第3期:はじめての外国
今期の一言:自分の薪は自分で割れ、そうすれば体は二倍暖まる。
ヘンリー・フォード
カルディア聖王国はその国力だけでなく、軍事力もまたダントツで強力だった。何百年も続く伝統の中で培われた軍事技術に加え、無駄に豊富な人的資源と無尽蔵の生産能力などなどとにかく何もかもが圧倒的といえる。
そんなカルディア聖王国軍の主力とは何か?
それはずばり『歩兵』である。
『ホプリタイ』と呼ばれる王国軍の歩兵部隊は、大きな盾と、扱いが容易な鋼の剣で武装し、徹底した訓練と規律により戦場ではほぼ無敵を誇る。傭兵での戦闘が主体のグランフォード地方の中小国家や、装備や統率で劣る周囲の国々がこいつらと戦えば簡単に蹴散らされてしまうことだろう。
カルディア聖王国軍が今まで築き上げてきた栄光は数知れないが、その中で特徴的な戦闘をいくつかひも解いてみよう。
およそ330年前、当時世界は魔王率いる魔族が勢力を伸ばし、大陸の半分以上を支配した。
頼みの綱であった勇者たちはことごとく魔人たちに敗れ去り、このままでは人類は滅亡かと思われた。
しかし、魔族の侵攻を押しとどめ、跳ね返したのは無名の兵士たちだった。
王国軍きっての名将ルナ・グランセリウスは、加護などの力を持たない普通の人間であったが、兵を指揮すれば神にも勝ると言われるほどであった。
辺境の都市で兵力を結集するや、即座に首都最終防衛線を包囲した魔族軍を撃破する。その後、各地を転戦して魔族を国境から締め出すだけでなく、そのまま魔族量に逆侵攻。
リルク高地において兵力差5倍以上もある魔族の主力部隊を僅かな損害で撃破するなど、その用兵の妙もさることながら、彼の常勝を可能にしたのは王国のために力を尽くした歩兵ホプリタイたちの働きが大きかったのは言うまでもない。
時は流れ、今からおよそ60年前……王国の版図が最大勢力となった3代前の国王の時代。聖王ヴァシレイオス率いるカルディア聖王国軍が、東方にある砂の民の国家『ハブライ』に侵攻。太陽王率いるハブライ軍と、ナシル河畔で衝突した。
この戦いで聖王ヴァシレイオスは取り立てて際立った戦術は行っていないが、同数の相手を正面から一方的に粉砕してしまう。結果ハブライ軍はファラオが戦死し死者2万人以上の大被害を被って、砂漠の奥に這う這うの体で逃げ出すこととなる。その後ハブライはこの敗戦の影響で次代ファラオの指導力低下を招き、今現在5つの国に分かれて絶賛内戦中である。
このように、カルディア聖王国軍は各国にとって恐怖の代名詞であり、正面から戦っては勝ち目は全くないといってよい。
…
「これじゃまるで古代ローマ軍じゃないか。なかなか厄介な相手だね」
グレーシェンへ出発する前日の夜、竜王カズミは夜も更けているというのに一冊の本を手に取り食い入るように読みふけっていた。
それはかつてカズミが竜族長たちと顔を合わせた際に、地竜族長ベッケンバウアーから譲り受けた膨大な資料の一部だ。
過去に起きた大戦の顛末について大まかに記されており、その上記述が非常に公明正大なので、資料としてはかなり信頼できるものだ。
ただ、情報の入手手段が限られる時代なので真偽が不明な点も数多くあるし、調査できていない部分も多く存在する。それでも、資料に目を通せば通すほど、統一目標であるグランフォードの全貌が徐々に明らかになってゆく。
大小ある国の中も、主要な勢力を持つ国は片手で数えられるほどしかなく、これらのパワーバランスの書き換えをするだけで劇的な効果が得られそうだ。さらには各国の名産について書かれているのもありがたかった。重要な資源を持つ国を早めに抑えておけばそれだけ勢力拡大が優位に進む。
あとはいかにして、強敵カルディア聖王国軍に対抗するかであった。
ちゅんちゅん……
ちゅんちゅん……
\コケッコッコー/
「ありゃ、いつの間に朝に!?」
気付けばすでに太陽は昇っていた。
どうやらカズミは、本に夢中になりすぎて徹夜してしまったようだ。
こんな竜王で本当に大丈夫なのだろうか……?
