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第13話 知り合いの所へ行こう!②

 私達は1週間程歩き続け、ディアボロヘイム王国の最南端、つまりこの王国の玄関口の都市マルクトに来ていた。正直、私のお父さんの領地の街とは規模が全然違う。勿論、こちらの方が大きい。ここマルクトは、他国との交易で栄えている都市らしい。


「セバスチャン、これからどうするの?」


「そうですね、人族の国まで行く商人の馬車に乗せてもらいましょう。」


「おかねは?」


「あと銀貨1枚しか残っていないので、お金は着いてから払うということにしましょう。まずはレコルド帝国に行く商人を探しましょうか。」


 お、お、なんとしっかり者のセバスチャンが着払いにしてお金は知り合いまかせか。まあ、ほんとにお金ないからそうしないと歩いていくことになっちゃうんだけどね。


 それから私達は、レコルド帝国行きの商人の人を探すためにしばらくマルクトに留まることになった。


 何時間か待っていたら、商人が見つかるだろう、そう考えていた時期が私にもありました。はい。


 *


 しかし、現実はそう甘くなかった。もう、商人を待ち続けて5日目なのだ。何しろ、条件がだいぶ限られているのだ。着払いでお金を払う必要があるので、レコルド帝国行きで、しかもセバスチャンの知り合いのいる方面に行く商人でなければいけないのだ。

 商条件に合う商人が見つかるまでの間、お金はないので当然、

 街の外で野宿だ。セバスチャンは根気強く、1台1台声をかけて行先を聞いていく。

 一方、私とルチアちゃんはというと、


「ううう~、ルチアちゃーん、もうまてないよー。まいにちおなじことのくりかえしなんてあきたよー」


「ボクもだよ~、せっかくひとざとにでてきたのにつまんないよー」


 そう、原っぱでゴロゴロしていた。いや、最初はセバスチャンの隣でお利口さんにしていたけれど、2日目から飽きちゃってねー、てへぺろ。頑張ってくれているセバスチャンには悪いけどね。


「すみません、少しよろしいでしょうか。商人の方にお話があるのですが。」


 セバスチャンは柔らかい物腰で街から出てきた馬車の御者の人に話しかける。私とルチアちゃんはそんな様子を横目で見ている。


 セバスチャンに応じて、御者の人が幌の中に声をかけると、中から1人の体格のよい男性が出てくる。

 ん?、……!? この人、虎? なんか、頭から虎耳(?)が生えてるんですけど! あ、そういえば、昔、母がこの世界にいる6種族の話をしていたな。だとすると、この人は、獣人族ということになるのかな?

 商人の男性とセバスチャンはお互いに目が合った瞬間、硬直する。そのまま見つめ合った後、セバスチャンの方から切り出す。


「もしや、ベンか?」


「ああそうだ。じゃあ、あんたはセバスチャンか?」


「そうだ。久しぶりだな、ベンよ。言った通りに商人になったのか。昔、皆で旅をしていた時にお前は商人になりたいと言っていたが、本当になるとはな。」


「ああ。まあ、売り上げはボチボチだがな。もうこんな歳になっちまったが、商人をやってて人生よかったと思ってるよ。ところで、後ろの可愛い嬢ちゃん2人はお前の娘か?」


「断じて違う。こちら方は私が今、お仕えしているシュルツ男爵家のお嬢様だ。もう1人の方はまあ、訳ありだが、やんごとなき身分のお方だ。無下に扱ったら、私とお前の仲でも許さんぞ。」


「わりぃ、わりぃ。ただあんまり可愛いから驚いただけだ。」


 セバスチャンの旧友らしい、商人のベンは私達の方に向き直り、深々と頭を下げながら、


「先程はすみませんでした。どうかお許しを。」


 と謝ってくる。私としては、頭を下げられるのに慣れていないし、それに、可愛いと言われたことが嬉しかったので、気にしてないよーと返事をする。


「あ、だいじょーぶです。べつにきにしてまちぇん。」


 うぐぅ、噛んだ。ま、可愛いと言われて嬉しくない女の子なんていないもんね! どうやら、ベンさんはいい人そうだ。よし、この人、気に入った!

 ルチアちゃんはというと、


「あ、だいじょーぶです。ボクも気にしてません。」


 返答を考えるのが面倒くさいのか、私とまったく同じ返答をする。このやろー、真似しやがって! 後でほっぺたグリグリの刑だ! 唯一、私の返答と違ったのは、噛んでなかったことくらいかな。


「ガハハハハ! そうかそうか。」


 ベンさんは私達2人を笑っている。うぐぅ。


 それからセバスチャンは事情をベンさんに話した。


「事情はわかったよ。あいつの所まで連れていきゃあいいんだろ? まあ、中は狭いけど乗ってくれ。お貴族様を乗せられる程立派じゃあないがな。」


 それから私達は馬車に乗り込む。ただ、私は馬車が高くて乗れないので、セバスチャンが、「失礼します。」と、一声かけて、私をお姫様抱っこですくって、馬車に乗せてくれる。もー、セバスチャン紳士すぎ!


 私達全員が乗り込んだところで、ベンさんが御者の人に声をかける。


「行き先を変更します。レコルド帝国帝都ではなく、レコルド帝国アルノルト侯爵領へ向かいましょう。」


それから3週間。私達は人族の国のレコルド帝国のアルノルト侯爵領へと来て、一旦領都に馬車を置き、商人のベンさんを連れて山奥へと徒歩で向かう。1泊野宿し、翌日の夕方、ようやく1件の家へと着いたのだった。


改稿)ルチアちゃんのセリフで一人称が『わたし』になっていたヶ所があったので、『ボク』に直しました。(1月31日)

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