第6話 ゴーレム耐久訓練
キスにより、トラウマを植え付けられてから数日が経った。
予想よりも早く、全員が習得率100%になることができた。
「お前らにご褒美がある」
「えええ、何ですか鳴瀬教官、もしかして結婚指輪とかですかあ」
剣坂訓練騎士は、あれからも変わらずウザイままだった。
「なわけねえだろうが、ゴーレムだゴーレム」
「ゴーレムって、それのどこがご褒美なんだよ、俺の好きなもんくらい調べておけってんだ」
「そうだぜ、兄貴は肉が好物なんだぜ、ご褒美っていうなら大量の肉を持って来るだな」
この数日で学んだことがある、このバカコンビの癪に障る会話は、適当に流すのが良いということだ。
「ちゃんとご褒美だぜ、このゴーレムのおかげで強くなれるんだから」
フィスとランスは何か嫌なことを思い出したのか、冷や汗をかいていた。
「さあ、始めようか、ゴーレム耐久訓練を」
そうして、皆がグラウンドに移動して来た。
「それで、ゴーレム耐久訓練って言ったか、一体どうゆう訓練なんだ」
「名前の通りだ、永遠にゴーレムと戦う訓練だ」
「永遠ってどうゆうことですか?」
「まあ、取り敢えず戦えば分かるから、後分かってるとは思うが、2人は魂纏使うなよ」
「「やっぱりかあ」」
「それじゃ、ゴーレム耐久訓練、開始」
俺の声に反応し、ゴーレムが動きだした。
「いいですか皆さん、躊躇わず本気で攻撃しなさい」
「あれの硬さはまじで異常だからな」
フィスとランスは経験した事があり、このゴーレムのヤバさを知っていた。
「何ビビってやがるんだ、それでも首席と次席かよ」
「そうだぜ、そんなじゃ兄貴がトップをかっさらうぜ」
「プークスクス、トップとか言う前にまず3位の私を倒して下さあああい」
どんな時でもこの3人は通常操縦のようだ。
「見せてやるぜ訓練の成果をよ」
「イッケー、兄貴いい」
流石獣人と言ったところか、身体の使い方が上手く、そこに完全に習得した王羅の力が加わり、風を切るような拳が繰り出された。
「オラー」 ボキ
それでも、ゴーレムの硬さを破るほどの威力は出せなかったようだ。
「ああああああああああああああああ」
「兄貴いいいいいいいいいいいいいい」
ゴーレムにはヒビの1つもできなかったが、拳の方は骨にヒビが入り、手首も痛めてしまったようだ。
「他のやつも見てないで、さっさと攻撃しろ、今日の所はヒビを入れることができたら、後は模擬戦にしてやるから」
そう言って真っ先に動き出したのは、拳を砕かれたキオン訓練騎士だった。
「待てやコラ、俺の攻撃はまだ終わってねえぞ」
拳を砕かれても尚、その闘志は衰えず、獣のような目をしていた。
そして、キオン訓練騎士は先程とは違い、構えを取り集中していた。
「砕け散れえええ、クソゴーレム」
キオン訓練騎士は、地面を蹴り、先程の数倍の速さでゴーレムに接近した。
そのまま懐に潜り込み、砕けた拳で攻撃を繰り出した。
「しゃあああ」
砕けていた拳は、血を吹き出しさらに砕けてしまったが、その拳はゴーレムの表面を削り取っていた。
「よくやった、キオン訓練騎士、しかし教えてないのによくできたな」
魂集、全身に纏っていた魂力を一部に集め、他の部分が強化できなくなる代わりに、その部分の強化率を上げる、魂纏の技術である。
それをキオン訓練騎士は、教えてないのにやってみせたのだ。
「フィスやランスに教わったんだ」
「意外だな、お前は人から教わるのは好きじゃないと思っていたが」
「確かに教わるっていうのは、俺が格下みたいで嫌いだが、そんなプライドのせいで弱いままでいるのはもっと嫌だからな」
シャキーン
「あれ?思っていたより簡単じゃん」
キオン訓練騎士と話していると、剣坂訓練騎士があっさりとゴーレムの腕を刀で切り落としいた。
「おっ、おい、斬華」
「うん?どうしたん」
「お前もフィスとランスに教わったのか」
「別に、今キオンのを見て真似ただけだけど」
「嘘だろ」
キオン訓練騎士だけでなく、この場にいる全員が、剣坂訓練騎士の才能に驚愕していた。
そうゆう俺も、才能があるとは思っていたが、まさかここまでとは思っていなかった。
「それじゃ、模擬戦やろうか、キオン」
「お前には目がついてないのか、見ろよこの怪我、模擬戦なんてできるわけないだろ」
「剣坂訓練騎士、後で相手してやるから、先に第1訓練場に行ってろ」
「はああい」
面倒くさくなりそうだったため、取り敢えずこの場から離すことにした。
「まあ、人には個人差があるからな、余り気にするな」
それからも訓練を続けた。
フィスとランスは、少し手こずっていたが、魂纏を使わずにひびを入れることができた。
スキラも「兄貴に続くぜ」と言いながら、拙くも魂集を使うことができ、ひびを入れることができたが、他3名は今回の訓練で結果を出すことはできなかった。