…
朝食の後、カズミの周りにサーヤをはじめとする火竜たちとリヴァルをはじめとする風竜の一団が集まっていた。
「竜王様、ご準備はよろしいでしょうか?」
「僕はいつでも大丈夫だよ。持つものは持ったしね」
「ですが竜王様……『それ』まで持っていく気ですか?」
「まあ! 私をモノ扱いするのですか。甚だ遺憾です」
で、早速揉めているのはカズミの隣にいるシズナの存在だった。
カズミがいるところにならどこにでもついていくという宣言は嘘ではなかったらしく、どうしてもついていくと言ってきかない。
それに対してリノアンが激しく抗議しているというのが現状だ。
カズミとしては別にシズナ一人がついてきたところで特に不便はないし、最近取得した術のおかげで、例えシズナが逃げ出したりしても即座に連れ戻すことが可能だった。
「リノアンさん、今はそのようなことを言っている暇はありませんのでしてよ。人間の一人や二人くらい大目に見てやっても構いませんわ」
「……………承知いたしました。」
「ありがとうございますサーヤさん」
どうも水面下でひそかに女同士の戦いが繰り広げられているような気がするが、カズミにそこまで気を配る暇がないのは残念である。もっとも、これが結構あとまで尾を引くことになるかもしれないのだが……
それはともかく、カズミは今日からグレーシェンに移動する。移動方法は……飛行。竜族は得手不得手はあれどどの種族も例外なく空を飛べるようになっている。それがたとえ幼い竜であってもだ。
カズミはここ数日間の訓練ですでに空を飛ぶ方法を体得しているので、今回のグレーシェン訪問は竜としての本格的な力を行使する実戦訓練的な意味合いも強い。予想外にシズナという重りはついてしまったが、竜王の力を持つカズミにとって誤差の範囲でしかないだろう。
「リヴァルよ、先導役は任せた。くれぐれも竜王様の身に何事もないよう気を配るのじゃぞ」
「わかっていますともルントウ長老。こう見えても僕はやればできる風竜族長ですからね」
「おぬしまでワシのことを……まあよいわい。竜王様、ご健闘をお祈りしておりますぞ」
「ありがとうルントウ、いってくるよ」
長老のルントウはお留守番だ。
本人は、カズミがいない間のアルムテンを守るのは自分の役目だと言っているが実際は風竜たちと空を飛びたくないというのが本音かもしれない。
「サーヤよ土産はスモークチーズに限る。わかったな」
「ちょっと、私がいない間大長老様から目を離してはいけませんわよ」
ついでに、いつのまにか外に出てきた大長老ブラグニヒトの介護をサーヤの配下の火竜神官たちにおしつける。だいぶぐだついたが、準備は整った。
いざ、グレーシェンへ。
…
「着きましたわ」
「っと意外と早かった」
いざ……っと気合入れるほどもなく、わずか二日間でグレーシェン領の中心都市に到着した竜王一行。カズミにとって丸二日の空の旅は実に快適で、まるでヘリコプターを操縦しているような爽快感があった。
ためしにかなり高い高度を飛んでみようとも思ったが、高度が高すぎると氷竜のリノアンやサーヤ以外の火竜がついてこれず、カズミが背負っていたシズナが体調を崩すなどしてしまったため、とりあえず程々の高度を保ちながら飛行することになる。
また、野営ではカズミが持ってきたものをフルに活用して即席のテントを立て、さらには川で大量の魚を取り森で猪を素手で3頭も狩るなど、兵学校時代に修得したスカウト技術をフル動員。周りの竜たちを驚かせていた。
それはともかく、グレーシェン領に到着して少しも経たないうちに領主のクーゼが自ら城門の外までカズミを迎えに駆けつけてくれた。
お供は二十数名と少なめだが、見ただけでそこそこの地位の者が選ばれていることがわかる。馬の産地だけあって、騎乗する馬匹は見事な筋肉がついた厳選飼育の逸品であることがうかがえる。
