第44話
***
「お願いガルド。レクトを止めて」
「本人に言ってくれ」
「言って聞かなかったから、ガルドに頼んでるの」
「そうか……悪い、ミレーヌ。俺には、レクトは止められねえ」
「ならせめて、レクトにお金を貸すのはやめられないの?」
「悪い。それも、やめられねえ」
「どうして?どうしてなの?あなた達が仲がいいのは知ってるけど、どうしてそこまでするの?」
ガルドは困ったように頭を掻いた。
「なあ、ミレーヌ」
「何」
「ちょっと聞いてくれ」
「……聞くわ」
「知っての通り、俺とレクトは幼馴染だ」
「うん」
「初めて会った時の話はしたっけか」
「ええ。ガキ大将だったガルドにレクトが挑戦してきて、何度叩きのめしても数日後には再戦を仕掛けてきて、最後はレクトが勝った、ってやつでしょ。耳にタコができるくらい聞いたわ」
「そうそうそれ。で、まあ、それがきっかけで、俺はあいつとつるむようになったんだが」
「うん」
「まあなんというか、レクトは本当に、どこに行っても、何をしててもレクトだった。馬鹿正直で、お人好しで、欲しいものややりたいことがあったら一直線に突っ込んで行って、自分が納得するまで何がなんでも諦めない。で、時々その諦めなさが俺にまで伝染してきて、それが一番、楽しかった」
「……うん」
「十五になって、あいつは冒険者、俺は兵士の道に進んだ。正直、兵士暮らしは退屈だった。いくら力が強いと言っても、士官学校出でもない俺は大して上にもいけねえことは分かっていたし、運良く近衛に行けたところでその先はさして変わらねえ。魔王が出た時も、その後戦況が悪化した時も、もちろんどうでもいいとか負けてもいいとかは全く思ってなかったが、そうだな……なんて言うんだろう、どっか冷めてた、と思う」
「そう……だったんだ」
「そしたら、レクトが俺を、魔王討伐に誘いに来た。ガキの頃と全く変わらないあの調子で、
"俺は魔王を倒したい。魔王を倒して、平和を取り戻したい。だからガルド、一緒に魔王を倒してくれ"
って」
「私にもおんなじこと言ってた」
「ははっ、だろうな。で、最初に聞いた時は気が乗らないからと断るつもりだったんだが、あいつが喋るのを聞いてると、なんというかこう、気持ちがむずむずしてきてさ。気がついたら魔王討伐に同行すると決めていた」
「そうだったんだ……」
「で、そこからエルフィと会って、ミレーヌが加わって、後は知っての通り」
「うん」
「悪いな、話長くなって」
「ううん」
「で、何が言いたいのかというと……つまり、俺は、レクトに誘われてから魔王を倒すまでの間、いや、魔王を倒した後も含めて、一度も退屈しなかった」
「……うん」
「レクトが誘いに来なければ、俺はおそらく、半分冷めたまま戦いに出るか、近衛に行くかして、力は強いがそれだけの、ただの兵士として、退屈したまま戦いに参加して、どこかで死ぬか、運良く生き残ってまた退屈しているか、だったろう」
「……」
「その未来から俺を掬い上げてくれたのは、レクトだ。ガキの頃と同じように、退屈とは程遠い時間を過ごして、がむしゃらに戦って、気がつけば“魔王を倒した戦士様”なんて凄い立場に立っている。その全てを俺にくれたのは、レクトだ」
「……うん」
「だから、魔王を倒して、この王都に戻ってきた時、俺は決めた」
「……何を?」
「一生かかってでも、この借りをレクトに返す、と」
「……ああ」
「だから、ミレーヌには悪いが、俺はレクトを止めねえし、金を貸すのもやめねえ。あいつが、どうしても欲しいものがあるから力を貸してくれと、俺に頼んできた以上、俺にできることは、なんでもやる。そう、決めたんだ」
「……」
「だから、ミレーヌ」
「……うん」
「悪いな」
「……ううん」
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入札番号:0601の1
第23回入札結果
ベルト・サヴィニ 2000万
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入札番号:0601の1
第24回入札結果
レクト・ヴァンフリート 2200万
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入札番号:0601の1
第25回入札結果
ベルト・サヴィニ 2400万
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第26回入札結果
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第27回入札結果
ベルト・サヴィニ 2800万
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第28回入札結果
レクト・ヴァンフリート 2880万
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入札番号:0601の1
第29回入札結果
ベルト・サヴィニ 3000万




