俺の名は?
新生児の時間経過は何かと大事なことなので色々と調べて調整しています。
数日過ごして気がついた、父様がまだ戻って来ない――。
母様やリリからも父様の話題も聞こえない本当に父様はいるんだろうか? って思えるほど、まあここにいない人の会話することは稀なのかもしれないけど、それにしても遅過ぎる……領都で護衛任務だっけ、誰の護衛なんだろうか気になってきた。
俺と母様は今日もまったり日当たりの良い寝室でまったり休息中だ。
朝方から目を覚まして寝ては起て(オシメと排泄表現は割愛)を繰り返したとき突然、玄関先の方から何か音がしてきた。
「ぶぅー、ひひーーん」
と馬? なの……不思議な動物の鳴き声が聞こえて来た。
領都に行っていた父様が村に戻って来た? ――納屋の方から何か音が聞こえる馬を納屋につないでいるんだろうか、しばらくするとガシャガシャと何かが擦れている音が聞こえてきた。
玄関ドアがいきなり開く音が聞こえたかと思うと、居間を足早に抜けてくる音が段々と大きくなって近づき、俺の居る部屋にノックもせずに慌てて入ってきた!。
(ついに父様の登場だぁー)――
俺のこれからの人生に必要な要素を確認するための、大事な出会いだ! この世界初めての男性、第一号だ!
(イケメン要素じゃないですよ、生活環境のことですよ)
突然、部屋に入ってきた男は軽鎧っぽい着た年齢は20代後半で金髪細身のイケメン、着ているものからして絶対に騎士様だ!
(イケメン、キター。将来は俺もイケメン決定やー)
「ミレーヌ、よくやった! 男の子だそうだな!」
母様はベッドから立ち上がりちょっと残念そうな表情で一度俺を見て、一呼吸置いて騎士様に言葉をかけ始めた。
「お兄様、ありがとうございます」
(えっ、お、お兄様ですかさっきの俺の気持ちを返して下さい――)
「こちらには何故に?」
「ちょうど、我も領都で用事があってな数日後に来る予定はしてたんだが、子供が生まれたと偶然いやわせたアルにあってな駆けつけたわけだ」
(異世界最初の男性が父様でないのが残念だ。ああー残念な父様だ)
「では、あの人は?」
(俺もそう思います――母様)
「アルとは道中一緒で村の入り口までは一緒だったんだがな、領都での報告があるとのことで代官の所に行ったぞ」
「そうですか……」
「子供が生まれたんだからあと良いんではないかと我は言ったんだがな」
「そうですか、でも報告を後回しには出来ませんからねあの人は、お兄様と違いますからね」
と母様は笑いながらイケメン騎士の叔父様に話しかけていた、アルとは俺の父様のことだろう名前はアルバート・バンフリート、この国の騎士様で貴族だ。
「まあすぐ戻ってくるだろうー」
と残念そうな母様を見てイケメン騎士の叔父様は優しく微笑みながら言った。
神様は俺の両親のことだけに優秀な探偵を雇い"身体検査"をしてくれたらしい――政治家扱いですか! この世界に探偵はいませんよ……あとでわかりますが監視者達が調べてくれました。
目の前にいる母様が言うお兄様というと、ウェールズ男爵領の次期当主で残念ながら騎士様ではありませんでした。
さすがに容姿は母様と同じ家系の兄様でイケメンです、ついでに姉様妹様もいます。
母様はウェールズ男爵領の次女で幼少の頃からその容姿と魔法の才で「西方の奇跡」と呼ばれていたそうで、西方の奇跡って素晴らしい経歴ですね母様……ただ残念、俺的には母様は建国千年に一人の奇跡って感じで千年様って感じ……あ、建国千年経ってませんでしたね。
長くなりましたが話しを戻します。
「アルの奴、名前を考えながら馬に乗るもんだから道中大変だったぞ!」
(やっぱり残念な父様です)
「あなたも早くアルに会いたいよねー」
と母様はベッドに寝てる俺に微笑みながら声をかけてくれた。
「ばぶー」
(え、イケメンいいなぁーー俺様のハーレム人生が……)
「そうよねー」
(いえ、そんなことは思っていませんよ! 母様)
「それで我の甥っ子はどんな感じだ見せてくれ」
「そうでしたね、すいません……お兄様、道中あの人がご迷惑おかけしたんじゃ」
とそう言いながら母様は俺をベッドから抱いてイケメン叔父様(イケ叔父)に見せた。
「まあ、気にするな……おおーこれが我が甥っ子か、アリスは可愛い女の子だが我的にはやっぱり男の子だな」
と嬉しそうに俺を見て笑いかけてくれた。
(そうやって笑って幾人の女性を落としたんだ、イケ叔父は……)
それから二人は窓の側にある椅子に腰をかけるとちょうどドアがノックされ、リリがトレイに紅茶と軽食を持って部屋に入ってきた。
リリはイケ叔父に挨拶して清掃魔法をかけして部屋を出て行った。
(リリ、ちょっと赤くないか? そのイケメンと恋愛はお、お兄ちゃん許しませんよ!)