「ようこそお越しくださいました竜王様。私、グレーシェン領の領主を務めております、クーゼと申します」
「初めましてクーゼさん。驚いたかな、こんな若いのが竜王だなんて」
「いえいえ、竜王様のお話はかねがね風竜の方から聞いておりますゆえ。この場で立ち話もなんでしょう、館までご案内いたします」
(グレーシェン領主クーゼ。果たして信用できる人なのだろうか)
とても丁寧で礼を尽くした出迎えをしてくれたクーゼに対し、カズミの第一印象はなかなか良好であった。
ただしそれが素顔なのかどうかはこの時点ではわからないが、竜王覚醒の報を聞いて真っ先にこちらにつくことを表明したのだ。よほどすぐれた決断力がある人物であることは確かなのだが、それがあらゆる利益を見込んだ先見性からくるものであれば油断のならない奸雄との見方もできるし、そうでなければ思いつきで行動するバカでしかない。しばらくは味方同士での腹の探り合いが行われそうだ。
「我々グレーシェンの民は以前より貴国とお付き合いさせていただいているため竜族に対して好印象を持っております。一方で近年カルディア聖王国と、その威光を笠に着る『シエナ』が我が国を含め周囲の中小国に圧力を強めてきております。そこで我が国はこの機に竜王様の庇護下においていただきたいと思った次第にございます」
「シエナ……たしかグランフォード諸国の旗頭になる大国の一つだね。それに加えてカルディア聖王国も敵に回すことになるんだから、普通だったら勝ち目は薄いかもしれない。でも今回僕たちを頼ってきてくれたからには、もう安心だ。いずれはこの子シズナさんの故郷ミラーフェンも含めて僕たち竜族が恒久的な平和を約束しよう」
竜王を前にしても全く物怖じしない態度も、カズミにとっては好印象だった。
度胸があるのか図太いのかは別にして、現時点ではとても頼りになるリーダーのように思える。グレーシェンの街並みも整然として、治安も良好。特に町の中心地にある交易広場には各国から商人が集まり、経済の動きが非常に活発であることを物語っている。
「でもいいのかい? 僕たちの側につくということはこの都市は云わば敵との最前線になるわけだ。商業活動に支障が出ないか不安とかもあるんじゃないかな」
「いいも悪いも……我々もそのことは承知の上です。一番大事な『お得意様』は健在ですから」
「ははは、確かにそうだね」
「それに、我々とて無策ではございません。ただほんの少し竜王様から分け前を頂けると」
「ふむ……」
要は、領土拡大を認めてほしいということなのだろう。
カズミにとってそれくらいは織り込み済みだ。
…
その後カズミ一行は、盛大な夕食のもてなしを受け、宿泊のための立派な部屋を貸してもらうなど至れり尽くせり。カズミとしてはむしろこれだけ厚いもてなしをしてもらってこの国の財政が傾かないか心配するほどだった。
なにしろ竜はその力を維持するために人間の数倍は物を食べる。
特に火竜や雷竜はほかの竜に比べて食欲旺盛で、恐らく一番燃費が悪いのはほかならぬ竜王カズミ自身。初めのうちは人間の量を食べればいいかと思っていたがまったく食べた気がせず、火竜並みの食事をしてもよく小腹がすく。
しかもこれ、殆ど術を使っていないにもかかわらず、である。本格的に術を使い始めたらそのエネルギーをどうやって賄うか。考えただけでも恐ろしい。
(食料はアルムテンから定期的に送ってもらうか)
いくら属国といえども、少しは気を配ってあげるべきだ。その国の資源を一方的に食いつぶしてしまっては本末転倒である。
「さてと、シズナさんも寝たことだし……『アレ』をやるか」
グレーシェンに来て初めて迎える夜。
婚約者(仮)がぐっすり眠っているのを確認すると、カズミは窓のカーテンを開けてバルコニーから外に出る。
