7:初めての女子会~ぶっちゃけ過ぎのパジャマパーティ~
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あの後すぐに合流し、待たせたことをお詫びする。クラスメイトであるアーチェリーちゃんは、当然私の取扱説明書も熟知しているので、手を繋いで歩いて行った。女子との手繋ぎは仲良し感があって、ちょっと嬉しい。
私の短い脚で40分ほど歩いたところにアーチェリーちゃんの家はあった。ちなみにアーチェリーちゃんの歩幅では25分ほどの距離らしい……改めて自分の脚の短さに涙する
他のお友達のアミーちゃん、キャンディちゃんは昼過ぎから来ていて、わかってはいたけど、私がやはり最後だったようだ
「みんなごめんね!うちは保護者が厳しくて……お菓子とかも持ってきたし、私もすぐに夜着に着替えちゃうね」
「仕方ないよ。ルーティエ先生はアオイちゃんが大好きなんだし、心配なんだよ~」
「アミー、好きじゃ収まらないでしょ。あれは溺愛よ溺愛!」
「私がチラッと見た感じでは、離したくないっていう執着?を垣間見たけどね」
ぎゃーーーー!!アーチェリーちゃん見ちゃったの!?すんごく恥ずかしいんだけど!!ぜひとも記憶から消して頂きたい
「そ、それよりもさ、私はみんなの恋愛事情とか聞きたいなぁ。人族と魔人族ってなにか違いがあるの?私そういうの全然知らないから」
「んー違い?あ、そうか、考えてみたらアオイちゃんはやっと19歳になったんだっけ?アミ―とアーチェリーはまだ20歳だけど、アタシはもう誕生日過ぎて21歳になったから2個差になったね。人族の方は詳しくないけど、何から聞きたい?」
この中では序列的に(ただの年齢順だけど)キャンディ姉さんがトップなのか。
私がずっと聞きたかったことは……
「魔人族だけでも、世間一般的でもいいんだけど、婚約とかって必ずするものなの?あと、ほら…あの、婚前にしてはいけないこととかって、、、あるのかなぁって……もにょもにょ」
「婚約?う~ん…するしないはお互いがしておきたいかどうかの場合と、あとは『絶対この人と結婚させます』っていう魔法誓約書を両家が書くとか?」
「お…う、なるほど……」
うん、婚約の話は絶対にルティに振らないでおこう。どのみち、私の親はいないから成立しないんだろうけど、なんだかんだで裏技とか出しそうだし。なんだったらすでに対策を考えてあるだろう
「ねぇねぇ~結婚前にシテはいけないことって、もしかしてセッ「あーーーーーーアミーちゃんプリン食べる?作ってきたのに渡すの忘れてたわぁ~ヤダな~もぅ!」
「え?これ今話題になってるやつ?わーい!アミ食べる~」
やだよ、この子ったら。ダイレクトワードで言うのやめて頂きたいんですけど?とりあえず口にプリンを放り込んでおこう。ほぉら、黙ってお食べ~
「アミー……年下にはもっとやんわりと伝えないと駄目だよ。ようするにシテいいのかどうかってことでしょ?」
「キャンディ……それもやんわりではないと思うけど」
うん、ほぼ言っちゃってる感は否めないよね。やっぱりこういう時こそ日本語よ。大殿籠りとか共寝とか?いや、字面でわかるっちゃわかるか。諦めました、それです。
「……ええ、まぁ、、、はい。概ね、お姉さま先生方の解釈の通りと言いますか……」
「アタシ達的にはよくわからない質問なんだけど、逆になんでイケナイの?確かにただの快楽目的の奴もいるだろうけど、相性を知る為だったり、関係が深まった先に生まれる、ごくごく普通の行為なんじゃないの?」
「そこは多分、人族でもあまり変わりないと思うけどね。ただ、人族の方が出生率が高いからって理由で多少は控えたり、もしくは避妊薬を使用したりするみたいよ?」
「アミたち魔人族とかエルフ族は、本当に出生率が低くて50年、100年に一人できればかなり早い方だからね。特別な事情がない限りは、まず避妊という概念がないかなぁ。ぷりんウマッ!」
「50年、100年単位!?そんなに?」
ルティとラトさんで150歳差だったよね……確かエルフ族はそもそもが性欲への関心が薄いから尚更増えないってどこかで言っていたような??
