、またしてもロイさんに阻まれる。


「クロモリ ロイ イヤ」


ロイさんの顔がビキっと音でも立てそうな勢いで引きつった。

「まぁ、困りましたわ?それにしても沢山言葉を覚えてますのね!でも嫌とか、そういう事を言うと、相手にも同じ様に思われてしまいますわ?まずは相手を知ることからはじめてみない?」


「ヤダ」


「あらぁ〜第一次反抗期かしら?困ったわね…」


頬に手を当て悩んでいると、アナが改めてお茶を出してわたしの後ろに下がった。


「皆様折角ですもの。一先ず温かいうちにお茶頂きましょうか?」


そう促し、わたしも飲もうとすれば、


「お嬢様、クロモリ様もお飲みになったら、一度魔力にお戻し下さい。大切な話が進みませんし、それにクロモリ様からお嬢様への愛情表現はわかりますが、人型で頬を舐めるのは、他の人から見ればただの成人の男女でしかございませんので、ロイ様の仰るとおりお控え下さいませ。それにまず召喚獣は普通人型になりませんし、当然喋ることもございません。お嬢様は小さな子とのコミュニケーションくらいのつもりかも知れませんが、続ける様なら誘拐以上の悪評を御覚悟の上おこない下さいませ」


「…ごめんなさい。考えが至りませんでした」


ロイさんにアベイルさんもめちゃ頷いてる。気付いて無かったのはわたしだけの様だわ。


「えっと…黒豹の姿なら?」


「百歩譲ればそのくらいなら問題無いかと」


黒豹でもそんなに譲らなきゃいけないのね…


はぁ…ミラさんのキャロットちゃんなら抱っこ出来るのに、クロモリ相手なら抱っこされても抱っこは出来ないわねぇ。


大型獣のコミュニケーションは難しいわ。


本日更にハロウィン話をまた夕方あたりに更新します!



出来るといいな!!

設定間違えてドタバタしてるけど、なんとかなりそうな予感…!!


ブクマ、⭐︎評価、感想、誤字報告、いつもありがとうございます!!

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⭐︎書籍情報です⭐︎
こちらの作品が書籍化致します!

仁藤先生の美麗な表紙が目印の、2025年8月発売
『悪役令嬢なんてもうちょい若い子に任せたい』

仁藤先生の素敵な挿絵が入ってます!
どうかご自宅にお迎えいただけると嬉しいです!
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タイトルまたは「そらいろさとり」で検索ご利用下さいませm(_ _)m
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