(古の竜王の力……いよいよ本格的に使うことになるんだな)
意識の底にある力の流れからいつものように少しの塊を取り出すような形で具現化させる。
《竜王カズミから、地竜族長ベッケンバウアー。応答せよ、応答せよ》
何もない空間に向かって声なき声でベッケンバウアーの名を呼ぶカズミ。数十秒もすると、どこからともなく応答が返ってきた。
《こち……竜族長、ベッケ………アー、こちら、地竜族長、ベッケンバウアー》
なんと、アルムテンで同じく留守を任されたベッケンバウアーの声が聞こえてくる。当然彼はこの場にはいないし、彼の声はカズミ以外には聞こえていない。
5000年前に暴れまわった竜王が使った術の記録は、今のアルムテンに断片的にしか伝わっていなかった。このためカズミは竜王がどのような術を使えるのか、ほぼ一から検証していく必要があった。
ベッケンバウアーからもらった資料の中には、わずかながらかつて竜王が使った術がその効果のみ記されていて、中には簡単に行うことが出来ない危険な術も多数あった。
今行っている術は、かつて竜王が族長たちに離れたところから指示を出すために用いていた術であり、これが出来れば遠距離間で情報伝達ができる。当然電話番号だのアドレスだのは必要ない。必要なのは、竜王特有の術力である。
今、アルムテンにいるベッケンバウアーの手元には黒い勾玉がある。これは竜王の力を行使することが出来るアイテムで、その名をズバリ『闇色の勾玉』といった。これを用いることで双方に竜王の持つ力場が形成され、遠距離での意思疎通を可能としている。
この術は比較的簡単にできそうだったので、ベッケンバウアーの協力を得て初めは短距離で術での会話ができるかどうかの試行錯誤を行い結果的にアルムテンの中であれば術による交信が可能となった。
そこで今回は、距離を一気にグレーシェンにまで伸ばしこうして実験をすることにした。結果、実験は大成功だったようだ。
《おーけー、はっきり君の声が聞こえる。どうぞ》
《実験は大成功で御座いますな竜王様!いやはや便利な術ではございませぬか》
《それに術を使うときの負担が全くない。問題は僕がいないと使えないことだけどね。どうぞ》
《先ほどから気になっておりましたが竜王様が「どうぞ」と最後に添えるのは何か意味があるのですかな?》
《あー………いや、元の世界の時の癖だよ。気にしないで》
《左様に御座いますか》
無線感覚で会話しているためか、ついつい変な応答をしてしまうようだ。
通信無線は受信と応答が同時にできないので一方がしゃべるときは一方は黙っていなければならないが、術でしゃべる場合は電波を使わないのでそういった気遣いは不要である。
《では、次の術の実験は如何なさいますか?》
《空間転移術はまだやめとこう。不安定だし、失敗すると大変だ》
《畏まりました。ではまた後日に》
《よろしく。交信終了》
「ふふふ、まさかもう通信会話ができるとはね。やっぱり竜術は便利だな。特に竜王の力は僕が思っていた以上にいろいろなことが出来そうだ」
竜術での通信を終了し、せいっと伸びをした後、持ってきた資料のうちの一つに改めて目を通す。それには、かつて竜王が使っていた力とその根源について
出来る限り纏められている。
「竜王はどの種族にも属さない一竜一種族。その力の源は…………『闇』の力か。これじゃあまんま悪役だよ全く。でもこうしていろいろ使ってみると闇の力も悪くはない。何しろ操れる力の中に『空間』があるみたいだしね」
はっきりいって恐ろしいことだ。
自分の体の中には、上手く使えないとはいえその気になれば世界を滅ぼせるだけの力が備わっているのだ。しかし、だからといって術を全く使わないのはダメだ。世界を滅ぼすエネルギーもうまく利用すれば人々を守る力となる。かつてお竜王はその力を破壊と支配に用いた。ならば自分はその力を世界の安定のために使うことにしよう。そう考えるカズミであった。
