1 まあまあこれが仕事なんで
「神谷ー、この仕事よろ」
「神谷、わりぃ用事あるから頼むわ」
同じ担当の同僚からデスクにどんどん書類が積まれていく。
ただでさえ学校の机2個分しかない広さでいっぱいいっぱいなのに積まれた状態は書類の雪崩がおきそうだ。
正直俺の仕事はもう終わるからさっさと家帰って寝たいがここで断る勇気など俺にはない。
不器用な笑顔を向けつつ、
「おう、任せろ」
俺の徹夜パーティのはじまりだ。
◇◇◇
俺の名前は神谷 湊。中学校の頃、おじいちゃんの先生からテスト返しで「神谷くん」と呼ばれたが、かみやだ。そこんところ間違えないでほしい。
俺は昔から人に頼まれたことは断れない主義で中学校でも高校でもいろんな人に任されられてきた。
頼りにされているっと思いたいが、都合よく動くやつとも認定されているらしい。
ようやく社会人になってもこの生活……。
正直抜け出したい。
「…よおし、おわった」
仕事が片付いたのは定時がとっくに過ぎ、次の日になりかけている。
ファイルやら書類やらをカバンに詰め込み会社を出る。
人は全く通っておらずこの世界に取り残された気分だ。
‥‥にしても、眠い。
口から漏れるあくびを噛み殺しながら一歩歩いた…はずだった。
いつもはちゃんと降りれる階段を踏み違いバランスを崩す。
ゴロッゴロッと何度も何度も体も頭も周り、最後にはドスッと落ちた。
頭が割れそうなくらい…痛い
体…うまくうごかない…。
こんなミスしないはずなのに。
…あれか、俺が寝てなさすぎなせいか?
そうなら…‥最高にわらえるじゃないか…。
ぼんやり映る世界がゆっくりと黒にそまっていった。




