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猫伝染性腹膜炎【FIP】を発症したうちの猫のこと  作者: なちも


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なぜ書き残そうと思ったか。

無断転載・AI学習禁止

 

 猫エイズ・猫白血病・猫伝染性腹膜炎。


「発症さえしなければ、飼い主にも本猫(ほんニャン)にも一切関係なく、平和に寿命を全うできるし、人には感染しない病気です」

 私がうちの猫を引き取った施設は、血液検査に積極的ではない施設だった。

「もしどうしてもという希望があれば実施していますが、ご縁を大切にしてほしいので」ということだった。


 そうして、引き取ってから数年が過ぎた2024年春。我が家の猫は、猫伝染性腹膜炎を発症した。



 これは、もしかしたらおかしいかも…。でも、季節の変わり目だからかもしれない。

 

 最初の違和感が本格的になってから、病院には2つかかった。


 投薬から寛解まで、大体、2ヶ月と10日だったが、たった2か月あまりが半月や一年みたいに長く思えた。


 情けなさやら不甲斐なさやら、恐怖や勉強不足、申し訳なさ、後悔、深い感謝、安堵。寝て起きたら死んでいるかもと不安で長く眠れず、夜中に寝息を確かめた日々。霊的な体験もした。周りの人にたくさん助けてもらった。


 寛解直後にはFIPを発症したうちの猫との日々は誰にも共感されない極めて個人的な体験だという気持ちと不安な日々を早く忘れたいような気持ちがあって、書き残そうとは思わなかった。

 

 それが、やっぱり書き残しておこうと気を変えたきっかけは、時間かもしれない。


 あれから、もう一年以上が過ぎた。


 あの時気付かなかったら、夜中の3時に肉球で叩き起こされたり、寝返りが打てない苦しさで体が痛くなって唸りながら目覚めるのが幸福だと知らなかったかもしれない。

 もっと早く気付けていたら、また違ったのかなと、今もたまに思う。


 この話を書くのは、今も、まだ少し情け無い気持ちになる。


 ただ、あるいは、誰かがこのFIP闘病の記録を知りたいと思ったいつかその時、その誰かに届いたら良いなと思い、記録を残す。

 その誰かは、未来の私かもしれないし、別の誰かかもしれない。

 この記録が何の役に立つか、何の役にも立たないのか、よくわからない。


 ただ、猫と一緒に暮らした記録として、少しだけ世界に残しておきたくなったので、ぼちぼちと書いておこうと思った。



 

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