刀を振り遊び、龍の守護霊を睨む、緒乃葉。
「付与型の守護霊…珍しい能力をお持ちですね?」
「肉体を保護する効果は、付与型の、典型的な能力だ」
「能力を教えてくださるほどの余裕があると…舐められたものですね!」
余裕を見せる龍に、刀を振り投げる。
近づいて来る刀を、腕を前に構え、じっと待つ、龍。
「燐!」
タイミングを計り、横へ振り払った龍の腕が、刀を弾き飛ばす。
飛ばされた刀は、宙で動きを止め、再び、龍に襲いかかる。
守護霊の鎧を、手の甲に纏い、正面から、刀の殴り飛ばす。
しかし、突き出した拳に、振りかざされた刀が、めり込んだ。
「…違う」
指にめり込んだ刃を、逆の手で、握り止める。
「これは…守護霊の刀では無いな?」
「ええ、本物ですよ。秘刀?って、言うんでしたかね!」
掴まれた刀を、手の中で暴れさせる。
動き出した刀に驚き、握り折ろうと、拳に力を籠めた。
「・・・折れない?」
「本物の刀にしては、強度が高い…付与の能力⁈」
「はぁ、騙せていたのに…知られたからには、消さないといけませんね」
「爾也!」
差し出した手の平に、刀の鞘が現れる。
「鞘の守護霊?珍しいな…」
「刃は、皮膚を焼き、柄は、筋肉を増強させる」
刀を鞘に戻し、また、刀を抜く。
緒乃葉の手から落ちた鞘が、姿を消す。
「?」
「能力が気になるのでしたら、切られてみては?」
刀を構え、龍に向かって、走り出す。
「接近戦を挑むか…面白い!」
近づく緒乃葉に、鎧を解き、殴りかかる。
「貴方も、馬鹿のタイプでしたか…」
突然、地面を蹴り飛んだ緒乃葉が、間合いを詰める。
構えた拳を、慌てて振り下ろす、龍。
しかし、加速した緒乃葉の体には、間に合わない。
下から振り上げられた刃が、龍の皮膚を切り裂いた。
「なるほど。何となく、理解した…」
傷を負いながらも、強引に柄を掴み、緒乃葉を引き寄せ、蹴りを撃つ。
ドーン!
龍の蹴りを、片腕で防いだが、衝撃に耐え切れず、吹き飛ばされてしまう。
「・・・どうして、傷が無いのかしら?」
「悪餓は、人間の体に影響を及ぼす」
「だが、上手く扱えば、人知を超えた力を手に入れられる!」
胸に付いた火傷の傷が、消えてゆく。
「人間を超た我々が、新たな世界を創造する…」