アーケイン・フロント

戦乱の火は、永遠に消えることなく。
勇者の魂は、幾度でも蘇り。
魔王の影は、再び世を覆うだろう。

人類は本来、“魔法”と戦う運命ではなかった。

22世紀半ば。長き平和の果てに、太陽系統一連邦は異世界の超大国――神々の加護を受けた騎士や魔導士、そして異形の怪物を擁するエリュシア神聖帝国との戦争に巻き込まれる。
科学も理性も通じないこの戦いに、連邦は未来を担う若者たちを前線へ送り込むしかなかった。

その中には、共に戦うことになる三人の高校生がいた。

森田タツキ――不本意ながらも第44強襲レンジャー部隊に徴兵され、寄せ集めの小隊を率いる羽目になった少年。

リティエンヌ・デュ・ハナザワ――人間社会で育ったエルフ。二つの世界の狭間に立ちながらも、戦場で自らの居場所を示そうとする少女。

木下ナオト――希望と英雄譚を信じ続ける理想主義者。しかし戦場は、その信念すら容赦なく奪っていく。

現代兵器と神秘の魔法が激突する戦場で、忠誠と人間性が試されていく。
科学と魔法の狭間で生き残るために必要なのは――勇気だけではない。犠牲だ。

やがて、誰もが思い知る。
戦争は誰の中にも怪物を見つける。