二人は紅茶を飲みながら母様は久しぶりの兄と会話は楽しそうだった……俺は二人の会話が気になっていたが睡魔に勝てず目を閉じて眠った。
…………
「ばぁーヒヒーーン!」
とまた不思議な鳴き声馬? の止まる音が聞こえてきた……。
納屋の方から「ガシャー」と大きな音が何か聴こえてきて軽鎧が擦れる音が玄関に近づき玄関ドアの開く音がしてリリが出迎えているようだ。
「旦那様、お帰りなさいませ」
(なんて勤勉なんだリリは!)
「リリ、俺がいないくて大変だったな、いない間に子供が生まれるなんて、あ、ただいま」
(残念な父様がいても大変さは変わんないけどね……)
そんな会話が我が家の玄関先で聞こえてくる。
「いえいえ、そんなことはございません。マーサさんが大変だっただけで私はそれほどでも」
「あぅー」
(そんなことはないぞ! リリ俺はちゃんと見てたぞ、ー俺のオシメを変える重要な仕事を)
俺は興奮のあまり思わず声が漏れてしまった、廊下の姉様の部屋のドアだろうか突然ノックされた姉様が父様に挨拶していた。
「父様、お帰りなさい!」
「アリス、父の言いつけを守りちゃんと大人しくしていたか?」
「はい!」
「まあ、いい返事だな、居なかったときのことは、ミレーヌとリリに聞くからな」
(姉様?、いくらなんでも、声するからって部屋出るときにノックはないと思うぞ)
と元気よく返事する姉様だったがばつが悪いのか挨拶をすると居間に引っ込んだ。
お転婆な性格で家でじっとしてるわけもなくいつものように近所の子供と遊び回っていた。
まあ母様もそれほど叱ることはなくあとで父様にこってり絞られたのはあとの話……。
「で、リリ、ミレーヌとアルフはどこにいるのだ?」
…………
(えっ、俺の名前はもう決定なの?このタイミングで…家族揃っての感動の命名式はないの?
