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ルカリスティア公爵夫妻が去り、部屋にはアルフォンスとレーツェル、テオとエルゼの4人になった。
私とエルゼでカップやお皿などを片付け始めた。テオも手伝ってくれたのでそんなに時間はかからなかった。
この離れは元々しばらく使われていなかったのもあり、専属のメイドはいない。私が拾われて住み始めてからも必要最低限の人数でまわしてきた。
2年前に公爵領から戻ってきた際も、防犯面は大丈夫だからいらない、と専属の警備はいないし、私だけなので身の回りの世話兼護衛はエルゼだけで事足りるし、洗濯や掃除も2人で今までやってきた。
料理人が2人交代で来てくれているだけで、別段困ったことはなかった。
「ねぇ、レーツェルとエルゼ、ここっていくつ部屋空いてる?」
唐突にアルフォンスが質問してきた。
「部屋ですか?このリビングと私が使わせていただいてる部屋とエルゼの部屋以外は使ってはないので5部屋くらいはあるかと」
答えながらエルゼの方を見る。
「そうですね、客室というと5つですね」
一応簡単にではあるが毎日掃除はしているので少し時間をいただければ整えられますが、とエルゼが答えてくれる。
2人で何か?と言う顔をしているとテオが溜息をつきながら
「主が転がり込む気なら、もう1人か2人増やさないとダメだと思いますよ、お2人の負担をこれ以上増やしたらいけませんよ」
そうだよなーと顎に手をあてて何かを考えてるアルフォンス。
はい?今なんと?転がり込むとか?そう言えば陛下も何か言ってたような…?
目が点になっていたであろう私に向かって
「婚約発表終わったらここに住んでいいよね?」
本当は今日からでもいいくらいだけど、と眩しいくらいの笑顔で言われた。
「?え?」
「だって陛下のお許しも出たし。レーツェルが私の宮くるより、私が転がり込んだ方がいいでしょ?」
いやいやいやいやいや、待って待って!
転がり込む?え?それって、えっと、一緒にここに住むってこと?え?そこまで話一気に進むものなんですか?世間一般そんなものなんですか?
何も言えずに固まってると
「え、だって婚約したんならもう誰にも文句言わせないし、本当はすぐにでも結婚式してもいいくらいだけど、レーツェルのドレスは妥協したくないからちょっと日数かかるだろうし」
そこまで話いつ進んだんですか?結婚式?ドレス?え?ちょっと待って、頭がついていかない……。
エルゼの顔が目に入る。
「……レーツェル様、もうアルフォンス殿下を止めるのは無理ですよ。というより今までよく持ったと思います」
隣でテオも、同意って顔で頷いてます……。
「レーツェルにもOKもらったし、兄上や父上達からもOK出たんだ。もう遠慮なく」
やらせてもらうよ、と微笑みが眩しいです……。
「そうですね、アルフォンス殿下がこちらへとなるとやはりもう1人ほど欲しいとは思いますが、普通の方じゃ難しいとは思いますよ」
エルゼが言うとアルフォンスも
「そうだよね、ちょっと特殊だからね、ここ」
まあちょっと誰かいないか探してみるよ、と軽い感じなんですが……特殊?特殊って何?
「だってまず警備置かないから自分の身は自分で守れる事が必須でしょ?レーツェルやエルゼ並に動ける子じゃないと」
主になるレーツェルに守ってもらう侍女なんておかしいでしょ?と。
……まあ確かに、そうなりますね。
「あと王族並の竜王に仕えるってことだからそれなりの身元とか?礼儀作法とかもかな?」
まあ急がずに探そうかね、とりあえず一ヶ月後の夜会を無事に終わらしてからだな、と。
「夜会のドレスはもうすぐ仕上がるらしいから楽しみにしててね」
髪形どうしようかね〜と黒髪をいじられる。
「……おまかせします」
私に選択権はない。
じゃあ明日公爵領に一緒に行こうね、朝迎えにくるから、今からがんばって仕事終わらせてくるよ、と一房掴んでいた黒髪に口づけして、テオと共に王宮に戻っていった。
エルゼも片付けをと言ってリビングを出ていく。
1人になりソファに腰掛け、膝に手を置き、目を瞑り深呼吸をする。精神を研ぎ澄ます。
昨日の朝までとは一変した自分の人生にまだついていけてないところは色々あるが、一つ一つ受け入れていくしかない。
不安がないと言えば嘘になるが、言葉に出せるものでもないし、自分でなんとかするしかない。
大丈夫、大丈夫だと心に言い聞かせて目を開け、立ち上がり、頰をパチンと叩き動き出す。
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