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ウェルカム!

 「ホントに俺らで良かったのか?」

 第三主砲塔席から何度目かの質問を口にしたのは、ブラウンの短髪、身長こそ150㎝を少し超えるくらいだが前後左右に骨格と肉付きの良い、テックドワーフ種の特徴がありありと見える青年だ。

 「むしろ、ドーユーさんが来てくださらなければどうしようかと思っていましたわ。頼りにさせていただきます」

 艦長席から答えたのは、和風ポニーテールの黒髪に翠の瞳、長い耳がエルフィン種を選んだことを示す少女、本サービス開始時に種族変更したメイフェアだ。

 「バダーさんにバズーさんも。上がっていらしていたのは本当に幸運でした。直接戦闘は不得手ですから、護衛をお願いできる方が見つからなかったら途方にくれるところでした」

 RCO席とVLM手席のインセクティア兄弟にも声をかける。この二人は地表の攻略に降りていたのだが、装備を再検討するためにたまたまステーションまで上がってきていたのだ。

 「気にするな」

 「たまにはこんな付き合いもいいさ」

 「俺は楽しみだな。低重力でないと扱えない素材でモノ作りがしたいものだ」

 そう言って機関手席で軽く伸びをするのは、銀髪を肩まで総髪に伸ばした青年で、名前をムラ、という。彼は、アバター引継ぎ組で、今このブリッジに居るプレイヤーの中ではスキルも種族レベルも最も高レベルだ。

 「着いたらメンテもしてやらんとのう。ライセンス買ってくれてるのは今のところあの嬢ちゃんだけじゃし」

 砲術長席で一人うなづくのは禿頭白髭のテックドワーフ、村田。年寄プレイなのかリアルに高齢プレイヤーなのかは謎だ。

 「艦長。目標、目視確認できるようになりました」

 通信士席から兎型ゾアンのプルナが報告してくる。

 「ではこれより当艦は減速に入ります。皆さんGのベクトルが変わりますので注意してください」



 ぽーん

*フレンドコールです*

 アイリスがコールを受け取ったのは新規クエストの条件検討を一段落つけ、休憩、食事にしようとしていたタイミングだった。

 『こちら、高速巡洋艦【プリンセス・メイフェア】コロニーへの着岸許可を申請します』

 『お?メイちゃん早かったね?て、高速巡洋艦⁉』

 『はい。そちらのコロニーと同じで、ガチャで当てたんです。でも、だめですよ、アイリスさん。こういう時は台詞回しを合わせてくださらないと、気分が盛り下がります』

 『ああ、確かに』

 『では改めて。こちら、高速巡洋艦【プリンセス・メイフェア】コロニーへの着岸許可を申請します』

 『こちらコロニー、【セサミシード】受け入れ準備が整い次第着岸を許可する。南港【バンゲリング】付近で待機されたし』

 『【プリンセスメイフェア】了解しました。南港側で待機します』

 「ここはやっぱり港で出迎えるとこだよね」

 「はい、姫様。それに巡洋艦ともなればここからよりも岸壁で誘導したほうがよろしいかと思います」

 「では、行こう。サポートよろしく」

 「お任せください。行ってらっしゃいませ、姫様」


 『ほほう、でかいね。300mくらいはある?』

 『だいたいそのくらいですね。でも、サイズの話をあなたが言いますか?』

 『まあ、確かにww でも、そんなサイズのを一人で動かせるの?』

 『最低限動かすだけなら一人でも。ただ、一人では武装はほとんど使えませんし観測、索敵も穴だらけになりますから… ちょっと細かい機動も難しいですね… っと、、それで、全機能をアクティブにするのに最低50人、交代要員も入れれば150人くらいは欲しいところなんですよ』

 『…よし、固定。総督権限で【プリンセス・メイフェア】クルーに上陸許可を出します。ようこそ、【セサミシード】へ』

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