112話 魔玉槍の運用
「こ、琴音、その、これはたぶん、、、とんでもないものだ」
「その、アンスにとって、、、」
「うん。私もそう思う」
「でも、安心して?」
「私の護身用だから、、、それに、これなら次郎の事もきっと守ってあげられる、、、筈」
「私はね、次郎は別に恩寵士なんかならなくったって良いと思ってるの」
「でも、、、きっと、次郎は優しいから」
「私を助けてくれた時みたいに困ってる人を放ってはおけない、そんな人だから、、、」
「だから、、、その」
護身用、、、それに俺を守るって、、、
武器屋のクロスボウは確かにそうなんだろうけど
俺を守るって、、、やっぱりアレか?
くそっ情けない。
あの時、どれだけ琴音を心配させたのか、今更ながら自分に嫌気が差す
「そ、そっか、、、」
「だから、次郎に守られてばかりじゃいられないから、頑張ったんだよ!」
しかしだ、琴音、、、は、、、凄いな、、、本当に
アンスの言葉ももう習得したと言って良いレベルだし、その上こんな武器まで
俺たちが、転移してからせいぜい2ヶ月だぞ?
「こ、琴音ってその、、、東大とかなのか?」
「東大?あははっ、そんな訳ないよ」
「地元の国立だよー」
地元の国立、、、あーあそこか
いや、普通に難関だろ、、、
でも、きっとそれ以上に必死だったんだろうな。
琴音は俺とは違ってリアスが居ない
言葉もわからない、魔物から身を守る術もない
だから、、、
うん。
「凄いな琴音。偉いぞ!」
「うん!えへへっ」
「のう、コトネ殿、見事であった」
「して、、、あれはどうやって作るのじゃ?」
そう、レオグランハーク皇帝が切り出した
これは、、、やっぱり不味いのか?
レオグランハーク皇帝はドがつくほどの権力者だしな、、、
さっきの魔玉槍を、、、その戦争に、、、とか?
「私がご説明差し上げてもよろしいですか?陛下」
イーシキハイか。
「琴音いいのか?」
「え?なにが?」
「その、、、」
「大丈夫なんじゃないかな?」
「だって、あれが街に一つでもあればいざって時の対策にもなるし」
あーまあ。それはそうだな。
うん。俺は軍事転用前提だったな。
そう、魔玉槍は言わば消火器のようなもんだ
恩寵士という、消防車が来るまでの。
「うむ。良かろう」
「先ほどの魔玉槍に必要なのは主に、魔玉、酸、石灰岩と、それを入れる為の容器です」
「今はまだ実験段階ですので、金属製の容器を使用していますが、おそらく丈夫な皮等で代用可能でしょう。」
「ふむ。」
「そして、魔玉槍を各街に配置しておけば、、、」
「恩寵士が到着するまでの被害を抑えられる可能性があるな」
「その通りでございます。」
流石、レオグランハーク皇帝だな。
そういう事だ。
「じゃが、、、使用した魔玉は回収できるのか?」
「、、、使いきりでございます」
あーそうなの?一発限りか
要するに小規模な手榴弾みたいなもんか
「ふむ、、、」
レオグランハーク皇帝は目を閉じてしばらく逡巡しーー
「あいわかった。」
とだけ返した。
んー?どう受け取ったんだろう
そして、今まで黙っていたミリアが
「民を魔物と戦わせるおつもりですか?」
そう、切り出した。
うん。それはそう。
武器である以上、使用者が必要だし
危険度は逃げるよりも遥かに上だろう
使用者の訓練と、練度なんかも必要になるだろうし
「その通りでございます。ミリア様」
イーシキハイは淡々と答える
「それは、、、なりません!」
「危険すぎます」
「魔物が現れた時点で危険なのです。」
「そ、それは。」
まぁ、そうだな。
魔物がいつ、どこに現れるのかわからない以上
常に危険と隣り合わせではあるんだし
んーーー?
災害現場の2次救助みたいなものか
助かった人が、他の被災者を助けようとして、
そのせいで、怪我をしたり遭難して、余計に被害が出てしまうと
これは、、、難しいな。
イーシキハイの民を助けたい気持ちも
ミリアの民に逃げて欲しい気持ちもどっちもわかるしな
平行線だろうな
リアスはどう思う?
魔玉槍の事。
『さあな、、、だが』
『あれをどうやって引き起こしているのかは我もよくわからぬ、だが、何が起こったのかはわかる』
あーそれでなるほどと。
で?
『あれは、言わば存在力の解放だな』
『魔玉に込められた存在力を一瞬で解放して引き起こす現象だ』
んー意味がわからん
『貴様はコトネと違って頭が悪いな』
へーへーすいやせんね、、、
『要するに、、、我も知っているという事だ』
あー昔はできたみたいな
『そうだ』
大概化け物だよなリアスって
『フンッ』




