第2話「出会い」
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俺たちが駅のホームを出た先に映ったもの―
「な、なんだアイツ…?」
…アゴヒゲを生やし、ギターを弾き続けるファンキーな男だった。
「弾き語りしてるみだいだけど〜?」
アイが目を丸くして見ている。
「ンン?」
男がこちらを見て言う。
「君ィ!ダークなオーラ、ダダ漏れだぜ〜?」
「君、うかない顔してるねって意味です」
声の先にいたのは、三つ編みテールの女の子だった。
「へえ〜、そうなんだー…。」
…まさかの通訳にビビったぜ。
「私はソニア!それで、この人は…」
「私の名前はヨハン!座右の銘は”テンション・フォルテッシモ”!」男が名乗った。
俺も自己紹介しないとな。
「俺はゲート。反―いででででっ!!」
突然、脛が悲鳴を上げる。そして横には不気味な笑みを浮かべたアイの顔が。いかんいかん!皇帝の腹の中で反逆なんて、口が裂けても言えない!
アイちゃんナイス!あとごめん!
「私はアイ!アイちゃんて呼んでね〜★」
まあ、いつも通りだな。
「あ〜…2人は観光ガイドさんか何かかな?」
話題を変えよう。
「ノンノン、間違っているぞチェリーボーイ。」
…は?今なんつった?
「お父さん…ヨハンは、あそこにある小さなホテルのオーナーなんだ。」
ソニアの指差す方向をみると、三階建てのこじんまりとした建物があった。壁はくすんだ白色、屋根は茶色のシックな色合いだ。
「…それで、ソニアは…?」
な、何故か悪寒がする…。
「お兄ちゃん?泊まってほしいな〜。」(上目遣い)
「客引きかよおおお!!!自分の娘に何やらせとんじゃお前ぇ!!?」
予感的中。ツッコまずにはいられないだろ…!
「よくないことは分かっている…。だが、こうなった理由を聞いてほしい。」
えっ…?急にしおらしくなったなコイツ…。
「夕方は冷えますし…、あなたたちもお金少ないでしょ?」「話を聞いてくれたら…安くしますから!」
こ、この展開ってまさか…。
「案内してください。」
…へ?アイちゃん行くの?
「ほ〜らゲート!これも何かの縁だし、話くらい聞いてあげようよ〜★」
「…おう。」
負けだな。それを聞いたソニアの顔がぱっと明るくなる。
「本当ですか!?ありがとうございます!!」
クソッ…!ずりぃだろ、その笑顔は…。
このとき俺は知りもしなかった…。王都の住民に潜む邪なナニカが、一生消えないキズをつけることになるなんて―。