だけど、ルティは先に進みたいのを我慢しているって言っていたよね?薄い=ないってわけじゃないってことかな。
あれ?まさか私が勝手に「先」の意味を解釈違いしてるわけじゃないよねぇ??
「っていうか、ごめん、アオイちゃんはとっくに……と思っていたんだけど?」
「だよね?アミもそう思ってた。ルーティエ先生のあの溺愛ぶりを見たら、みんなそう思ってるよね~?」
「むしろナイって言われる方が驚きというか、ありえないし、何で?だよねー……あれ、、、え?」
なんですって!?私達はとっくの昔に致してると、事実無根もいいとこなのに、経験者扱いされていたの!!衝撃なんですけども!?これって…いいの?本当のこと言ってもいいよね?
「あの……………ナイ、です…すみません」
「「「えーーーーーーー!!!」」」
「あ、もしかして何か特別な事情……ほら、身体が弱いとか?」
「……ないです」
「言いたくないけど……ルーティエ先生が、ふの…「違います!……多分」
「じゃあ、なんで?アオイちゃんが嫌なの?」
「うっ……イヤ、、、ではないですが。怖いし、どうしたらいいのかわからないというのが大きいのではないか、と自分では分析しております。はい」
「そんなのルーティエ先生がどうにでもしてくれそうってアタシは思うけど?」
「今まで一度もそういう雰囲気がなかったとか?」
「あ~~…うー…無きにしも非ずというか、なんちゅうか……」
「まぁ、あったんだね~、それはそうだよね」
「ようするにアオイちゃん的には進んでみてもいいかなぁって考え始めているってことでしょ?」
「え、あ、あう……そ、そうなの、、、かな?」
「「「超可愛いんですけど~!!」」」
「えぇぇ!?」
「この夏休みなんてチャンスじゃない?セクシーな下着買っちゃえば?」
「アミのいう下着は下着になってないからダメだってー。逆に可愛い系の下着がいいんじゃない?」
「ほーら、二人共!アオイちゃんが涙目になってるよー」
うっうう……友達との恋バナに花を咲かせようと思っていたのに、自分で聞いたのが悪いんだけど、いつするのかという話にまで広がってしまい、恥ずか死にたい!!ほんまもんの若い子の押しはハンパないっす
お泊りデートしますなんて言ったら、絶対突っ込まれるよ!!黙っとこ!!
「あ、そう言えば二泊でお泊りデートするんだったよね?チャンスじゃない?」
「「きゃーー!!もう、そこしかないじゃーん!!」」
イヤァァァァァァ!!アーチェリーちゃんも耳良すぎじゃない!?カーモスさん、ドア開けっぱなしだったの?ヤダよ、こんな『この日に頑張ってくるね!』みたいな宣言したくないよ……グスン
結局、経験値すらも一番下っ端の私がほとんどいじられ続け、私のペースに合わせて待ってあげられるルーティエ先生はマジ尊敬する!と言われたり、私には到底真似できない色仕掛け方法をレクチャーつきで指導されたりしたけど、ちゃんとパジャマパーティらしいこともできた。
女豹ことキスミー先生は、ルティの前はゴラリ先生に猛アタックしていたとか、アミ―ちゃんは現在ダンチョ君にロックオン中だとか、キャンディちゃんとハニーちゃんはキラ君が好きだとか、そしてビックリなのが、アーチェリーちゃんはカーモスさんのことがMBA祭以降、気になっているらしいとか……マジか!?
朝方まで盛り上がり、寝落ちしたのは朝日も昇り始めた頃。
約束の時間(って言っても朝食後辺りの9時くらい)になっても帰って来ないと心配したルティが速攻で迎えに来て、私が目が覚めた時にはいつも通り自分の部屋だったっていう不思議現象に驚く。
なんなら一緒にルティまで寝ていて一瞬脳が混乱したくらいだ。ルティが起きた後、ぷんすこオカンティになりかけだったので『ルティのことばかり考えていたら眠れなくなってしまった』とあながち嘘でもない言い訳でなんとか切り抜けることができた。断じて嘘は、、、言ってない
女子会で相談した事案に関しては……
結論、その時の自分の心に従ってみるしかない
苦手なのに読んじゃったよ~って方がいらっしゃったらごめんなさい!