第4話 魂纏
鳴瀬教官との訓練を終え、全員が寮で休むことになった。
「はああ、また駄目でしたわ」
「そうだな、魂纏を使わせることすら出来なかったな」
寮の共有スペースに来ると、フィアロスさんとランフォスさんが話をしていた。
「あのう、少しいいですか」
「どうかしましたか、剣坂さん」
「いいよ斬華で、フィアロスさんに少し聞きたいことがあって」
「私のことはフィスでいいですわよ」
「俺もランスでいいよ」
2人は貴族でありながら、堅苦しくなく友好的な人だった。
「それで聞きたいことって何かしら」
「魂纏について詳しく教えて欲しんだけど」
「いいですけど、斬華さんも魂纏は使えますよね」
「使えはするけど、フィス達に比べたら練度は低いからさ、練度を上げる為にもしっかりと理解しておきたいと思ってさ」
昔からある程度はなんでも出来ていた私にとっては、相手と比べて自分を卑下するのは初めての経験だった。
「それでは折角ですから、他の皆も呼んで魂纏についてと、効率の良い修行法について教えましょうか」
かくして、フィス主催の第1回Sクラス強化講座が始まった。
「まずは、魂纏についてね、魂纏は魂から生成される気力、魔力、妖力、仙力、神力、これら魂力を体に纏い身体能力を強化する技術ね、さすがにこれくらいは知ってるわよね」
「はい、初めて知りました」
「「えっ?まじかこいつ」」
ちょっと引き気味に驚かれてしまった。
「恐らく道場で教わったとは思うけど、ははっ、忘れちゃた」
「お前この程度の知識無しにどうやって魂纏使ってるんだよ、てかお前ってバカなのか」
バカそうなキオンにバカって言われてしまった。ちょっと、いやかなりショックだった。
「話を戻すわね、次は修行法についてね、魂纏の修行では解放率と制御率を上げることが大事ですわ、でもこれらの修行は第1段階の王羅までしか意味は無いのだけれど、まずはこの2つを意識すればいいわ」
そうしてフィスが修行法について話していると、鳴瀬教官が寮に入って来た。
「なんでエマーティノス訓練騎士が教鞭を執ってるんだ」
「斬華さんが教えて欲しいというので、折角ですから皆さんに教えているのですわ、そうゆう鳴瀬教官はなぜ寮に来られたのですか」
「アネモス訓練騎士が医務室から戻ったと聞いたからな、様子を見に来ただけだ」
どうやら心配して来たらしい、ちゃんと優しさもあったようだ。
「あの程度の風圧で気絶するとはな、まだまだ指導が必要みたいだからな」
どうやら優しさではなかったようだ。
「本当にそれだけですか、鳴瀬教官、私に会いに来てくれたんですとね」
「それで魂纏の修行法だったか」
「もうう、い、け、ず」
思いっきり無視されてしまった。
「お前達に合った修行は瞑想だ」
「瞑想って、座りながら寝るやつか」
「別に寝てるわけじゃないっすよ、兄貴」
よかった、やっぱりキオンは私よりもバカだったみたいだ。
「いいか、お前達の解放率は100%で申し分ないが、制御率は上げないと駄目だ」
「そのために寝ることが必要なのか」
「だから寝てるわけじゃないっすよ、兄貴」
やっぱり私よりもバカだぜこいつ、安心するなあ。
「まずは瞑想しながら魂力を感じるんだ、そしたらその魂力を外に出ていかないように意識するんだ、そうすると自然と垂れ流しだった王羅が、薄い膜のような王羅になる、それをずっと維持出来るようになるまで繰り返しやり続ける、そうだな、出来るようになるまで訓練内容は瞑想だな」
「「ええええええええ」」
「そういえば最近サンドバッグ欲しかったんだよな」
「わあい、やったあ、楽しみだなあ」
「頑張って強くなるぞう」
余りにつまらなそうな内容に皆不満だったが、鳴瀬教官の殺気を感じ素直に従うことにした。
「鳴瀬教官、では私達な何をすれば良いでしょうか」
「お前達2人は魂力を空になるまで放出したら、2人で組み手をして、魂力が回復したら又空になるまで放出するっていうのを俺ゲームがいいって言うまで繰り返していろ」
「それは魂力と素の身体能力の向上が目的の訓練というこですわね」
どうやら2人は、段階が違うため、訓練内容も違うようだ。
「じゃあ明日からそうゆう感じでやって行くから、さっさと強くなれよ、戦場で死なないためにな」
そう言って鳴瀬教官は寮から出て行った。鳴瀬教官の最後の一言は普段の声よりも少し、小さかったような気がした。
魂纏の段階
第1段階王羅:身体能力の向上倍率 素の身体能力×解放率
制御率が高いと魂力の消費が抑えられる
フィスやランス、騎士団の隊長格は第2段階が使える




