閑話 その存在が意味するもの
閑話なので、かなり短い話になっています(苦笑)
閑話 その存在が意味するもの
「ねえ智流?
永遠な想いがこの世に存在すると君は思うかい?」
秀司の急な問いに智流は頚を傾げる。
一瞬、何を問われたのか解らないと言う智流に秀司は、くすりと笑った。
「秀司…?」
「ああ、済まない。
智流はもし誰かを好きになったら、一生その女性を愛するタイプかな…?」
「愛するって、おい!
俺はま、まだ誰も好きになった事がないからそういう感情は解らない。
だけど。
だけど、もし本気で好きになったらその娘しか目に入らないと思う。
彼女に俺の気持ちを精一杯伝えたいから…。」
秀司の問いに。言葉を詰まられ困惑しながらも正直に自分の気持ちを伝える智流に、秀司は淡く微笑んだ。
「ははは、智流らしいね。
…。
僕はね、智流…。
彼女達に初めて会った時、何故僕がこの世に生を受けたのか、その意味を悟ったんだ。
僕はね、ずっと求めていた。
「彼女」を…」
そう呟き遠い目で空を見つめる秀司の瞳は何処迄も美しく…。
その美しさに魂が奪われるのではないかと智流は自分の胸に手を当てた。
それ程秀司の微笑みは美しかった。
この世のものでは無い程、気高く、そして静謐な迄に…。
「なあ、秀司。
その「彼女」って、一体誰なんだ?」
一間置き自分に問いかける智流に秀司はゆっくりと目を閉じる。
「それは…」
「秀司…?」
ふと、秀司の口から嘆息が漏れる。
「いずれ解るよ…」
「…」
「…愛している。だから僕は、「僕」として生まれたんだ…」
秀司の唇が誰かの名を呟く。
微かに呟いた言葉を聞き取る事が出来なかったが、この時の秀司の顔を俺は一生、忘れる事は無いだろう…。
何時か知る事になる「六家ガールズ」の本当の意味。
そこに潜む愛と言う名の「狂気」。
知った時、俺は秀司を今迄の様に見つめる事が出来るだろうか…?
そして秀司と彼女達の愛を直視する事が出来るのだろうか…。
「ねえ、君は僕を愛している…?
生まれ変わっても君を求めて止まない僕を、君は今度こそ愛してくれるかい…?」
残り3人の「六家ガールズ」の話になりますが…。
朱美の話になるとちょっと、いや、かなり複雑な気持ちになります…(苦笑)