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MURASAMABLADE

 「よろしいですか?皆さん。ムラさんから今回いただいた刀は、とても軽く仕上がっています。これは長所でもあり、短所でもあります」

 アイリス、バダー、バズーを集めて講義を始めたのはメイフェアだ。残りの面子はといえば、ムラとドーユーとプルナは村田に銃の講習を、大地は持ち込んだスケイルウルフと入手した和食調味料で何か作ってみる、と厨房へ、飛鳥は同様に入手したスパイダーシルクで何か作るために作業場にしてよい部屋を教わってそちらに引っ込んでいる。

 「長所はわかる。軽ければ振るのも早く振れるし疲労も少ないし、コントロールもしやすいよな」

 「はい、バズーさん。では、短所は?」

 「む…」

 「重量がある程度以上あれば慣性が大きくなるからそれを攻撃力とすることができる。獲物の軽さは攻撃力の軽さにもつながりやすい、そういうことだろう?」

 答えに詰まったバズーにバダーが助け舟を出した。

 「その通りです、籠める力とスピードが同じならば質量がある方が運動エネルギーは大きいのです」

 「あれ?じゃあこれムラさんの失敗作?」

 「いえ、そうとばかりも言えません。これは、より斬ることに特化した刀、と解釈するのが前向きでしょう。ただしその分実力を発揮するには技量を要求しています。クオさん、標的を用意してください。」

 メイフェアは 解説をしつつ、クオに斬撃用の標的を用意させて薙刀を構える。

 「たっ、やぁっ!」

 八双から斬り下し、薙刀を体に巻き付けるようにして勢いをそのままに向きを持ち替え斬り上げ、頭上でくるりと回して再び斬り下ろす。とん、と石突で地面を突いた所で3回の斬撃で4つに分かれた標的がばらばらと地に落ちる。

 「とまあ、これが手本ですが、どなたかやってみられますか?」

 「んじゃ、私が」

 再びクオが用意した標的の前にアイリスが立ち、ずらりと太刀の鞘を払う。

 「…なんでそこで片膝ついてるかな、クオは」

 「鞘をお預かりします。姫様」

 片膝をつき両掌を差し出すクオに、苦笑しつつ鞘を預け、太刀を正眼に構える。

 「ああ、なるほど軽いね。ステータスのおかげもあるんだろうけど、このサイズでこの構えでも安定は悪くない…とっ!」

 そこから袈裟懸けに斬り下ろし、横に薙いだ太刀はしかし、標的に食い込んで止まる。

 「む?ふん!」

 もう一度力を入れ直して押し切ったアイリスは、それでも納得顔だ。

 「なんとなくわかった。刃筋と太刀筋を完全に合わせないと斬れなくて、強引に押し切るのには向かない。そうだね?メイちゃん」

 「はい。日本刀は元々そんな傾向の強い刀剣ですが、このムラさんの(ブレード)は特にその傾向が強いようです。ですが正しく扱えば尋常でない斬れ味です」

 「なるほど、正しく振れば斬れるし、そうでなければ簡単に止められる、そんな刀なんだな?」

 「その通りです、バダーさん。ですから、刃筋と太刀筋を合致できるようになるまで素振りを繰り返すのを推奨します」

 メイフェアの考察に納得した3人が素振りを始め、メイフェアが監督、指導を始める。

 「メイフェア様」

 「なんですか?クオさん」

 「やっぱり創作物は作る人に似るのでしょうか」

 「どうしてですか?」

 「ムラ様の(ブレード)は、斬れるけど面倒だと理解しました」

 「…そうですわね」

 クオの感想に、そっと忍び笑いを漏らすメイフェアだった。 

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