第1話「決意――少年は抗う」
初投稿です。
〈帝暦 ????年 アルトリア帝国 宮殿にて――〉
豪華絢爛な内装が、血と悪意に染まる。
「へ、兵を!兵を出――ぎゃあああッッ!!」
権力者らしき男が、断末魔と鮮血を撒き散らしながら地に伏す。
悲鳴……幼い少女の泣き声……
周辺は阿鼻叫喚の惨状となっていた。
――俺は世界を壊す……。悲鳴や命乞いなんて、どうでもいい。悪意で人を弄んだ奴の死なんて、どうでもいい。
「陛下。王宮内に反逆者達の侵入を確認。……有り得ない、10人足らずの反逆者に、我が軍が圧倒されるなんて……ッ!!」
家来らしき青年が慌てふためく。
その様子に、皇帝はクスリと笑う。
そう、まるでこうなる事を望んでいたかのように――
「さて…今度はどんな子かしら……?」
「”黒薔薇の悪魔”……♡」
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〈帝暦2026年 8月 アルトリア帝国 裏路地にて――〉
「こんな所で、なにしてるの?」
それは暑い夏のことだった。俺に話しかけてきたのは、水色のハーフアップで瞳は紫、白いワンピースを着た、この暑さとは無縁の涼しげな少女だった。
「……誰だ、お前?」
俺は不貞腐れた態度で少女を睨みつける。
すると、彼女は一歩ずつ近づいてきた。
「私?ただの通りすがりの、アイちゃんだよ。それよりも、なんでこんな所にいるの?」
アイと名乗った少女は、依然として不思議そうに俺を見つめる。
不思議に思うのも分かる。
この国の裏路地の環境は最悪だ。薬物の売買や死体遺棄なんてザラに起こる。
まあ、身の上話なんて今後するか分からないし……。
俺は溜息をついてから、嫌な記憶を思い起こしながら口を開いた。
「俺は、親に捨てられたんだよ……。」
長い沈黙の後、少女が口を開く。
「君のその目……親に愛想を尽かされたって思ってる?」
アイが不気味に笑う。
「ひょっとして……君は両親に捨てられたんじゃなくて、この悪意に侵された世界に捨てられたんじゃないの?」
耳元で、そう囁く。
夏とは思えない冷気にくすぐられ、俺の全身がゾワッとする。
「歪んだ……世界……?何を言って――」
反論しかけたとき、俺の記憶がフラッシュバックする。自分を心から愛してくれた、父と母との暖かい記憶――
アレは夢……?いや紛れもない事実だ。
かつて、母に引っ叩かれた頬が再び疼き出す。
そうだ、あの日……。俺を家から追い出した母さんの顔は、何処か不自然だった……ッ!
アイに映る俺の目は、衝撃と絶望で歪んでいただろう。
「……君も、そうなのね。」
アイが静かに溜息をつく。
さっきまでの無邪気なソレとは違う、凍てつくような雰囲気だ。
「……この世界の悪意はね、伝播するの。比喩なんかじゃなくて、直接的に。」
「そして……人為的に。」
アイの説明に、俺は混乱してしまう。
「"君も"って……俺の両親以外にも、世界の悪意に当てられた人達がいるっていうのか……!?」
俺の悲痛な叫びを聞き流すかのように、アイは話を続ける。
「こんな怪しい子どもの言うことを信じれば、の話だけど。」
そして、少し間を置いて、彼女は考えるように指をあごに当てた。
「ねえ、君はこの話を聞いてどうしていきたい?」
不意を突く問いかけ。しかし同時に、その問いは俺を現実に引き戻した。
「どうしていきたいか……」
少女が無邪気に笑う。
「――世界の悪意っていうのが何なのか、俺はまだ理解できていない。けど、この世界の黒幕がいるっていうなら、俺は……ッ!!」
俺の歯が、唇に食い込む。
彼の答えは、すでに決まっていた。
「俺は……この世界に反逆する……ッ!!」
俺は一瞬の沈黙のうち、噛み締めるように答える。
「俺はソウジ……。いや違う……反逆者としての名は”ゲート”だ!」
俺は茨の道に足を踏み入れてしまった……。
もう後戻りは出来ない――。
俺は別にこのとき、守りたいものがあったわけじゃない。
ただ、理由を知りたかったから。
いや、もしかするとできるかもしれない。
両親との絆?それとも……目の前にいる彼女?
――いずれにせよ、反逆の果てに残るものが何なのか、今の俺には分からない。
かなり荒削りだったので、「ここを改善ほしい」といった意見があればコメントをお願いします。今後の制作の軸にしていきます。
また、「この言い回しが良かった」という意見があれば、その部分を活かせるよう努めてまいります。