で、その次の使い道は『空間跳躍術』つまりワープ。
こちら側の空間と相手がいる空間を繋ぐ術も前々からベッケンバウアーと実験を繰り返してみたが、これがどうもうまくいかない。
一応術は発動するがどうも術に使われる力の消耗が激しいようで闇色の勾玉が一瞬で壊れてしまう。しかもこのアイテムは、他の竜術の道具と違い現状で新しく作ることが出来ないので迂闊に消費するわけにはいかない。
「う~ん……」
術を弄るのを終えたカズミは、日付が変わってかなりたった夜遅くにようやくベッドに身をゆだねた。ここ数日間ロクに寝ていないにもかかわらずまったく眠くならないのも竜王の力なのだろうか。
とにかく考えることが多すぎて、なかなか脳が休めない。こんなことではもしも何かが起きた時に動けなくなる可能性がありとても由々しき事態であることは承知している。
「眠れないのですか?」
「へっ……? シズナさん起きてたの?」
ふと背後から声がしたかと思うと、隣のベットで寝ていたはずのシズナが目を覚ましてカズミの顔を覗き込んできていた。
「明日もお早いのですから、寝ないと体に悪いですよ」
「分かってはいるんだけどね。ちょっと考え事が多くて」
「でしたら、カズミ様が安眠できるように私によい考えがあります♪」
「……?」
訝しがるカズミに対して、シズナはまたしても遠慮なくカズミのベットに突入してくる。
「わわわ……ちょ、ちょっと余計眠れなくなるから!」
「大丈夫です、私にお任せください」
「い、いったい何が始まるんです……?」
「それはですね……♪」
…
「おやすみ……おやすみ……お星さまに囲まれて……夢の世界で遊びましょ……きっとたのしい…」
「まさか子守歌とは、想定の範囲外だよ……」
何が悲しくて二十歳以上になる大人が子守唄を聴かされなければならないのか。心の底から抗議したいところだが、やっている本人が大真面目なので大人しくしているほかあるまい。
だが、歌自体はとても心地よいものでそれに加えてシズナの歌唱力もなかなかのものだった。
(そういえば…お父さんとお母さん元気かな。もう二度と会えないんだよね。僕はまだ死んでないけど、あの世界に戻ることはできない……そう、ここは夢の世界。夢の世界の友達に囲まれて……)
カズミの意識はここで途切れた。どうやら子守歌に意識が行くことで自然に余計な考え事から解放されたからだろう。
「朝まで……ぐっす……り………くぅ」
で、子守歌を歌っていたシズナも自身の催眠術にかかって眠ってしまうというオチをつけて長い一日にピリオドを打った。
登場人物評
氷竜リノアン 氷竜族18Lv
192歳 女性 竜族
【地位】書記官
【武器】銀の短剣
【好きな食べ物】バナナ味のかき氷
【ステータス】力:18 魔力:29 技:17 敏捷:14 防御:25
魔法防御:26 幸運:9
【適正】統率:E 武勇:E 政治:B 知識:C 魅力:D
【特殊能力】参謀 雪上戦 潜水
カズミに仕える書記官となった氷竜。もともとは氷竜の神官たちを束ねる
氷竜巫女の一人だったが、たまたまカズミが復活した時近くにいたことと、
事務能力の高さを買われごく自然な流れでカズミのお付となった。
生真面目で細かいところに気が付く性格。が、たまに融通が利かない面もある。
基本的にはカズミに絶対服従を誓っており、カズミの命令であれば何でも聞く。
ただしシズナ絡みになると途端に態度を急変させ、まるで姑のような抵抗を示す。
それが秘書官の仕事の内だと思っているのか、はたまた彼女自身が
シズナに嫉妬しているのかは明らかではない。
前述のように事務能力は優れているが、戦闘力は低い。
特に火竜相手はかなわないため、火竜族長サーヤには頭が上がらないとか。