やっぱり残念な父様でした)
今更ながら俺がちゃんと聞こえているのはこの世界の七不思議の"1つ"と言うことで。
「奥様は寝室とお坊ちゃまと一緒にいらっしゃいます、それと……ディスト様もご一緒に」
父様の俺の名前らしき発言にリリは聞かなかったように答えた。
(ナイスですリリ! ああ……俺はリリからお坊っちゃまと呼ばれるのか〜(嬉))
「兄上もいらっしゃるのか! それで代官様のところに居なかったのか! 馬の荷物もそのままでわが部屋に直行か」
「(詠唱は後ほど)クリーン」
とリリが父様に清掃魔法をかけたようでしばらくしてノックをして部屋に入ってきた。
「失礼します、兄上、それにミレーヌただいま」
「遅かったな、待ちわびたぞ、アル」
「ミレーヌ頑張ったな男の子と聞いたがアルフはどこにいんだ?」
とまたも残念な父様の発言です、本人はきずいてないのか。
(父様そこはミレーヌ頑張ったな男の子と聞いたが俺の息子はどこにいるんだ が正解だよ……残念父様)
と父様が言うとイケメン叔父様は残念そうに父様に。
「アル、アルフはってどうゆうことだ、俺の息子は? ではないのか? ちゃんと命名式してはおらんでないか、はやる気持ちもわからんでわないがちょっと冷静になれ」
「なー、アルフお主もそう思うよなー、大事な我の甥っ子よ」
と皮肉交じりにイケメン叔父様は俺をみて笑いながら言った。
「あうー」(そうですイケメン叔父様)
「不思議な子じゃな、まるでわかって挨拶しているようじゃな」
「そうなんですよね、ときどきちゃんと返事しているように感じるんです、単に音に反応しているんだと思うんですけど」
と母様が言うと俺はハッとした。
(あれれ、なんか怪しかったか、全然気にしなかった)
「ミレーヌ悪いがアリスとリリを呼んできてくれないか?」
「はい、あなた」
母様は小走りで部屋を出て行きしばらくすると姉様とリリを連れて戻ってきた。
俺の周りに家族全員とイケメン叔父様が近寄ってくる。
「アリスとリリもこっちに来なさい」
「はい、お父様」
「はい、旦那様」
「俺が留守して長かったからな、やっと家族が揃ったから息子の命名式をここで執り行う」
リリが一瞬戸惑ってが笑顔で俺を見つめる姉様は何が始まるのかをわそわしている。
「では、今このとき創造神に感謝しこの子をアルフと命名しバンフリート家嫡男とする」
「かわいい甥っ子よ、我は嬉しいぞ」
「お坊ちゃんま、おめでとうございます」
「ふーん、よろしくね、ルフ……」
(えっと姉様、ルフってなんですか?)
「まあまあ、アリス、ルフって」
「だってお父様はアルって呼ばれてるし、アルフ短くするとアルじゃな父様と同じだし」
(いやー姉様、父様の名前は長いから愛称で短くしてるだけで、アルフは3文字で略さなくても……)
「まあ、そうじゃな、アルは2人もいらんな、ははは」
「あれれ、やっぱダメだった?」
とイケ叔父が笑いながらそういうと全員が笑いだしちょっと残念そうだった父様だったがフォローするように母様が続けて会話が続いてた。
「いいじゃありませんか、名前はアルフ呼び名はルフで」
「そうじゃな、あとで父上に手紙を送ろう名前も決まったことだしな無事に産まれたことも含めて」
「そ、そう言えばお義父上に手紙を送らないとあとで何を言われるかわからないな」
「まあ、お父様のことだから初めての男まごですからね儂だけ除け者にって剣幕で何するか不安ですわね」
っと言うとニコって笑って父様を見た。
(えっとお爺様ってどんな人なんだ怖えーよ)
家族団欒な一幕が終わったわけだが命名式といっても神様に感謝し名前を神様に告げるための家庭で行う単なる簡易風習で教会に行って行う儀式でもない正式な儀式はまた後日にあるそうだ。
「これで我が家の男性の立場がやっと上がる3人と1人では何かと不利でなぁ」
「あぅーばぅー」
生まれて数日の性別♂でも流石に数入れるのはどうかと思いますよ、例え俺を数入れたとしても4人と1人だと思いますが? 俺が味方するって思ってるわけないじゃないよね、と父様の言葉の後に全員の笑い声が部屋に広がった。
(残念な父様、これからよろしくお願いするよ)
…………
久しぶりに感じる家族団欒の光景だったが襲ってくる睡魔には勝てず俺は眠るために目を閉じた。
――次話につづく
ここまで読んで頂きありがとうございました。




